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不死の軍団  作者: svn
15/18

■ワインレッドの心

忘れてしまえばいいのに。

心を色で例えるなら、赤。ワインレッドになるであろう貴方の心。

消えそうで、燃えそう。情熱的で、一途で、どこか寂しい。

彼との想い出なんて、忘れてしまえばいいのに。

今、この瞬間を見つめて。そうすれば、今以上に。それ以上に愛されるはずなのに。

どうして忘れないのだろう。その思いを彼女にぶつける。

彼女、ジニーとは本当に偶然だった。

鉱山の麓の街で、馬車の乗り合い所でぶつかってしまったのだ。

私はリナ。兄を訪ねて東へ移動中。そんな折、中継地点となるこの街での出来事。


***

ぶつかった縁?で仲良くなったジニーの案内で、宝石の街とも名高いこの街を散策中。

さすがは宝石の街。いかにも高級なお店が並んでる。

ひとつの業種が伸びると、つられて他の業種も伸びる。モデルケースというべき街並み。

っていうのは、執事見習いのシンの言葉。さっきこっそり教わったわ。

とてもじゃないけど買えない値段の宝石を、とりあえず見せてもらいながら、ジニーの話を聞く。

最近別れたという元カレへの思い。

癖、仕草、言葉。どれも忘れられないんだって。情熱的に語ってる。

でも、お別れした。最後はいつも寂しそう。

ジニーとはここ数日行動を共にしてるけど、元気な時とそうじゃない時の高低差が激しいのよね。


***

そのお店に来たのは、もう三度目。

店員のお兄さんは私達のことを良く覚えていて、特にジニーがお気に入りらしい。

ジニーと会話しているときの笑顔。あの屈託のない笑顔にジニーも惹かれ始めてるみたい。

私をダシに、逢瀬を重ねるなんて!やり手ね。チクショウ!

一歩踏み込もうとする彼に対して、境界線の直前で臆病になってるジニー。

もどかしい二人を前に、ついつい口を挟んでしまった。

「忘れてしまえばいいのに。」

そう、私が呟く。

ジニーは恥じらうより他にないようで、その姿は可愛かった。


***

この世界の言葉ではない、知らないはずの歌。

しゃがれているけれど、根底の力強さを感じさせる歌声。

時折聞こえる高い声も印象的。

そんな男性の歌。

私が歌えば、また違った味が出るはず。

その歌に気持ちを込める。背筋を伸ばし、目を瞑り、甘く甘く、囁くように。少しだけ鼻に掛けた声で。

私は光り出す。店内には、偶然にも私達以外居ない。

すると、私の光に呼応して、店内の宝石も踊り出すかのように輝きを見せる。

光は窓を突き抜けた。お日様は真上で輝いてたけど、それよりも眩しかったらしい。


歌い終えると、二人はしゃがみ込み、手を取り合ったまま祈る仕草だった。

もう!ジニーったら変なポーズ取らないでよね!って言ったら二人とも笑ってた。


・・・バースお兄ちゃん、会いたいよぉ


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