第4話 就職~家族もフリスクの仲間も熱い視線で注目する
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謹んでお届けします。
家に帰ると、お祝いの席が設けられていた。
母の手作りのお寿司。
父が注文していた、わたしの好きなケーキ屋さんのショコラケーキ。
「就職おめでとう~希望の星・カンナ★~」のプレートが目に痛い。
これをみて、やっぱり退職するとは言いづらい。
辛い。めっちゃ辛い。
退職代行サービスの電話番号はスマホに入れてある。
問題はいつかけるかだ。
ママが泣いている。
「カンナが適応教室で働くなんて、今でも信じられない。
たくさんの子供たちと親たちを救ってあげて。
カンナならできるよ。ああ、こんな素敵な日が来るとは思わなかった。
ねえ、お父さん」
「いや、カンナならきっとやれると思っていた。
信じていたよ、お父さんは」
二人はケーキをカンナに持たせて写真を撮る。
きっとフリースール・カナリアのSNSにでもあげるんだろう。
親の会では、カンナは希望の星に奉られている。
「見て、みんなからの反応。いいねがこんなに!」
ママのスマホを見ると、うわあああ、これか。
「うちの子もいつかはカンナちゃんのように自立して就職して欲しい」
「カンナちゃんのようになってほしい」
「カンナちゃんが目標です」
「カンナちゃんの足跡をたどっていきたい」
「カンナちゃんのママに嫉妬している。どうしたら、こんなにうまくいくの?」
いいねがどんどん増えている。
つまり、カンナは教祖様になっているってこと。
それなのに、着任1日目で退職代行をつかってよいの?
せめて、5日? 5日たてば、やはり合わなかったで許されるのではないかしら。
それに、目標にされるのもそろそろ卒業したい。
泣きはらした目。どんよりと死んだ目をした親の会の人たち。
でも、わたしを見るときだけは、その顔にぱあっと光が宿る。
SNSの投稿を子供に見せているかもしれない。
「焦らなくてもいい。高校生からカンナちゃんは変わった。
今はあなたもエネルギーを蓄える時期。
学校なんか休んでもいいんだから。
それでもカンナちゃんみたいになれるのよ」
そんな話をしているだろう。
そこに「カンナ辞めました」
そんなポストが来たら、どれだけの人が深い絶望に落ちるのか。
やっぱり明日も行くしかない。
お寿司とケーキと親の笑顔を見て、しぶしぶ覚悟を決めた。
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