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第28話 決裂

なんととんでもない長風呂から上がったミリアが帰ってきた。そして烈とエリカの様子を見た瞬間驚いて


「え!2人とも、もうそんなに仲良くなっちゃったの!?」


とおかしなことを言う。


「違……くはないけど、それよりもどんだけ風呂長いんだよ。」


ミリアは腰に手を当て自信満々に答える。


「色んな風呂を長風呂していったらいつの間にかこんなに時間が経ったのさ!」


「自信満々に言うことじゃないぞ……。」


烈は呆れた。


ミリアにもしっかりエリカについて話した。最初は驚いていたが、特に気にすることもなくいつもの調子へと戻っていった。


日を跨ぐ前に寝る準備に入る。

ミリアはエリカと一緒に寝たがっていてエリカは烈と寝たがっていたので、3人家族のように川の字で寝ることにした。


烈は今日は色々あったと思い馳せてそのまま眠りに落ちた。


窓からの木漏れ日により目が刺激される。

身体を起こそうとした時、いつもより少し重く、微妙な感じでまるで金縛りを受けたようだった。


布団をめくってみるとそこには日光に照らされ輝く銀髪に気持ち良さそうにすやすやと寝ているエリカが居た。


エリカも烈とおなじく日光に起こされると、烈に気づき、


「おはようございます。レツお兄ちゃん。」


と柔らかく挨拶した。

烈は困惑した。


(お兄ちゃん??)


「あぁ、おはよ、エリカ。」


とりあえず挨拶を返した。そしてエリカを横にスライドさせる。エリカは「あぁーれぇー」と言いながら滑っていった。


「あ、おはよ!レツ!」


ミリアは何やら鏡台の前で容姿を整えているようだった。


「んじゃ、早速あいつらの元へ帰るか。」


と、トル達の元へと帰ろうとする。しかしミリアに静止させられる。


「ちょっと待ってエリカはどうすんの?」


烈は即答する。


「この子は俺が育てる。」


ミリアは口が開いた。エリカも驚く。


「どゆこと!?」


「そのままの意味だよ。エリカと一緒に生きていくよ。俺は。」


と決意を固めている。


「エリカはそれでいいの?」


エリカにも確認をとる。


「まぁ、元々レツお兄ちゃんの目標は私と同じですし、レツお兄ちゃんが私と一緒に……と言ったら私は構いません。」


エリカは小恥ずかしく答えた。

ミリアは昨日、自身がいない間で二人の間にどんな過程があってこうなったのかを考え込む。


頭がプシューとオーバーヒートしたところで烈が叫ぶ。


「よっしゃー!じゃ、帰ろか!」


ミリアは頭をブルブルっと震わせた。エリカは大きく振りかぶった。


そして手を上げて、


「おー!」


と相槌した。


宿を後にして適当に朝食を済ませ、帰路に着く。ここからは半日かかる予定だ。できる限りの寄り道はせずにまっすぐ帰る。


ミリアが思いついたかのように話す。


「そういやさっき耳にしたんだけど、デザイアルの出場権って奪えるらしいよ。」


その衝撃な一言に烈は驚く。苦労して予選を勝ち抜いた人が可哀想じゃないかと思った。


だが予選を勝ち抜いたものがやすやすと負けるはずが無い。


「なんでそんなことになってんだ?」


ミリアが頭に指を置き思い出しながら喋る。


「確かね、主催者が出場権を持ってるものをデザイアル本番まで動くことが出来ない状態にしたら奪うことができるらしい。」


主催者……神のことか。

それにしても動けない状態。どこからなのだろうか最大は死。それは確定だ。ならば最低は?残り1週間は動けない状態のことか?


「具体的にはどうするんだ?」


具体例を聞く。しかしミリアはそこまでは分からず、たまたま良い例があったのでそこを指さす。


「あ、ちょうどあんな感じに━━━━━」


指の方向には男3人が男2人を一方的に殴っていた。


「やばっ、あれ出場権を狙う奴らじゃない?」


ミリアがそう言うと

エリカの手が震えた。烈はすこし歯を食いしばり


「よし、エリカ。俺の平等の在り方を目の前で見せてやるよ。特等席でな。」


烈がエリカの肩をポンと触る。


「行くぞミリア!」


「わかったー!」


勢いよく2人は飛び出した。


「何してんだボケー!」


烈は3人のうち1人に飛び蹴りをかました。


そうすると吹っ飛んでいった。

ミリアも続いて残りの2人も吹き飛ばした。


「何してんの、君たちはー!」


そうすると気だるそうに3人のうち1人は答える。


「俺らは三人兄弟。長男は俺だ。名前は上から、ショウ。」


「チク!」


「バイ。」


自己紹介が済んだところで本題に入る。


「なんであいつらを殴ってたんだ。」


ショウが高らかに笑う。


「デザイアルに行きたいからに決まってるでしょ?」


烈が腕を組み、怒りを露わにする。しかし少し余裕があるように


「ほう、お前らごときがね。」


と話す。

突如チクが叫ぶ。


「はへー!兄貴、あいつらデザイアル出場権を持ってるレツ・スズキとミリア・クロウだよ!」


「なるほど、お前らを倒せば全員デザイアル行きだな。」


そう意気込むと肩を鳴らし、構える。


「ミリア、援護で大丈夫か?」


「いいよ!かましてきて!」


ミリアの許可を貰い、烈が一人で前線を張ることに。


「3対1で大丈夫?」


バイがそう烈に心配する。

ショウがあおる。


「何人来ようと関係ない、あいつらも諦めたのだろう。」


戦いは始まった。


烈が攻め込むとショウは真っ向勝負をしてくるが烈はそれを避ける。そして烈はチクを右ストレートで吹っ飛ばす。そしてミリアの風ですぐさま方向転換しバイも吹っ飛ばす。


あっという間にショウと烈の一騎打ち。


「お前ごときに輝石を使うまでもないな。」


烈はショウを煽る。

ショウはとる手段がなくなり後退りをする。その様子を烈は見兼ねた。


「二度とそんなことすんなよ。」


そして後ろを向く。ショウはその背中を見て目付きが変わる。そして真っ直ぐ突進してきた。


「ま、そんな約束出来ねぇか。ミリア」


「あいよ!」


キーーンっと一瞬の高音と共にショウは倒れた。


「いっちょ上がりだね!レツ!」


烈とミリアはハイタッチする。

そしてやられた2人の安否を取ると、ところどころ骨折をしている。不幸中の幸い死んでいるのではなく気絶しているだけだった。


「どうだ?エリカ、これが平等の意思だ。」


エリカは口を小さく開け


「おぉ」


とこぼした。


周りの人に助けを求め何とか処置する事には成功した。


そしてまた歩みを進める。

歩いてる途中、ミリアがふと


「てかさ、2人ともおそらくデザイアルには出られないし、あのショウ兄弟も出られないでしょ?ならデザイアル出場権は私達にかかると思うの。」


烈はそれに気づく。

烈はエリカを見る、エリカは「?」という顔で見返す。


「俺はエリカをデザイアルへ連れてく。」


「えぇー!?てかまぁ、そうなるよね。」


少し驚いたが、そうなることは初めからわかっていたのでそんなに驚きはしなかった。


「いいよな?」


「ま、まぁレツお兄ちゃんが一緒に行きたいっていうならいいですよ……?」


「決まりだな!」


エリカの了承を取る。

そして再び帰路に着く。


烈は帰って何をしようかと深く考え込む。

ミリアは周りの景色を見ている。

エリカはソワソワしている。エリカが声を上げる。


「レツお兄ちゃん。」


「ん?なんだ?」


「手繋いでいいですか?」


と突然そんなことを言い出した。

そんなこと言って烈は頭をかく、そうこうするとミリアがエリカの手をとる。


「ほらレツ!繋いであげて!」


とミリアが誘導する。そして烈はやっと手を繋いだ。そしてもう片方の空いた手をミリアが取った。


そしてあの地へと帰る。

あの魔女の跡地。戦争の跡。

エリカが反応する。


「これ、私と同じ感覚がします。ここなんなんですか?」


烈が答える。


「お前と同じ魔女が輝石を使った時に出来た跡地らしい。」


エリカは納得する。


「なるほど。」


そしてゲレソナ村に着く。そうするとリヤに会う。


「おっ、帰ってきたかー!おかえりー!」


「ただいまーリヤー!」


エリカは未だ人間に怖い部分があり烈の後ろに隠れる。

烈はそんなエリカを優しくさすりながらリヤに会う挨拶する。


「レツもおかえりね。ん?その子誰?」


烈は誤解が生まれないようにしっかり話す。


「あーエリカだよ。迷子だったんだけど今は俺が預かってるってところ。」


ミリアは何となく察した。リヤは納得した。


「へぇー、今トルを呼んでくるね。」


と、リヤが家の中に入った瞬間、雨がポツリと降ってだんだん激しく降った。


「うわ、にわか雨か?」


と、烈は推測する。


扉が開くとトルが出てきた。


「よっ、久しぶり。レツ……」


しかしエリカを見た瞬間トルの顔色は一変した。


「レツ、その子は誰だい?」


トルの顔色を見た烈はエリカが魔女だと言うことがバレたのかもしれない。しかし隠すことは無い。差別を無くすために自身を表現するんだ。


「正直に言おう。いいなエリカ?」


エリカも覚悟を決める。


「いいですよ。」


「私はエリカ・マギサ。魔女です。魔女の末裔です!」


それを聞いた瞬間、トルはエリカに向かって右のストレートを放った。


しかし烈はそれを止めた。皮肉なことにトルの行動の癖は烈は把握していた。だから止めることができたのだ。


そしてトルは一旦引く。


「レツとミリア、その子から離れろ。そいつは魔女だ。悪魔だ。」

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