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第2話 朝の時間ってカオスじゃない?

ぢゅらおです。

毎日更新をしてくれる予約投稿という機能を初めて使ったのですが、これのおかげで毎日小説を書いているような気分になってます。

「来人? なんかお前顔色悪くない〜?」

「あぁ、寝てないからな」

「寝ないと肌に悪いんだぞ〜」

「いや肌の方の心配かい」


 結局学校の内に追加された課題が終わらなかった来人(くると)は家に持ち帰ってやったが、課題が終わった時には既に時計は朝の7時を指していた。


 そんなことを特に心配してる様子もなく来人に話しかけてきた男───仁坂晃太郎(にさかこうたろう)はうつろな目で来人を見つめる。


「そういえば、今日体育バレーだけど女子と合同だって〜」

「うん」

「だって〜」

「う、うん」

「だって〜」

「・・・」

「だっt」

「だからなんだよ!!」


 真心込めて晃太郎の背中を叩くと少し大袈裟に痛がりながら晃太郎はニンマリした笑顔で答えた。


「なんか、女子のバレーっていいよね〜」

「おい。今彼女持ちが爆弾発言したぞ」

「嫌だなぁ。彼女持ちがアイドルを好きになってはいけない事はないでしょ〜?」

「まぁそうだな」

「それと一緒♡」


 いつもと違う喋り方に来人は全てを悟った笑顔で晃太郎の肩に手をかけるとそこから自分が出せる全力の大声を出した。


「2年4組の目端花(めばたはな)様ー?! 彼氏様が暴走してます。至急三室の席まで来てくださーい!!」

「来人ー!? 貴様謀ったな!」

「すまん晃太郎。お前は1回殺されるべきだ」

「なぁ! 花の事は知ってるもんな!?」

「もちろん」

「本当に殺されるぞ? 俺」

「え? まさか彼女様の事をゴリラと言ってらっしゃる?」

「一言も言ってな...」


 真剣に焦る晃太郎の肩を「バキッ」と音がしたであろうくらい力強く握る人影があった。花である。


「通報感謝する」

「友達のためならふっ、当然さ」

「それを言うなら俺の事も!」

「晃太郎は私とお話しよっか?♡」

「その『キュピッ』みたいな言い方が1番怖いですけど!?」

「私の事をゴリラと言ったらしいじゃないか。マイボーイフレンド」

「もしかしてさっきの来人との会話聞こえてた?」

「・・・」

「・・・来人。俺は貴様を許さない」

「安心しろ。骨は拾ってやる」


 晃太郎はまだ何か言いたそうだったが花のクイーンスマイルがそれを許さなかった。来人の席にはまた朝の静けさが戻ったが遠くで叫び声が聞こえたのは空耳だと決めつける。過度の干渉はお互いのためにしないのが賢い人間の立ち回り。


「あらぁ、来人君じゃないですかぁ。昨日は大丈夫でしたぁ?」


 声だけを聞けば心配していると感じるが顔を見ればそんな様子は全く感じない。来人は恨みを顔に出さないように気をつけつつ、営業スマイルを全面にだした。


「・・・あー。そうですね。一言言ってもよろしいでしょうか?」

「なんだいかしこまって? まぁ弟の悩みはお姉ちゃんの悩みだからね。なんでも聞きな!」

「あなたは俺のお姉様でもないし、ましてそのような事を教室でおっしゃいますと、皆様の視線が痛くなるのでおやめください」

「私ってなんかー視線集めちゃうんだよね〜。これが魅力ってやつ?」


 ちょっとしたセクシーポーズをとって見せると近くにいる男子は「尊いっ!」とか「これで今日もはかどるぅぅ!」などとほざいていたが、来人自身は特に表情が変わることがなかった。


(なんつーか、そんな幼い姿でやられてもそそられるものがないというか、それお姉様キャラがやるからいいものであってこいつがやってもなぁ)


「あ、今絶対卑猥な事考えてたでしょ」

「うん? 何も考えてないが」

「いーや絶対考えてたね! この紗奈花ちゃんの体でよからぬ想像してたでしょ」


 両手を腰にやり、頬を膨らませてぷくぅと怒ってみせた紗奈花の姿にまたまた「おっしゃる通りですぅ!」「俺はどうしようもない変態ですぅ!」などと一部の変態層が言ってるのを女子はドン引き、ほかの男子は笑い、紗奈花は気にせず、来人は心の中で泣いていた。カオスである。


(この学校の威厳さはいづこに逝かれた!? このクラスだけなのか!)

 両手を机にバンバン叩きながら苦しむ来人は目の前にいる人生お気楽女に現実を教える。


「なぁ、もしかしてお前自分の発育良いとか思ってる?」


 突然のセクハラ発言にいささかの野次は飛んだが、紗奈花は怒ることもなく少しの間頭に手をあてて考えていた。


「うーん。まぁ確かに。思う節はあるんだよねぇ」


(お、イメージと違い意外に気にしていたのかいい心がけだな)


「正直、もうちょい胸あっても良いなぁって思うし」


 その言葉の瞬間クラスの男子総員(来人は除外)でリアル吐血しそうになっていた。


「今のレベル、正直可愛いなぁレベルじゃん? あ、触ってみる?」


 これでおそらくクラスのほとんどの男子は本当に吐血しただろうか。女子の反応は「わぁ、攻めた〜!!」とか「ほら! 来人君ガンバガンバ!」などの応援?だった。紗奈花はほんの少し身体全体がプルプル震えていた。


(いやそんな恥ずかしがるならそんなこと言うなって)

 だが、言われたことはきちんと実行する男。そんな紗奈花を姿を上から下に見極めるように何度も繰り返し眺めた来人は仏スマイルで踏んではいけない地雷をハンマーで叩くレベルの発言で周りを凍らせた。


「可愛いレベルというより、可哀想なレベルだが()()()のか?」


 紗奈花は元々赤くなっていた顔を最大限赤くしてアッパーを食らわせて「バカっ! 最低っ! 信じらんない!」などの罵声を出して、教室を出ていった。


(うん?  俺はなんでこうなったんだ? 一体何を間違えた? あ、違う。これあれだ。ギャルゲーの隠しコマンド『お兄ちゃんのバカ!』だ。多分、この後成長した妹とのうふふな展開になるやつか!?)

 1人で考え、そもそも前提が違う答えをだして満足した来人は何事もなかったかのように机で爆睡をかます。






「本当に信じらんない!」


 女子トイレに駆け込んだ紗奈花は鏡を見て自身の体を見直す。


「むぅ、私だって大きくしたいもん」


 ただ、見下ろした時に自身の足が見えることに落ち込んだ。遠い目で静かにボソッとつぶやく。


「そんな正直言うところ昔から全く変わってないじゃん...」

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