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第12話 予選を勝ち抜くモノ。その1

デザイアル予選会場にて

烈、ミリア、ルナ、セレナ、リズの五人は、予選に出場していた。烈VSライララの激しい攻防は、見事烈が勝利した。しかし彼はろくに歩けない状態になった。


烈が終わり、次々と他の仲間も予選が始まる。


ミリアの予選。相手が正々堂々真っ向勝負の相手だったので、影を忍ぶミリアにとってそれは楽な仕事であった。ミリアの圧勝で幕を閉じた。ミリアは当然のように堂々としていた。観客席に手を振ってその場を後にした。


ルナの予選。相手は剣を持ち剣VS剣という展開だった。火花が飛び散り汗が舞い、結果的に輝石の能力をフルに使って応用力に長けたルナの勝ちだった。ルナは勝利後、相手に手を差し伸べた。そして2人は戦友となった。


セレナの予選。彼女はサポートタイプだったが、背水の陣の作戦で、相手を聖女ながらの話術で誘いながら何とかして場外負けに追い込むことに成功した。よってセレナの勝利。場外負けに追い込もうとした時の執着心は、烈にセレナに対する恐怖を感じさせた。


リズの予選。彼女はミリアに似ていて忍びに長ける。しかし違うとこと言えば精密さであり相手の弱点を的確に打てていた。太陽のおかげで影を縛ることが出来た。彼女の不気味さは観客に響き渡っており、かなりの注目度があった。


全員が順調であった。見事デザイアルへの道を手に入れて、なんならデザイアルでさえ楽に通り抜けれると思った。


「なぁ、デザイアルの出場者を確認したい。少しこの予選見ていかないか?」


ミリアがニヤリと笑う。


「レツ!見なくて大丈夫だよ!私たちは余裕だったから!デザイアルも余裕なんじゃないのー!」


ルナが睨んだ。


「ミリア、あまり舐めない方がいい。予選はまだ終わっていない。ここから強い敵が出てくる可能性がある。」


ルナの迫真に、ミリアが萎縮する。どうやら反省しているようだ。


セレナが二人の間に入って穏やかに微笑む。


「ケンカすんな。レツさん、予選が見たいなら私がキャリーしてあげるよ。」


そんなセレナの提案に

レツが嫌々ながら渋々承諾する。


「あ、あぁ、よろしく頼む」


その嫌悪な態度に

セレナが反発


「なんでそんな反応なんだよ!」


リズが髪をかき上げ、冷たく言う。


「このまま予選を見に行ったらデザイアル出場者の情報をゲットできるかな〜、情報は欲しいんだよ〜。」


リズも烈に賛同する。こうしてセレナに運ばれ観客席へ着く。今回は優しめに。


観客席にたどり着くと、空気が一変した。


輝石の残光が薄暗く、冷たい風が吹く。烈がステージ上を見た瞬間、


闇が降臨した。


黒いローブ、鋭いようで優しい目つきの男性。


こいつは烈と、ミリアは1度見た事がある。こいつがデザイアルのことを教えた張本人。そして未だ謎深き人物。


ゼノだ。


しかし以前と違うことフードで頭を包んでいなくて顔が見える。ゼノの顔は美形だ。美しく頭頂から垂れ下がるミディアムヘアはより怪しげを感じさせる。真ん中から髪は左右に別れ、その銀灰色の繊維は上品で力強さを感じさせる。


烈を見かけるなり遠く声をかける。


「やあ、レツくんまた会ったね。」


烈が警戒する。当たり前だ。あまりにも未知数。こいつもデザイアルへ出場するのか、と。


「ゼノ! お前、なんでここに? 」


ミリアが構える。

ミリアはゼノを知っている。ミリアの中でも怪しい人物だということは定着している。


「えぇ!?怪しい匂いプンプン人間だ!」


ルナが思わず剣を握る。


「な、なんだ貴様は!? 何の用だ!」


その腰はどこかか弱く、とても高い崖の上にいるかのような、佇まいをしていた。その体は烈でも容易く倒せそうに見えるほど、おぼつかないものだった


セレナが目を細める。

怯える。ゼノから溢れるオーラに。


「この方は誰?…教会と関係ある?」


リズが冷たく言う。


「怪しい男は嫌いだよ~。禍々しいオーラを感じるかな~?」


彼女の積み上げた歴がそう言っている。

ゼノが笑い、ローブを翻す。


「ミリアくんと、レツくん以外には私のことを知らなかったね。ごめんごめん。私はゼノ。それ以上でもそれ以下でもない。」


ゼノが目を細め、微笑む。

烈が冷や汗をかきながら確信した。


「この予選、思わぬ情報が入りそうだぞ、頼んだリズ」


突然烈に振られる。

リズが驚く。


「え、なんで私に振るのかな〜!」


「いや、記憶力良いかなって」


「君が目で見て覚えるんだよ〜!!」


そんないざこざをしていると、試合が始まる。


ゼノの相手は、割かし鍛えられた肉体で、身軽そうな、いかにもこの場にふさわしい人間が立つ。少なくとも烈のメンバーとタイマンしたら勝敗の分からない勝負にはなりそうだ。


試合開始のゴングがなる。


ゼノは煙のように消えた。ミリアが叫ぶ。


「何!? あいつ、めっちゃ怪しいよ!」


輝石の光が現れ、その光は顕著になり背後から不気味な唸り声がする。蛇型のモンスターだ。それは以前のシャドウ・ヴィーパーよりも禍々しく、毒霧を吐き、牙が迫る。


「そんな輝石があるのか! えぇ、バケモンまで!?」


するとリズが語り始める。


「あれはヴェイル・サーペントだよ〜。召喚系輝石もあるんだよ〜?レツくん。」


納得する烈。

しかしモンスターを召喚する輝石……ゼノは勝てるのだろうか。


ヴェイルは、ゼノに向かって地を這っている。


ヴェイルはゼノの位置が分かるようだ。ならばゼノは恐らく何らかの輝石の能力で体を透明化しているのだろう。


「我が名は、サイバー・ブォン、召喚の輝石を持つものなりってな。」


そしてサイバーは自分語りを始めた。


「僕は安全圏から敵を攻撃する。卑怯な戦いが好きだ。自分は干渉しない安全な社会が僕の願いさ。」


そしてサイバーは、ヴェイルを使い、ゼノらしきものを追いかける。やがてゼノが現れ


「うーん、これは逃げても無駄だな。」


そしてゼノは大人しくヴェイルに捕食された……かに思えた。


「策は二重三重に考えておくもんだぞ。詰めが甘いね」


ヴェイルの攻撃を避け、ゼノは煽る。だが、


「そいつはどうかな」


地面を削り地響きを奏でながらゼノの真下にヴェイルが来る。


「ヴェイル、ボンテージ。」


合図とともに、ヴェイルはゼノを締め付ける。ゼノは身動きを取れない状況に陥る。そして


「ヴェイルに締め付けられれば、後は俺の合図でしか締めつけを辞めることは無い。運の尽きだな。」


ヴェイルの締めつけがさらに強くなる。


「あ、それとひとつ聞こうお前の輝石はなんだ?もし輝石が強ければ、渡してもらおう。そうすれば殺さないでやってもいい。」


ゼノは口角を上げ静かにサイバーにしか聞こえない声量で、輝石の能力を言った。


その瞬間━━━━


サイバーの体はけたたましく燃え上がった。


そしてヴェイルの締めが緩くなり、ゼノは自由になった。そして、すぐさま、悲鳴を上げるサイバーをゼノは殴打する音も無く、吹き飛ばした。


プチューン


それは一瞬にして、そしてそれはまるで、久しぶりに日光を浴びた時のあの眩しさのようにして、強く目に残った。


戦いは短く、だが激しかった。サイバーは場外落ち。場外落ちというか、もはや闘技場を突き抜けていた。


試合終了のゴング、勝ったのは当然ゼノだ。彼は想像の遥上を行った。強すぎたのだ。


「なんだよあれ……、人間業なのか??」


普段堂々たる烈だが、今回ばかりはそうはいかなかった。


次元の違いを思い知った。完全なる実力での差。

頭脳戦でどうにかなるような相手じゃないと身をもって知った。経験の差が違いすぎる。


「これがあいつの力……。」


烈は冷や汗をかく。


ゼノの勝利に会場が湧き上がっていた。


試合が終わり、次の試合まで暫し休憩とのこと。先程の戦いで闘技場自体が大きく破損したためだ。


「なんだよなんだよあの動き!!」


セレナが率直な感想を言う。

ミリアも先程の元気さが無くなっていた。


「バケモンすぎるよぉー……!」


烈は冷汗をかく。デザイアルを優勝するには、ゼノを倒さなければならないと。


烈は絶望する。戦ってもいない相手のはずなのに烈は何故か負けた気分になっていた。


格が違いすぎる。


烈は脳裏にそれを焼き付け、受付でプログラムを見る。次の試合の詳細を知りたかったからだ。


ちなみに烈は、なんとか立ち上がることが出来た。

だが、ちょっとの拍子でまた痛むかもしれないので安静にしていろとのこと。


次の試合の出場者を確認した時


金色の甲冑の巨漢が現れた。ガルド・ヴァインハルトという男、次の試合の出場者だ。教会の人間でもあるらしい。


「とんでもないやつが来よったな。それでも、シャルトは教会のものだ。」


烈が睨む。


「教会のもの? 」


烈がガルドを睨む。

ふとセレナを見ると、震えてルナの背中に隠れた。


「セレナ、知り合いか?」


小声でセレナに問掛けるルナ。


「ちょ、ちょっとね」


セレナは震えながら返した。


「お前、輝石教会のやつだろ。」


烈が強めに食い込む。ガルドは、烈をじっと見て


「なんだこのガキは、……あ、初戦のレツ・キツツキだな。」


烈はポカーンとなった。


「キツツキじゃねぇ!スズキだ!」


溝は深まり、セレナの震度が増していく。やがて


「ってそこのやつ、セレナじゃねぇか?」


名前を呼ばれた瞬間、ビクッと肩が震えた。

ガルドがセレナに気づき近づく。


「え、お前セレナの知り合いか?」


烈が困惑を示す。教会ってまさか輝石教会!?

セレナは渋々出ていって


「ご無沙汰しております。━━━━━」


天災(カタストロフ)ガルド・ヴァインハルト様。」


2つ名……相当の手練と見える。セレナの言動より、導き出されるのは……


上司!


セレナの上司にあたる存在。つまり輝石教会の上の存在!!


「どういうことだ自己紹介をしろ。」


輝石教会のやつならば教会を抜けたセレナに何かあるのかもしれない。そう思った烈は怖じけず問いただす。


「その名の通りだが?輝石教会幹部の地の席、ガルド。」


よく分からなかったが、とりあえずすごいってのは分かる。


「よく分からんが、教会ってことは敵だな!」


ガルドはため息を出す。

とうとう面倒くさがり無視した。セレナに話しかける。


「セレナ、前から言おうと思ったんだが、俺の直属の部下にならないか?」


セレナは固まる。ミリア達も何も言えずにいた。


「おい、ガ…」


「お言葉ですが!」


セレナを心配した烈が空気をぶち壊そうとした瞬間セレナが話し始める。


「私はもう、輝石教会の者ではありません。私は教会を裏切った者です。あなたの部下はおろか、教会の部下にもなっていません。」


セレナは覚悟を決めた。かつての上司との対立し、自分の信念を貫くと決めたのだ。


「そうか……ならば」


セレナは冷や汗をかく。



「 敵だな 」



ガルドが豪快で、派手な両手剣を出す。

ライララが持つ大剣は、単に剣のスケールがでかくなったもの。ただし両手剣は、両手に持つことをイメージして作られたもの。それを構える。


それに呼応し、烈達も構えた。

ガルドに勝てるイメージが全く湧かない。

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