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第26話 押してダメなら引いてみて、それでもダメなら諦める?

ぢゅらおです。

生きてます。最近は大人数でゲームをして楽しい思い出が沢山ありました。

「おい紗奈花さなかこのゲームやんねーか!?」

「あの来人くるとってば…」

「おいおいワニワニパニックTheファイナルだってよ!! かつて地元ワニを一掃した俺に果たして勝てるかなぁ!?」

「ね、ねぇーてばっ」

「! この釣りのゲームずっとやってみたかったんだよなぁ!」

「恥ずかしい!!!!」


場所はショッピングモールの中に位置するゲームセンター。来人と紗奈花は今朝の予定通りに筆箱を文房具店で購入したあと、偶然見つけたこのゲームセンターで息抜きをしている最中だった。

最初はごく普通に楽しんでいた2人だったが、かつてヘビーアーケードゲーマーだった来人が、懐かしいゲームを見つけ始めると、近くにいた小学生もドン引きするほどのはしゃぎ具合を披露していた。


「・・・どうした急に恥ずかしいなんて? まさか…メダル全部失ったのか? 仕方ないなぁ結構勝ってるからこの100枚お前にあげるよ」

「いやそういう意味じゃなくて! ・・・というか100枚? 最初10枚から始めたよね?」

「まぁなぁ〜。今はざっと500ちょいぐらいあるぞ」

「・・・すご!?」

「昔からこういうどうでもいいやつばっかり得意なんだよなぁ俺」


思い出に耽けるようにうんうんと頷く来人。ちなみに今持っている枚数が500枚ちょっとだが、来人は途中メダルを失って泣きそうになってる子供や、隣に座ってきた小さな子供にメダルを分け与えたりしていたので、実際稼いだメダルの枚数はもっと多い。

そうしてメダルを貰った時に勝つコツを教えてもらった子供たちがゲームセンターの至る所でメダルを荒稼ぎしていることは来人の知る範疇にないが──────


「ってちゃうねんてっ!!!」

「関西さなかや…」

「芸名みたいに言うな! あとなんで高校生にもなって私たちはゲームセンターでウキウキしてるわけ!?」


紗奈花の渾身の訴えに一瞬考える素振りを見せた来人だったが、すぐキョトンとすると至って真面目そうな顔で答えた。


「・・・高校生がゲームセンターで遊ぶのって普通じゃね?」

「・・・あ、いやその…。だね」


確かに高校生だからってゲームセンターで遊ぶことが恥ずかしい訳では無いことに気づいた紗奈花は反論しようにも言葉が出てこず、詰まった返事を返す。


(じゃあなんで私ってさっきまであんなに恥ずかしいと思って)

と近くにいた恐らく同年代であろうカップルが楽しげにゲームを楽しんでいる姿が目に入ってきた。それと同時にまた釣りのゲームで小さな子供たちと盛り上がっている来人の姿を見る。

カップル、来人、カップル、来人、カップル、来人と目線を交互に向けると──────


「・・・これかぁあ!!」

「また大きな声出してどうしたんだ…?」

「来人が小さな子供のように遊んでいるのが恥ずかしいんだよっ」


来人に人差し指を指し、「それー!」と顔を赤らめて訴える。確かに来人は小さな子供と遊んでいるというより、小さな子供のように遊んでいる。

紗奈花からの全力の訴えに「え…これ?」と手元に持っていた釣り竿(ゲーム用)を見つめた来人だったが、なぜこれが恥ずかしいのか分からず途方に暮れていた。


「紗奈花? いいかこれは釣り竿だ」

「うん。だからそれが──────」

「別に君が考えてるようなハレンチなものではないのだよ」

「???」


おっほんと難しい哲学を説明するかのように浅い考えを展開していく来人。恥ずかしい=下ネタは小学生まで。その常識があったら今の来人はいないだろう。


「ちなみに竿を何に例えたのかは知らんが、予想だと男の子の漢の部分だな?」

「えなに。さっきから黙って聞いてれば勝手に私の事変態扱いして。何言ってんの信じらんない。バカ死ね」


笑みが消えた紗奈花から繰り広げられる一切の抑揚のない淡々とした罵声に、「──────ハイ」と小さくなるしかなかった来人は、脳にある厨二病中枢をただただ手で押さえつけることしか出来なかった…


※※※※※※


「──────というかね? 私だからまだいいけど、もし他の人とかと一緒に遊びに行ってこんな感じじゃ来人、嫌われちゃうよ?」


といつの間に本気の叱責タイムが終わっていたのか、現在は語尾はいつも通りに戻っている。

ちなみに来人が己の過ちでドンヨリしている間に2人はフードコートの片隅に場所を移していた。

しかもこれまたいつ頼んできたのか、机の上には甘そうないちごフラペチーノとマカロンが半分より向こう側に、そして水がちょこんと来人側に置かれている。


「けど俺、こういうところに遊びに来るやつ他に居ねーもん」


「だから自分が、こんなにも恥ずかしい存在だってこと知らなかった」という所まで来人は言っていたつもりだったが、対面する紗奈花には裏を返せば、自分以外にこういうところに遊びに来る女子がいないとご都合解釈をしていた。

さっきまでゴミを見る目で見ていた表情と同じ顔とは思えないニヤつき具合で、紗奈花はバレるまいと手で覆い隠すのに必死だった。


(来人、他にこういうところ来る女子居ないんだぁ…ふ、ふーん)

補足だが、一言も女子はだなんて言ってない。

遊ぶ友達というなら晃太郎とかもいるが、そっち方面のやつと遊ぶ時は大抵スポーツとか体を動かす方になってしまうだけである。

だが、思考が完全に自分主体になった紗奈花にはもはや言葉の真意などどうでもいい。


「ふへへへ、私初めてかぁー」

「ちょちょちょ紗奈花さん!? あのマカロン1個も口の中に入ってないですけど!?」


紗奈花の認識の中では、口の中にマカロンをほおっていたのだが、現実は口のすぐ横をマカロンが悲しそうに通過していた。


「へへへ、いちごフラペチーノあまーいっ」

「ひとっくちも飲んでないけどね? それ水ですよ?」


今度は確かに口の中に入ってはいくのだったが、目の前に置いてあるいちごフラペチーノではなく、来人の前に置かれていた水をひたすら飲んでいる。


「花さんに意識が溶けるタイミングがあるように、お前にもこういう時間があるのかよ・・・」

「・・・はっ!」

「お、やっと気づいたのか」

「シロップ入れ忘れてた〜っ」

「どこに気付いとんねん。てかすごい量入れるな!? もうそれ飲んでるのシロップだろ!」


相変わらず意識はここに在らず状態の紗奈花。手に持っていた5個程のシロップを目の前の水に入れてご機嫌そうに鼻歌まで歌い始めた。


「ふっふふー…くるとぉー、シロップおかわりぃー」

「おいこれ以上シロップを飲むんじゃない。糖分過多で死ぬぞ」

「とーぶんかた? しぬのっ!?」


心做しか精神年齢が幼くなっている気がするが、そこは今は置いといて。

うんうんと大きく頷く来人に、紗奈花は糖分過多という難しいワード(今のみ)よりも死ぬというわかりやすいワードに強くショックを受けていた。


(わたししぬのはいやだっ。だけど──────)

両手で頬を押さえつけ悲しそうな顔をしたが、今この状況、そして目の前にいる存在のことを考えると、不思議と言葉の重みも軽くなる。


「けどぉ、いま、しあわせだしこうかいはないかなぁ」

「おいおいおい!? 待ってくださいね!? というか一旦その頭溶けてますみたいな言葉遣いやめようか!?」


紗奈花の純度100%の花が咲き誇ったかのような笑顔。にぱぁーと口角を上げるその顔に、さすがの来人も「あ、可愛いなこいつ」と素直な感想を口にする。

がしかし、今の状態だと本当にこの先後戻りが出来ないことをしかねないと判断した来人は、急いで先程目を付けていた店に向かうと、お目当ての商品を手に紗奈花(7ちゃい)が待つ席へと戻った。


「紗奈花。急いでこれを飲むんだ」

「なーにこちぇ?」

「やばい。進行が早いな」

「・・・いりょがみりょりっ!」


わぁぁぁ!と目を輝かせる紗奈花。「いちゃちゃきまーしゅ!」ともはや幼児退化している紗奈花を戻すのにもっとも適した方法を考えた来人。

甘さで幼児退化したなら、苦さで大人成長させればいいと。

来人が買ってきたものとは、これまた運命なのか、恐らく紗奈花がいちごフラペチーノを買ってきた店と同じお店に売っていた抹茶ラテ。しかも甘さ控えめ苦さ濃いめという特段に苦いものを用意してもらった。


「紗奈花…まじすまん」


紗奈花が特性苦々抹茶ラテを一口飲んだことを確認すると、匂いだけでも口の中が苦さで充満しそうなドリンクを与えてしまったことに心からの謝罪を送る。


なむなむと手を合わせて合掌する来人。ドリンクの苦味が段々と口に広がってきた紗奈花は先程の溶けたような顔から、苦虫を噛み潰したような顔へと変化していった。


「苦っがぁぁぁぁ──────!」

「はい紗奈花とりあえずこれも飲んで!」

「うぇぇぇ、何この飲み物めっちゃ苦いんだけどぉ…」


ベロをだして、こびり付いた苦味成分の粉を取ろうと手を何度も擦り付けるが、そんなことで取れるはずもなく、なんなら苦味はどんどん増していく一方だった。

そして何も考えず、反射的に来人から再度与えられた飲み物を飲んだ紗奈花は──────


「待って苦さ増して来たんだけどっ!?」

「それはなさっき特別に用意して貰った苦味感覚を倍増するドリンクだ」

「なんてものを渡してくれるの!?」

「ふっふ。どうだ。甘みなんて口の中に1ミリたりと残ってないだろう…」

「なんで甘いドリンク飲んでるだけで、こんな仕打ちにあわなきゃいけないのよぉっ!」

「・・・もしかして先程までの自分の態度忘れてらっしゃる?」

「いちごフラペチーノ飲んでただけじゃん!」


(すげぇ…こいつ。見事に記憶が自分の理想通りに書き換えられてやがる)

動画でも撮っておけば良かったと後悔したが、そもそも甘いものを飲み過ぎで性格が変わるなんて誰が予想出来ただろうか。

・・・ん?

来人は頭を二度三度、指でトントンとする。こいつと甘いもの食べたのってそういえば今日が初めてじゃねーよなと。いつもは鈍感なくせにこういう時にだけ冴え渡るのがこの男がいつまでもこの男である理由だ。


「なぁ紗奈花」

「なによ」


不機嫌ですけどなにかと身体中から溢れ出るそのオーラを感じつつ、来人は核心に触れた質問をする。


「お前、いつしかケーキ食べた時はこんな風になってなかったよな?」


その言葉に目を大きく見開いた紗奈花は、先程までの騒ぎ具合はどこへ行ったのか、額からじわっと汗が滲み出ていた。

その状態を見て、来人はなるほどぉ…と見下すような笑みを浮かべる。


「へぇ俺にこれだけ言っといてなぁ?」

「・・・だって」


もういっその事今言ってもいいんじゃないかそう思った紗奈花。その目にはおふざけなどなく、ただ1つの覚悟が宿っていた。

そうして、この気持ちを伝えるには短いだけど充分な言葉を伝えようとしたその時。


「まさか、俺以上に小学生らしく遊ぶのが好きだとはなぁ!」

「・・・へっ?」

「いやぁまさかまさか、あれだけ怒っておいて実は自分もそういう風に遊ぶのが好きですなんて口が裂けても言えないしなぁ!」

「あの一体何を言って──────」


言葉を訂正しようとする紗奈花の肩をポンポンと叩くバカ男。さっきまで覚悟を決めていた自分を恨みたいと心の中で呆れる紗奈花。震えていた声も今ではいつも通りだ。


「来人ってやっぱり来人だね」

「おぉおぉ! そいつは最高の褒め言葉だなっ」

「多分いずれバカの代名詞に来人って言葉が使われ始めるよ」

「いやいやこの相手に聞かずとも相手の真意を全て暴いたこの天才をバカと言うとは紗奈花の方こそバカなのでは?」


辛うじて一線を超えていなかった感情が、この一言で完全に紗奈花の琴線に触れてしまった。バカにバカと言われるほど屈辱的なものは無い。


「! 来人にバカと言われるほど私バカじゃないでーすっばーかばーか!」

「バカと言う方がバカなの知ってるかぁー?」

「はぁあ!?」


相手をイラつかせる才能なら間違いなくトップクラスであろう来人の煽りを正面から受けた紗奈花は、目尻がピクピクと動くと目の前にあったいちごフラペチーノを一気に飲み干した。


「あーもうっ! どうでもいい! 知らないっ!」


ふんっ!と腹を立てた紗奈花は席を立ってその場から去ろうとしたが、ふと来人が零した言葉に足を止める。


「はぁー…久しぶりにこんなに腹から声出したなー」


軽く笑いながら独り言のように零したその言葉。紗奈花の先程まで感じていた怒りは恐ろしい程収まっていて、心は端から端まで澄み渡っている、そんな感覚だった。

そして紗奈花は手に持ったスクールバッグを座っている来人の膝の上に置くと、小馬鹿にするような口調で言った。


「さっきやってた釣りのゲーム教えてよっ」

「おぉ!? 素直に言ってくれるのは正直に嬉しいぞ、すぐ行こう今すぐ行こう!」


電源が入ったかのように椅子から立ち上がった来人はつい数秒前まで言い争っていたなんてまるで気にしていないかのように理不尽に渡された紗奈花のバッグを肩にかけると、紗奈花の手を握って「さぁ行こう!」とぐんぐんとゲームセンターへと向かうのだった。

一方、唐突に手を握られ驚きで一瞬全身をビクッと震わせた紗奈花だったが、ぎゅっとその手を握り返すと恥ずかしさを隠すようにその顔を来人の背中に押し付ける。

そして、はしゃぐように歩き進む来人の後ろ顔を見て、紗奈花は自分の中で確信を持つようにつぶやく。


「私、やっぱり好きだなぁ…」


そんな1人の恋をした少女の呟きはすぐ前にいる男に届きはしなくても、今はそれでいいと口をキュッと結ぶのだった。









ぢゅらおです。

お久しぶりですを挨拶に出来ますねそろそろ…

まずもしかするとこの話意味が分かりずらいとか、読みにくいとかあるかもしれませんが、それは僕の文章力が足りないせいです。本当にすいません。というのも、最近ちょっとスランプ気味で書きたいシーンも思い浮かびにくく、文章が固くなってしまうのですよ…

本当に困ってしまいます。これも書いてなかったせいですね。文章も書いてなかったら質が落ちる、スポーツと一緒ですね。反省です。

最近好きなラノベの最新刊が出てモチベが上がってきているので、また頑張ります。

しかも今これ、朝の5時に書いてるんですよ。バイト終わり寝ないで。もう寝ながらタイピングしてます…

とりあえず皆様、睡眠はしっかり取りましょう。

では次の話でまたお会いしましょう!

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