第22話 適応教室にいらっしゃ~い
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謹んでお届けします。
「カンちゃん、はりきっているねえ」
「ポン先生! ヒナタさんが来るんですよ。
どうします? ねえ、どうします?」
「まあまあ。今日はやつの話を聞こうじゃないか」
「はあい、聞きます! 聞きますよ」
「おはようございます」
ヒナタさんとママだ!
ポン先生は、電動車いすでゆっくり教室の入り口まで移動した。
「今日からよろしくお願いします」
ママは深々と頭を下げた。
ヒナタさんは、窓から校庭を見ている。
高学年の児童がサッカーをしている。
「まあ、ゆっくりやっていこうな」
ポン先生が、ヒナタさんの肩をたたいた。
「あああ、タイバツ!
この先生は、ぼくをなぐりました!!」
カンナは急いでとりなした。
「違うよ、ヒナタさん。親しみを込めてポンって触れたんだよ。
ポン先生、ちょっとぉ、気を付けてくださいね!!」
ポン先生が母親と話す。
「昼夜逆転? だから、ダメなんですよ。生活習慣が一番大事ですよ。バランスの取れた食事。夜の9時には就寝、十分な睡眠。絶対大事ですよ。そして、朝の光を浴びさせる。和食の朝食を食べさせる。元気に『行ってらっしゃい』と送り出す」
「はい。これからがんばります」
「まさか、夜遅くまでテレビ見てませんか?」
「あ、うちの子、ヒナタは、テレビは見ないです。ゲームをしたり、動画サイトは見てますが」
「テレビを見てないなら大丈夫」
「は? ゲームしているんですよ。一晩中」
ポン先生は聞こえないようだ。
「ヒナタくん、友だちと長電話とかしてませんか」
「それはしてないです。SNSはずっとやってますが」
「ん? SNSなんじゃそれ。まあ、長電話してなければ大丈夫」
ママが疑問の表情をする。
わたしはだんだん呆れて来た。
ママと目を合わせる。
声をひそめる。ひそめた声はポン先生には聞こえない。
「すいません、山下さん。ポン先生は、昭和から転生してきたんです。動画サイトもSNSも聞いたことはあっても、イメージできていないみたいです」
「ああ。そうなのですね」
「昭和の良いところだけ、取り入れていきましょう」
わたしとママはうなずきあった。
昭和の熱血教師と今時の子ども、
橋渡しにやっぱりわたしは必要。
さあ、これからどんな日々が始まるのか。
ポンとカンの適応教室が動き始めた。
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