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第23話 座学

烈とミリアの激闘の末


トルとリヤの介抱によって家に帰った。

今日はゆっくり休むことに。

リヤが烈とミリアの怪我を処置している。

体のダメージが特に酷いのは烈だ。


「2人とも無理しすぎだよ。」


烈の腕に包帯(使用してない布)を巻きながらそういう。


ミリアが「あはは……」と微笑する。


2人の損傷が酷いところは内蔵。しかし素人には治せない。

処置に困っているとトルが思い出したかのように提案する。


「ここから東にずっと進むとソクリ街がある。そこにいるトントンに話を聞いてくれ、俺の元同僚だ。回復の輝石を扱えると聞いた。」


それはいい情報ではあるがこの怪我だらけの身体で遠くは行けなさそうではある。


「遠くないか?」


「普通に歩いても半日で着くから1日泊まり……ぐらいかな?」


普通の歩きができないのは置いといて、ミリアの補助もありきで恐らく行けそうではある。


「まぁ今の状態じゃ歩くことさえままならないだろうから。とりあえず今日は自宅療養だな。」


今日は送迎会(と言っても帰っては来るが)も兼ねて村長の家で休養することに。今日は修行は無いと思っていたが……。


「今日は戦略の座学を行う。わかったか?ミリア、レツ。そしてリヤ。」


「なんで私も!?」


先の戦いからまだまだ未熟だと感じたトルは動けないことを良いことにゲストルームへ皆を引っ張り座学を始めた。


「えぇー!つまんなーい!」


とミリアは退屈そうな態度をあからさまに出す。そしてぷいっとそっぽを向いている。


「座学は永遠に出来ます。」


体を動かすことより頭を動かす方が烈は好きなようだ。

前世でも成績はかなり良い。


「私関係ある!?戦わないよ!?」


と必死に必要性の無さを説明する。

トルがリヤの肩に手を置き


「まぁお前は大事な妹だしいざという時は自分を守れるようになって欲しいんだ。」


「トル……」


トルはリヤのことを大切に思っている。

だからこそ自分の身は大切にして欲しいと考えている。


「本当は私に自分より強くなって欲しいんでしょ。」


その思いとは裏腹に本当はトルは自分と同じ力を持って欲しいと思っていたようだ。


「バレた?」


「私言ったよね!?トルが強いからって私が強いとは限んないって!」


トルは言葉を遮るように後ろを向いた。

兄妹仲睦まじい会話をしていた。それを見たミリアは顔がほころんでいる。


「それはそうと、じゃあ座学に入るよ。まずはね」


そしてやっと座学に入ることになった。これを機により幅広い戦略を練ることができる。ミリアに出来なかった頭脳戦が出来るようになるかもしれない。



あっという間に時が流れ、日が沈んだ。


「さてと今日はこれぐらいで終わりかな」


トルは腕を伸ばす。烈は立ち上がり体を伸ばす。


「はいお疲れ、よし飯にすっぞ」


ふと横を見るとミリアが突っ伏してた。

烈はそれを見兼ねて


「……ってミリア、いつまで寝てんだ!」 


バシッと背中を叩く。


「ミンダスイハッッ!!……え?もう終わった!?」


ミリアは最初こそは頑張って起きていたが午後の昼食をとった後の講義はとてつもない睡魔に襲われたらしい。


リヤはというと烈と同じくメモ的なのをしていた。

ただひとつ違うのは字の綺麗さ、リヤの字は繊細でまるで硬筆のお手本のような上手さ。


「お前、めっちゃ字綺麗だな。」


と、思わず指摘してしまった。

リヤが淡々とどこか自慢らしく言った。


「私は器用だからね。細かい作業はなんでも出来るんだよ。」


ミリアも便乗する。


「そーそー!どっかの不器用とは違うんだよー」


烈が怒りを露わにする。


「どこのどいつだ?それは」


「さーだれでしょー?」


そんなこんなで晩御飯を食べる。

みんなで楽しくご飯を囲む。


「みんな〜でっきたよー!」


出てきたご飯を見てみると

最初の料理を思い出した。これまでのご飯はほぼ全てミリアとリヤが作っていた。

そう考えるとこの味は


「なんか最初より上手くなったか?」


そう感じた。


「そう!?んっんー!女子力ってやつが上がっちまったようだな。」


ミリアはご機嫌上々で鼻を凄く高くしている。

リヤも腕をくみながらどこか自慢気に口角を上げていた。

トルが唐突にレツの肩を組み


「レツ、手料理が食えるの最後かもしれねーぞ〜?今の内たらふく食っとけ!」


と大盛りご飯を渡された。烈は食べる度に少し傷が痛むが、この恩を仇にする気は流石にないので最後まで食った。


「レツさん、どうです?この村は楽しかったですか?」


突然ゲレナ村長にそんなことを言われた。

そんなもの決まってる。


「修行は大変なことばかりだと思っていた。だけどリヤやトル達に出会って最高だったよ。楽しかった。」


ゲレナ村長は「ほほほ」と笑っていた。


そして烈達は部屋に戻る。


ここに来るまで色々なことがあった。大変だったなぁ〜と修行の厳しさを思い出している。

とりあえず体を休めるため今日ばかりは早く寝ようと思った時。


コンコンコン


窓から音がした。

烈は不思議に思った。

なぜならここは「2階」だからだ。


カーテンは締め切ってる。恐る恐る窓を開ける。


そこには長い髪を垂らした……


ゼノが居た。


「お前……何してんの?」


とりあえず窓を開けゼノを中へ入れた。


「いやーレツくんが修行に来てくれないから心配してね。何その体。」


事の顛末をゼノに話す。

ゼノは頭をかきながら考えていた。


「そうか、ならもう教えちゃおうかな。」


烈は疑問を露わにする。


「僕がシャルトで願う内容。つまり僕の思想。」


そういえば強くなったらシャルトで願う事を教えてくれる約束だった。


「それはね━━━━━━━━━」


突然夜風が部屋に入る。その寒さは烈の体をきしませた。


「わかった?じゃ、身体大切にしてよ?」


ゼノの思想を教えてもらい決意が固まった。

烈は相槌を打ちゼノを返した。


そして一夜を明けた。


◇◇◇


目が覚めてリビングへ行くとミリアが準備を済ましていた。ミリアが烈を見るなり


「おっはよー!レツ!」


と元気よく挨拶してきた。烈もそれなりの挨拶をし準備をする。

準備と言ってもほぼ無いのだが。


準備を済ませ外へ出る。

朝食も食べた。お金も持った。ミリアも居る。


忘れ物は無いだろう。トル達はお見送りに来た。


「ミリアー、寂しくなるなぁ……」


「わたしもー……」


ミリアとリヤが抱き合っている。


「元気でやれよ……というのはおかしいかな?」


「まぁまた会えるしな。」


烈とトルに関しては別れをそんなに大事にしていない。


「レツ、恐らくお前を狙うやつらがいるかもしれない。気をつけろよ?」


トルは心配しているが、心なしか烈なら大丈夫だろうという気持ちが湧いている。


「おう。任せてろ」


拳を交わす。


「あ、トントンによろしく言うといてくれ。」


烈は了承の意を返し、

そして、烈とミリアは旅へ出た。


◇◇◇


和やかな村を抜け素朴な土を歩いている時、ある少女がポツンと言葉を零す。


「まだつかないのー?」


数分も経たないうちにミリアがそんなことを聞いてきた。


「出発したばかりだぞ?まだまだこれからだぞ。」


と、返事するとミリアは明らかに気だるそうにする。

そしてミリアは何かを思い出したかのように烈に問いかける。


「レツってさ、リヤのことどう思う?」


と突拍子のないことを言った。


「は?、いや急にそんなこと言われてもなぁ……。」


「まぁ、良い子だな。努力家なところが見えるしな。」


ミリアが「ほほぉ〜」と顎を擦りながら相槌を打つ。


「それにな、もしリヤが俺と同じく平等を目指してるなら、きっと俺以上に凄い思想家になるかもしれんな。」


そんな相変わらずの烈を見て。

ミリアが呆れる。烈がテンパるところをミリアは見たかったようだ。


「なんでそっちの話になっちゃうかな〜。」


「あいつはなんか才能があるぜ。勘だけどな。」


烈がそう確信する。

リヤは原石だとそう言い張った。


その推測を聞いたミリアは唸って考える。


「私にはわかんないな〜。」


しかしそうは見えなかったようだ。


今度は烈が何かを思い出す。


「あ、そうだ。ルナ達は何してるんだろうな?」


ミリアが口を大きくして楽しそうに笑う。


「みんな私達と同じように修行頑張ってるのかな!?」


烈は笑い、ミリアを見て言う。


「俺と一緒に平等を目指しているからな、当たり前だ」


と肘を曲げて手をグッと握った。


そんなこんなの会話が続き、いつの間にか烈達は

初めの会話を思い出せないほどの会話を募らせた。


そして目の前に貧民街とは思えない豪華絢爛たる「街」がそこにはあった。


「なんだこれ……、ここは本当に貧民街か?」


ミリアが口を手に抑え驚きを隠せていない。


「セントラル・ルミナみたいな雰囲気じゃない……?これ。」


そうの通り、比喩するならまるでセントラル・ルミナのようだ。


「ここがソクリ街。」


麗らかな街がそこはあった。

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