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不死の軍団  作者: svn
13/21

■なんてったってアイドル

ドドドドッドドドドッ

滝はどこに行っても名所になる。何故だろう、滝には得も言われぬ魅力がある。

私はリナ。滝が名所だと聞きつけて、ついつい観光しちゃうのがいつもの行動パターンになってきちゃった。

兄バースを追いかけて次の領に来ていたが、そんなことは一旦置いといて観光中。

今日は滝。滝を見に来た。余りの水量に呆然とする他ない。

虹もくっきりはっきり良く見える。

お目付け役の次兄リュートも、口をあんぐり開けてその迫力を堪能している。

赤子のミーノが泣き出さないか心配したが、へっちゃらそう。

抱える幼馴染のエレナの方がよほど心配になる。

エレナの兄キースは平静を装っているけど、結構顔に出てる。それはそれで面白い。

執事見習いのシンの無表情は相変わらず。

ウフフッ皆それぞれ楽しんでるみたいで、来た甲斐があった。

私が笑っていると、皆の視線とバッチリ合っちゃった。ちょっと恥ずかしい。


***

今日のスカートはちょっと短め。今日は水飛沫を浴びる予定だもの。

スカートはひらりと風に揺れる。

キースもリュートも、それに他の観光客も、チラチラ見てくるのはわかってる。

ちょっと足が見えてるくらいが可愛いでしょ?

目深に帽子を被ってても、私に気付いてくれなきゃね。じゃなきゃ嫌になっちゃう。

でも、あくまで、「清く正しく美しく。」それが今日の信条なの。

なんて考えていると、歌いはじめてしまった。

この世界の言葉ではない、知らないはずのその歌。

シンが「お嬢様・・・」と止めようとしてるけどもう遅い。

滝の律動は、この歌にピッタリ。

激しくも軽やか。ついついノリノリで歌い上げてしまう。

もうやめられない。絶対やめられない。

私は光り始めたら、歌い終わるまで光り続ける。

その場に居た全員の視線が、私に釘付けになってるのを感じる。注目を集めるのも悪くない。


***

フーッ気持ちよかったー。

今日も絶好調。喉の調子も抜群。好きなときに好きな歌を歌うのは格別よね。

ザワッザワッ

滝の荘厳さの中に人の声。

あれ?なんか周りの様子がおかしいゾ?と辺りを見回す。

他の観光客の皆さんが跪いている。滝を見るときの作法なのかな?と思ったがどうやら違うらしい。

跪き、両手を前に組み、額に近づけている。祈りを捧げているみたい。

「女神様だ」

「いや、聖女様よ」

ポツリポツリと聞こえ漏れる声。

もしかして、わたし?

え?え?やってしまった?

キースもエレナもリュートも、そしてミーノまでもが『やれやれ』と困り顔だ。

シンは押し黙っているけど、きっと同じ思いだろう。

ど、どうしよう・・・


***

シンが察してくれたようで、闇の精霊にお願いしてくれた。

魔法だ。魔法が成功すると、じんわり魔法陣が浮かび上がる。

シンの足元に魔法陣が鈍く光った。

ぞぞぞぞっ。

不自然極まりないけど、私達を薄暗い雲が包み込む。

いつもの逃走用。手慣れたものね。

雲もいいけど、本当なら幕がいいのよね。なんて贅沢かしら。

陣が見えた瞬間が逃げ始める合図。スタコラサッサと駆け抜ける。

こういう場面は、「いつものこと」と皆笑顔。あ、シンは無表情よ。

あとでリュートお兄ちゃんに『ドジっ娘』ってからかわれるんだろうけどね

素敵な一日だった。

あー、もう1曲歌いたいかも。


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