第32話 そしてまた俺は繰り返す。
ぢゅらおです。
書いていく度に毎回終わりが頭をよぎり、そこに持っていくためにどうすればいいかを考えています。
洞窟の中で、忙しなく寝る場所だったり、辛うじて余っていた軽食を準備したりとこれから来るはずの病人を迎え入れる手筈を整える花と晃太郎。外からまた聞こえる雨音に「あの二人大丈夫かな?」「俺が見に行ってくるよ」と会話を交し、晃太郎が腰を上げる。
その短期間の間にも雨はますます強くなり、洞窟の出口の上から雨が滝のように降り落ちていた。
晃太郎がその水でずぶ濡れにならないように、持っていた折り畳み傘でガードをする花。そうして作られた道をレインコートを着た晃太郎がくぐり抜ける。
洞窟の中からでは入口から振り落ちる滝のような雨が壁のようになっていて外の景色がボヤけていたのでよく分からなかったが、木は強風で斜めに曲がっており、力を抜けば体が風に煽られそう。
「なんでこんな日に森の中入って野宿なんかしてるんだろうなぁ……」
助けに行こうとしているのに自分が助けを求めることにならないよう、左右にある木を手すり代わりにして、先程花から聞いた最後に別れた場所を目標に1歩ずつ着実に進む。
少し歩いたところで、前から向かってくる見覚えのある人の姿が見えた。
「! おい来人っ!!」
「……晃太郎か」
雨の音で消えないように怒鳴るように大声を出す晃太郎。しかし、来人の声は小さくボヤく様で、晃太郎からは何を言っているのか聞こえなかった。
「お前大丈夫かっ!? 紗奈花さんは?」
来人に近づき、少し俯く顔を覗き込もうととすると、それを嫌がるように顔を背ける。晃太郎はそんな様子を少しおかしいと思いつつも、来人によって背負われている紗奈花を見つけ、とりあえず一安心する。
「とりあえず2人が無事で良かった。お前足怪我してるんだろ? 俺が紗奈花さん背負うからお前は先に戻ってろ。な?」
「……晃太郎、ごめん」
「? すまんなんか言ったかー?!」
背中から背中へと紗奈花を移す作業中に、うっすらと自分の名前が呼ばれたような気がした晃太郎。ただ、その内容まではよく聞こえず再度内容を聞く。
ただ何かが返ってくることは無く、晃太郎は紗奈花をこちらに移すことに再度集中する。
そうして背中に紗奈花を受け取ったのを感じると、再び来人がいた方向へ体を向ける。
しかしそこには人の姿はなく、まるで晃太郎が1人芝居をしている様だった。が、背中に背負う紗奈花の重さがそれを確かに否定する。
「来人? おーい来人ー!!」
何か嫌な予感がするも、紗奈花を助けることが先だと決めた晃太郎は、花の待つ洞窟へと先程よりも早足で向かうのだった──────
※※※※※※
「うわぁぁぁん! 紗奈花がぁぁぁ──────」
「……」
「こんな可愛い娘を、私はどうして置いていくことが出来たのでしょうかぁぁぁぁ!」
「……」
「ってこの雰囲気に乗ってくれないかな?」
「あ、いやすまん」
「まったくもう、てか来人は?」
「!」
横になり、力なく倒れる紗奈花の頬に自身の頬をスリスリと擦り付けながら、興味無さそうに問う花。晃太郎はその質問に体を細かに震えさせて戸惑う。
「──────いなくなった」
「えー、また迷子になったのー?」
状況を把握していない花はいつも通り能天気な口調で答える。しかし顔を暗くしている晃太郎の雰囲気に花はしどろもどろになる。
「え? 迷子になったんだよね?」
「いや違う……と思う」
「思って、もっとはっきり言いなさいよっ!!」
「俺だってはっきり言いたいよ!! 分かんねぇんだよ俺も!」
お互い口調が強くなり、気まずい空気が流れる。どちらも悪い訳ではないのだが、当たる場所を失った感情は自然に近い相手へとぶつかってしまう。
少しの間、沈黙が流れ心を落ち着かせた2人は先に花の方から口を開いた。
「ごめん晃太郎。いつもの晃太郎の感じじゃなくて、思わず……」
紗奈花をさすっていた手を一旦止め、土下座をする花。その花に土下座をやめさせるよう体をゆっくりと起こしてあげる晃太郎。
「いや俺も声を荒らげるのは間違ってた。本当にごめんなさい」
紗奈花の顔を見て、ゆっくりと頭を下げる。先程の気まずさとは違ったベクトルの気まずさに今度は2人から、軽い笑いが零れる。
「喧嘩するほど仲がいいってことでいいよね?」
「今回はそれで行くかっ」
お互いの手をパチンと合わせて仲直り。いつもこの2人は喧嘩をする度に仲直りの理由を考え、ハイタッチをする。
しかし今回は仲直りしたから問題の解決とはいかなかった。
「それでさ、一体何があったのか教えてくれない?」
「来人から、紗奈花さんを受け取って、振り返ったらいなくなってた……んだ」
「っえーと、つまり来人は紗奈花を晃太郎に預けたらいなくなったと?」
「そういうこと。それになんか勘違いかもしれないけど、どこか寂しそうな、怯えていそうな、なんと言ったら分からないけど、暗かった気がする」
「──────これは紗奈花に聞くしかなさそうだね」
「そうだけど、紗奈花さん結構辛そうだよ」
「さっき会った時よりも悪化してるのかも、晃太郎私のバックに綺麗なタオル入ってるからそれ持ってきて」
「りょーかい」
ぢゅらおです。
お久しぶりです。これを書いているのは2月の11日です。僕は決心しました。そう!!!今度こそ最終話まで書きだめして全てを短期間で定期的に更新してやろうと!!!やってやろうじゃあないか!応援してください。今の僕を!!!きっと僕はやり遂げるぞ!!えいえいお〜
ではまた次のお話でお会いしましょう!




