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S級冒険者が歩む道~パーティーを追放された少年は真の能力『武器マスター』に覚醒し、やがて世界最強へ至る~  作者: さとう
第二十八章 ネクロファンタジア・マウンテン

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封印されし黒鋼の山ネクロファンタジア・マウンテン⑧/その先にある何か

 丸一日が経過。

 全ての準備を整え、一行は『白い壁』の前に。

 この先に何があるのかわからない。まずは、全員で『壁』の前に立ち、ハイセ、エクリプス、サーシャの三人は『透明な板』を手にする。

 一日の調査でわかったのは、白い壁の一部にスロットがあり、そこにカードを挿入することができることがわかった。

 スロットは三枚。ハイセたちは『透明な板』を手にスロットの前に立つ。

 サーシャは、ふと疑問に思った。


「ハイセ、エクリプス。こういう場合は……同時に入れるべきなのか?」


 サーシャが言うと、ハイセとエクリプスは顔を見合わせた。


「……わからん。エクリプス、どう思う?」

「手順が不明な以上、慎重に行きたいところだけど……前例もないからわからないわね」


 どのみち、板を入れなくてはいけない。

 順番もわからないので、三人は同時に入れることにした。

 サーシャは全員に言う。


「全員、警戒を。この先に何があるかわからない。最後の七大災厄もいる……戦闘準備はできているな」


 全員、頷く。

 戦闘準備と聞き、ヒデヨシとシドラはアイテムボックスの中へ避難。ピアソラも同じく避難し、残りの面々も武器を構えた。

 そして、ハイセたちは互いに頷き、同時に板をスロットへ。

 板はスロットに飲み込まれず、半分ほど入り進まなくなった。すると、透明な板が淡く輝き、白い壁がゆっくりとスライドを始めた。


「おおおおおおおおおおお!!」


 クレアが驚く。

 白い壁が横に開き、先に進めるようになった。

 ハイセたちの手には、透明な板がそのまま残った。それをハイセは回収……カーリープーランとの取引で使うために、アイテムボックスに収納した。


「……敵はいないようだ。この先に……七大災厄がいるのか」


 壁の向こうは、整地された横幅の広い道だった。

 道の先が見えず、何があるのかわからない。

 幅は広いが、全員で移動して進むには狭い。仮に戦闘になった場合、最上のパフォーマンスをするにはやはり今の人数は多かった。

 

「よし。事前の打ち合わせ通り、パーティーで進む。俺、サーシャ、エクリプス、クレア、レイノルド、ヒジリ、プレセアをパーティーメンバーに、ロビンとエアリアは斥候で先に行け」

「わかった!!」

「よし、行くぞー!!」


 ロビン、エアリアが先に行き、戦闘メンバー以外はアイテムボックスに。

 事前に決めた編成で、ハイセたちは先に進んだ。


 ◇◇◇◇◇◇


 何もない道だった。

 エアリア、ロビンが先行したが戻ってこない。

 ヒジリを先頭に警戒しつつ進むが……ハイセは何とも言えない顔をしていた。


「……ハイセ、どうしたんだ?」

「……どうも嫌な予感がしてな」

 

 サーシャがハイセの浮かない顔を見て、話しかけて来た。

 ハイセはずっと気になっていた。ノブナガの残した謎の言葉、そして最後の七大災厄の一つが。

 サーシャは言う。


「この先、何がいても我々なら乗り越えられる。そうだろう?」

「かもな。でも……」


 不安。

 ハイセも、自分らしくないと思っていた。

 仮に……この先にいるのが、『自分の予想している物』だったら、勝率はかなり低くなる。

 不安を拭いきれないハイセに、サーシャが手を伸ばした時だった。


「「──!!」」


 何かが、聞こえて来た。

 その音に、全員が道の先を見た。

 ヒジリは不敵に笑い、レイノルドは丸盾を手にし、エクリプスは白い本を手に、プレセアは弓を、クレアは双剣の柄に触れる。

 そして、道の先からエアリアが、ロビンを掴んで飛んで来た。

 

「う、ああああああ!! ろ、ロビン、ロビンを!!」

「落ち着け!!」

「アタシ、先行くわ!!」


 ヒジリが走り出し、傷だらけのロビンを地面に降ろす。

 

「ピアソラを!!」


 サーシャが本気で叫ぶ。

 ロビンは重症だった。

 右腕が肘から消えていた。右足もなくなり、血がとめどなく流れていた。

 ピアソラがアイテムボックスから出てくるなり、全力で治療を開始。


「──何、この感じ」


 プレセアが、顔を青くして身体を抱く。

 エアリアは震えていた。歯をカチカチ鳴らしている。

 先行したヒジリ、後を追ったレイノルド、クレア。

 ハイセは、エアリアの両肩を掴んで言う。


「おい、何を見た。エアリア!!」

「わ、わかんない、へんな、くろいの」


 戦意喪失。仮にも七大冒険者としてS級認定を受けているエアリアが、ひどく怯えていた。

 ハイセはロビンを見る。


「……クソ!! おいピアソラ、ここから先に絶対来るな。癒し手のお前に何かあれば俺たちは敗北する。プレセア、お前もここに残ってピアソラを守れ、いいな!!」


 返事を待たず、ハイセは走り出す。

 ホルスターからハンドガンを抜き、両隣にはサーシャ、エクリプスが並ぶ。

 道の先から、音が聞こえて来た。


「ハイセ、この音……」

「……まさか」

 

 エクリプス、サーシャも気付いた。

 ハイセは、ロビンを見た時点で気付いていた。

 歯を食いしばり、ハイセは言う。


銃声(・・)……くそ!!」


 ハイセたちが道の先に到着。

 そこは、まっ平らな場所だった。

 かなり広めで、周囲を遮るものは何もない。

 ネクロファンタジア・マウンテンの山頂。そこにいたのは。


「な……なんだ、あれは」


 サーシャが驚愕する。

 ヒジリ、クレアが『黒い異形』と対峙していた。

 レイノルドの大盾がボロボロになっていたが、三人は生きていた。

 ヒジリが叫ぶ。


「アンタら!! 手ぇ貸しなさい。こいつ……あの鉄人形よりヤバイ!!」


 鉄人形とは、ヴァイスのことだろう。

 ハイセたちの前に現れたのは、漆黒の鉄人形。

 人形といってもヒトの形をしていない。

 鉄の足は四本あり、それぞれに車輪が付いて自在に移動可能。

 両腕は巨大な『筒』であり、右腕はいくつも穴が空いた筒、左腕は大きな穴が空いていた。

 背中には大きな筒を二本背負い、そこから火が噴いている。両肩には紫電を帯びた細長い槍のようなものが二本あり、顔に当たる部分はギザギザした『剣』が伸びていた。

 異形。魔獣にしては、あまりにも金属的な特徴が多すぎる。

 ハイセは呟く。


「……『アザ=トート=カノン』だ」

「え……?」


 ハイセはハンドガンのスライドを引く。

 絶大な信頼を持つ、これまでの『|闇の化身《ダークストーカー』を支えてきたメインウエポンが、あまりにも頼りなく見えた。


「あれは、ノブナガの『武器(ウェポン)マスター』が生み出した、最強の『兵器』……くそ、最後の最後に立ちふさがるのが、ノブナガの遺した『兵器』とはな」


 アザ=トート=カノン。

 『武器マスター』を極めし能力者が使うことのできる『最終兵器(リーサルウェポン)』の力。その力は『自身が思う最強の兵器を具現化する』こと。

 それにより、ノブナガが作り出した、この世界における最強兵器。

 それらが七大災厄として、ハイセたちの前に立ちふさがる。

 ハイセは叫ぶ。


「全員、死ぬ気でやるぞ!! こいつは……俺たちよりも強い!!」


 サーシャは剣を抜き、エクリプスは黄金の本を手に。

 アイテムボックスからシズカ、ロウェルギア、タイクーンを応援に呼ぶ。


『…………』


 チキチキチキチキ、と……アザ=トート=カノンの顔にある赤い光点が輝いた。

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〇S級冒険者が歩む道 追放された少年は真の能力『武器マスター』で世界最強に至る 2巻
レーベル:GAコミック
著者:カネツキマサト
原著:さとう
その他:ひたきゆう
発売日:2025年 10月 11日
定価 748円(税込み)

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
連載中です!
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― 新着の感想 ―
現代地球にこんなロボはないから、ノブナガがやったことのあるアーマード・コアみたいなゲームのロボを具現化したのだろう。 MS系でないのはノブナガのミリタリー趣味に合わないからか? もとネタ的に射撃兵装…
[一言] ハイセの不安が早くも的中⋯!! もはや戦闘不能(下手すれば死⋯)のロビン、意志崩れ起こしたエアリア、得体の知れぬ恐怖に怯えるプレセア⋯ 前エピソードの浮かれ具合から一気に暗転。ハイセも自身の…
すごい!すごくワクワクする!次のエピソードはいつ?この戦いはきっと楽しめると思う。ついに、本当の戦いだ!ヘイズはこの相手に核爆弾を使うかもしれない、ツァーリ・ボンバとか。それに、珍しく脚本家がパクリッ…
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