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番外編1-1 嘘をつかないということは真実を言うということでは無い

ぢゅらおです。

お久しぶりなのはもはや恒例行事で一旦置いときまして。

なんか暗い話を書いていると必要とはいえ気分が落ち込むので、構想はしてたんですけど実際に物語に入れるタイミングを逃した短編をここら辺で何話か使って、紹介していこうと思います。

「っというわけで! 第1回世界は真実で出来ているゲームの始まり始まりぃ!!」

「話の流れが何もかも見えてこなくて困惑してるのは俺だけか?」

「大丈夫だぞ、来人。俺も困惑してる」

「晃太郎は困惑というより、最初から理解しようとしてないもんね〜」

「おい彼女。もう少し彼氏を高く見積ったらどうだ?」

「現実主義だからわ・た・しっ」

「……寒気が」

「おいコラ来人。なんか言った──────」

「まぁまぁ皆さん。盛り上がってるところ悪いけど、ルール説明といこうじゃあないですか!」


背筋に走る寒気と共に身震いで花に恐怖を抱いた来人。怖いというより、その普段から感じることの出来ない乙女的言動に体が拒絶反応を起こしたという方が近い。

そんな来人と自分の間にあるテーブルに身を乗り出して胸ぐらを掴みかからんとする花を、両手を押し込むような仕草で制止させる紗奈花。


「と言ってもルールなんていう難しい内容は一切なくて、名前の通りなんだよなぁ……」

「それが理解できないので、是非解説を頼む」

「くるっくーには私が説明するよっ! ……お姉ちゃんに頼んでもろくな答えが帰ってこないし」

「実の姉に何を言うか愚妹が!」

「愚かななのは遺伝だとしたら、あとから生まれた私ってあー可哀想」

「どう考えたって突然変異でしょうが!」

「なんのエイリアン映画の見すぎかなお姉ちゃん?」


そうしてお互いのおでこを押しあってど近距離で睨み合う紗奈花と時雨。この場で唯一ヘイトが向いていない晃太郎が宥めようと尽力するが、


「いやどう考えても、そんな2人を娘に持つお母さんが1番可哀想じゃね?」


火に油を注ぎ、鬼に金棒を渡し、はたまた、人間に感情を渡してしまった。

一気に感情の矛先が自分に向いた晃太郎は、その場から急いで退散しようとするが、あいにくここは紗奈花家。ホームグラウンドである紗奈花は予め部屋の鍵を外から閉めていた。


「なんでこの扉開かないんだよ!? 鍵穴なんてどこにもないだろ!?」

「晃太郎くんや、残念ながらこの部屋は外鍵だよ?」

「聞いたことねーよ!?」


と返事したのが最後、無言で部屋にあったゴムバットを時雨から受け取っていた花は、開かないドアノブをガチャガチャとする彼氏のプリティーなお尻の割れ目を増やさんとする力で思いっきり叩いた。お尻を叩かれたはずなのに、その過度な力によって男なら誰しも一度は経験したことのあるあの大切な部分にまで痛みが回る。

晃太郎はあまりの痛さに悶絶し、大切な部分を抑えながらドアに身を擦り付けつつ膝から崩れ落ちる。


「……は、な?」

「紗奈花どうしたの?」

「あいや、あは、ちょっと可哀想じゃないかなって?」

「可哀想? 誰が?」


言葉の端々から伝わる「何も言わないで」という確固たる思い。というか、圧によって紗奈花も口を紡ぐほかなかった。

男子としてはこの痛み胸が張り裂けそうなくらい理解できる。魂が抜け、小さく唸りつつ悶える晃太郎に来人はうっすらと涙を浮かべながら背中をさする。


「晃太郎、生きてる?」

「正直これは生きてる方が地獄だろうなぁ……」


晃太郎の背中をさすっていると、後ろからスリスリと近寄ってきた紗奈花が耳元で囁くのでこちらも小声で返答をする。

花と時雨は嬉しそうのバットの性能について語っていたが、紗奈花はどうやらバカにされたことよりも心配の方が勝ったらしい──────


「どうしよ、とりあえずあのスースーするやつ持ってこようか?」

「……おい紗奈花。ちょっと顔を見せてみろ」


急に発せられた言葉に来人は疑問を抱きつつ、すぐ後ろに座る紗奈花の顔を下から覗き込むと、その顔には同情の気持ちは一切なくゲスを見る目で晃太郎を見つめていた。

味方だと思ってたのだが、どうやら通常の紗奈花だったようだ。


「一応聞くが、可哀想だとは」

「思ってない」

「ですよね」

「来人もこうなりたい?」

「お腹いっぱいです」

「──────花、バットプリーズ」

「なぜそうなった?」

「欲しそうな顔をしてるのが悪いんじゃない?」

「してないが」

「嘘。実際は私だってムカついてるんだよ。彼に」

「俺じゃねぇじゃあねーか」

「代用ってことで」

「涙も出ねーなおい」

「! 追加オーダー頂きましたぁ!」

「はいよぉー!」

「晃太郎。俺はどこで道を間違えたんだろうな」

「ぅ、生まれた時から、だろ」


先程まで介護してやったのにこの男は。

と来人は死にかけの晃太郎から煽られ、トドメを入れようとした瞬間、是が非も言わせず紗奈花が力いっぱい振り下ろしたゴムバットが空気を切り裂き、来人のお尻にダイレクトアタック。

そして扉前に見るも無惨な男二人の遺体がモザイクありで横たわった。

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