第3話 適応教室での相棒はトラウマの人だった
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気まずい時って時計の針が進まないものだ。校長室で、校長先生が、時計を見る。そして、再び身を乗り出してきた。
「もうすぐ相棒の先生が来るはずですよ。黒川さん。あなたの人生を話してくれてありがとう。これから相棒の先生と一緒に適応教室を立ち上げて、不登校や不適応の子どもたちに声をかけ、わが校の癒しの教室を経営して欲しい。インクルーシブの時代だからね。不適応の子をつまみだせばいいってものじゃない。通常級でもなじめるように指導をして欲しいんです。黒川さんの今の話を聞いたら、適任だと思えましたよ」
「そうでしょうか。ありがとうございます」
「それでは、提出書類なども記入して、もうしばらく待っていてくださいね」
そう言って校長先生は立ち上がり、出て行ってしまった。ミカさんも出て行った。そしてなかなか戻ってこない。時計は進まない。
わたしは提出書類に必要事項を書き入れた。通勤届。履歴書。自宅住所や電話番号など。書類は楷書でゆっくり丁寧に書くように言われている。
全て書き終わり、見直しをしても校長先生は戻らない。相棒の先生も来ない。
不安だ。
校長室の観察をして暇をつぶす。胡蝶蘭の鉢。大きな机。そして、今すわっている会議用のテーブルとイスが6脚。金属製の書庫にはダイヤルがついている。カレンダーは、上半分に子供の描いた絵が印刷されたもの。
「ああ、黒川さん、待たせたね」
校長先生が入ってきた。後ろから、続けて入って来たのは……!!
まさかのあのホンダ先生!!!
嘘でしょう。もしかして適応教室の相棒ってあのホンダ先生?
あああ、最悪。もう辞めたい。
たった今書き終えた書類を投げ捨てて、「辞めます」って叫んで帰りたい。
「もしかしたら、黒川カンナさん? ボクのクラスにいた。元不登校児って聞いて、真っ先にあなたのことを思い出したよ。ねえ、あのときはどうして不登校になったの?」
ああああ、最悪。このデリカシーのない発言。
一緒にやれる気がしない。
校長先生が驚いた顔をしてふたりを見比べている。
「あら、知り合いなの? ホンダ先生の教え子?」
「そうですよ。教え子です。元不登校児。ああ、こうやって再会できるなんて嬉しいなあ。あの時は、心配したんだよ」
校長先生は、ちらっとわたしを見た。
「知り合いなら、やりやすいでしょう。それでは、黒川さん、よろしく頼みますよ。ホンダ先生、教室に案内してあげてください」
あああああああああ! 最悪。帰りたい。もう無理。
退職代行っていくらかかるんだっけ。帰ったら電話したい。
でも、わたしはフリースクール・カナリアの希望の星。
エミリのママが辞めたら殺すって言っていた。
ホンダ先生と一緒にやるか、殺されるか
どっちもいやあああああああああああ!!
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