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グリーン・ライフ



 環境問題が叫ばれているとある国で環境保護活動家が首相になった。

 首相は矢継ぎ早に政策を発表していった。


「まず、私は山を切り崩すことになるメガソーラー発電に対する助成金を停止します。メガソーラーは許しません」


 国民は喜んだ。

 数日後、さらに首相は環境保護を重視する声明を出した。


「魚介類を絶滅から守るために養殖業以外の漁業を禁止にします。このままではウナギもマグロもスケトウダラも絶滅します。なんとしてでもそれは避けたい」


 国民は彼が言うならととりあえず納得した。漁業関係者は怒ったが、その声は無視された。


「さらに我々は、猫の外飼いを禁止します。島嶼部の貴重な固有種が放し飼いの猫によって絶滅の危機にあるのです。ペットの飼育はこれから免許制になり、違反をした人のペットは保護施設へ移送されます」


 これには国民も考え始めた。ペットを飼っている人の数は相当数いるので、抵抗感があったのだ。しかし、それでも首相は政策を改めなかった。


「一見無害に思われているが、そうではない農薬が使われ、土壌が汚染されており地下水を通して、湖や海が汚されています。それをなくすために政府は無農薬栽培を推し進めます」


 これに農業関係者は反対した。今更農薬のない農業など不可能だった。その年、害虫被害により農作物は凶作となり、価格はうなぎ登りとなった。


 さらに首相は環境保護に邁進した。

 数ヶ月後、建設中だったダムの工事が中断された。


「ダムの設置により自然本来のサイクルが損なわれている。陸の栄養分が海に流れ込まなくなっている。護岸の整備も中止だ。川に住む生き物を絶滅から守ろう!」


 その数ヶ月後、夏の豪雨でダムの建設が中止された河川で大規模な洪水被害が生じた。

 多くの人が亡くなったり、家が流出したりして、ここに来てついに国民の怒りは爆発した。


 環境保護活動家は首相の地位から引き摺り下ろされ、次に首相になったのは、環境問題は陰謀論だと主張する政治家だった。


 その政治家が首相になって、これまでの環境保護活動家の政策は矢継ぎ早に撤回されることになった。


 漁業が解禁され、無尽蔵に乱獲がされて魚介類は大幅に数を減らし、猫の放し飼いが推奨され、離島の固有種が絶滅した。農薬がたくさん使われて、ダムの建設も再開された。環境保護を訴える人は逆に、社会の安寧を否定する存在として、蔑まれることになった。


 環境保護活動家は嘆いたがもはや後の祭りであった。

 


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