表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
S級冒険者が歩む道~パーティーを追放された少年は真の能力『武器マスター』に覚醒し、やがて世界最強へ至る~  作者: さとう
第二十八章 ネクロファンタジア・マウンテン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

431/433

封印されし黒鋼の山ネクロファンタジア・マウンテン⑥/全ての鍵

 サーシャは、『国崩』を鞘に納めた。

 クレアも、双剣を器用に回転させて鞘に納め胸を張る。


「勝利です!!」

「あああ……消えてしまった。あの液体生物の一部でも回収したかった……はぁぁ」


 拳を突き上げるクレアとは対照的に、タイクーンは肩を落としていた。

 レイノルドも、背中に大盾を背負い直し、ピアソラは言う。


「皆さん、怪我はありませんの?」

「ああ。ったく……優秀すぎる前衛も困りモンだぜ。盾士のオレが全く出番ねぇぜ」


 レイノルドの盾は綺麗なままだった。

 敵である銀色の液状生物、『エリクシル・ロディーヌ』との戦いは苛烈を極めた。

 液状であるがゆえに、姿形は自在に変わり、銀の液体を粒のように飛ばして攻撃したり、液体を極薄にして刃のようにしたり、周囲に浮かぶカラフルな玉はタイクーンの予想通りに属性を駆使した攻撃をしてきた。

 だが……サーシャ、クレアは全てを受け、躱し、弾いた。

 レイノルドはタイクーンに言う。


「なあ、サーシャのやつ……魔界に来てからさらに強くなってねーか?」

「それは間違いないだろう。恐らく、人間界で世界最強の五指に入るだろうな」

「はいはーい!! あのあの、わたし、私は?」

 

 会話を聞いていたのか、クレアが二人の間に割り込んだ。

 レイノルドは、クレアの頭をポンポン撫でて言う。


「オマエも強くなったよ。S級冒険者として、どんどん強くなってるな」

「えへへー、うれしいです。あのあの、師匠は褒めてくれますかね」

「さぁな。でもまあ、弟子の成長を喜ばねぇ師匠はいねぇだろ」


 サーシャを見ると、ピアソラが心配しているようだ。怪我をしていないが、治癒の光を当てている。

 クレアは、サーシャを見てため息を吐く。


「はああ……私も強くなった自信ありますけど、一緒に戦ってサーシャさんの強さを見せつけられましたよ……本当に強いですー」

「まあ、うちの『ソードマスター』は最強だぜ。なあ、タイクーン」

「ん、ああ」


 タイクーンは、『エリクシル・ロディーヌ』に未練があるのか、床に少し残っていた雫を瓶に入れようとしてた。だが、触れた瞬間に蒸発し、再びがっくり肩を落とす。

 そして、治療を終えたサーシャがピアソラと戻って来た。


「さて、見たところ、あそこに道がある」


 白い空間の先、白い扉があった。

 魔獣を倒したことで現れたのか、今までなかった扉だ。

 タイクーンは立ち上がり、推測をする。


「ふむ……この先に『ロディーヌ』の鍵があるだろう。先ほどの魔獣は、守護魔獣とでも言えばいいのか……明らかに、野生の魔獣とは思えない形だった」

「お、いつものタイクーンだな」

「やーっとクリアですか。うう、師匠に会いたいですー」

「わたくしも、甘いケーキを食べながら紅茶を飲みたいですわ。もちろんサーシャと一緒に!!」

「はは、そうだな。さて……行こうか」


 サーシャたちは、扉の先へ。

 その部屋は、広くも狭くもない部屋だった。

 白い部屋。中央には祭壇があり、一枚の透明なカードが安置されている。

 タイクーンが周囲を観察するが、クレアがさっさとカードを取ってしまった。


「これが鍵なんですかね。ただの透明な板にしか見えませんけど」

「……サーシャ、彼女は本当にハイセの弟子なのか? こうも危機感が薄いとは」

「ま、まあいいだろう。何か起きる……ことも、ないのか」

「一応、警戒しようぜ。おいピアソラ、アイテムボックス入っておけ」

「わかりましたわ」


 しばらく、警戒していた……が、何も起きない。

 祭壇の後ろにドアがあり、そこを開けて先に進むと……再び、森に入った。

 振り向くと、白い神殿のような建物が見える。


「……どうやら、終わりか」

「ふむ。そのようだ……サーシャ、先に進もう。恐らく、ハイセたちと合流できるかもしれん」

「え、師匠と? やった、行きましょう!!」

「おいおい、走るなクレア。おい、行っちまった、追うぞ」


 走り出したクレアを追うため、サーシャたちは走り出した。


 ◇◇◇◇◇◇

 エクリプスチーム

 ◇◇◇◇◇◇


 災厄残滓型魔獣『オルウェン・ラスラパンネ』。

 現在、エクリプスたちは沼の中、エクリプスの魔法で作り出した『黄金郷へ誘う帆船(スキーズ・ブラズニル)』に乗っていた。

 黄金の船にはエクリプス、ロビン、ヒジリ、ロウェルギア、シズカが乗っている。大抵の魔獣は殲滅できるメンバーであるが、沼の中ということで直接攻撃ができない。

 現在、黄金の船は、無数の触手に絡みつかれ、身動きできなかった。


「くっそおおおおお!! アタシがチョクでブン殴りたいよおおおおお!!」


 ヒジリが地団駄を踏む。

 沼の中ではヒジリも戦えない。ロビンの矢も効果がないし、シズカの飛行能力も意味がない。

 ここで戦うことができるのは、エクリプスとロウェルギアだけ。

 エクリプスは、魔力を船に注ぎ込んでいる。


「……かなりの力ね。魔力で常に補強しないと、潰されるわ」


 エクリプスが攻撃に参加できない。

 となると……一人。


「クックック……」


 ロウェルギア。

 歯茎を剝き出しにし、上を向き、眼鏡を抑えて笑う。

 指をパチンパチンと鳴らし、ローブを翻して言った。


「ワタクシの出番、のようですネェ。いいでしょう……見せてあげましょう、この魔王ロウェルギアの本気を、ハイセ様のために!!」

「いや、ハイセいないじゃん……」

「全力を出すなら、この場を切り抜けるために出せ」

「ううー、エクリプス!! 沼の中でも自由に動ける魔法ないの!?」

「あっても無理。私は船の維持で精一杯よ」


 ロウェルギアは前に出る。

 黒い球を沼の中にいくつも作りだし、連結させる。

 まるで黒い蛇。長さも三十メートル以上あった。まるで、巨大クラゲに立ち向かう黒いウミヘビだ。


「『黒ノ蛇(ウロボロス)』……餌の時間です」


 黒い蛇はグネグネ動き、船に絡みつく触手に触れる。すると、闇の力が触手を喰らう。

 

「触れただけで、喰らいますよ? 攻撃は無意味と申しておきましょう。クフ」

 

 触手が、黒い蛇を絡めとろうとする。だが、触れただけで触手が消滅する。

 黒蛇は、グネグネ動き、触手を喰らいながら本体へ向かって行く。

 そして、ロウェルギアが右手を向け、指をパチンと鳴らした。


「『終焉(フィナーレ)』」


 黒蛇がクラゲの本体近くで爆ぜ、周囲の沼、そしてクラゲを喰らい尽くした。

 ロウェルギアは櫛を出し、自分の髪を整えて言う。


「さて、終わりましたぞ」

「「「…………」」」


 強い。

 オーバースキル『冥神(ペルセポネ)』。

 闇を作り、全てを喰らう力。

 ロウェルギアの性格がアレなので誰も気にしていなかったが、ロウェルギアも間違いなく魔王。しかも……三大魔王の中でも最強。

 エクリプスが言う。


「……見つけたわ」

「え、なになに?」

「沼の最下部に神殿みたいな建物があるわ。ふう……船の維持をしながらの索敵はきついわね」


 船は最下部へ移動。神殿を発見した。

 視界が最悪なので見えなかったが、入口は船でも入れるほど広い。

 入口に入り浮上すると、広い空間に出た。

 そこには空気があり、船から出ても問題なさそうだった。

 船から降り、祭壇のある部屋へ。

 祭壇には、透明なカードがあった。

 

「なにコレ?」


 なんの迷いもなく、ヒジリがカードを手に取った。


「馬鹿。いきなり取る奴があるか」

「馬鹿ってなによバカって。別にいいじゃん。敵出たらアタシやるからね」


 フラストレーションがたまっているのか、ヒジリは敵を望んでいるようだった。

 だが、特に何も起きない。

 そして、ロビンが部屋の奥にドアがあるのを見つけ、ヒジリと違って最大の警戒をし、静かに空ける。


「…………ねえ、みんな」


 ロビンは、嬉しそうに言う。


「風を感じる。たぶんこの道、外に続いてるかも!!」

「お、マジ? やった、行こ行こ!!」

「だから、警戒をしろと言っているだろう、馬鹿が」

「ククク。ワタクシの活躍……ハイセ様に報告せねば!!」

「……ハイセ。会いたいわね」


 エクリプスたちは、地上に向かって歩き出した。

 こうして、三つのパーティーは鍵を入手。合流に向かって動き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〇S級冒険者が歩む道 追放された少年は真の能力『武器マスター』で世界最強に至る 2巻
レーベル:GAコミック
著者:カネツキマサト
原著:さとう
その他:ひたきゆう
発売日:2025年 10月 11日
定価 748円(税込み)

【↓情報はこちらのリンクから↓】
eqwkhbr532l99iqc5noef2fe91vi_s3m_k1_sg_3ve7.jpg

お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

― 新着の感想 ―
そしてあのクズ野郎レイノルズも、消えて欲しい。役立たずのゴミだ 正直に言うと、サーシャよりピアソラの方が好き。サーシャは物語を通して男も女も誘惑する卑劣な娼婦だ。ヘイズに裏切られた罪を償うどころか、ず…
また、物語はほぼ終わっており、ピアソラは相変わらずで、彼女とヘイズの間には何の進展もないのだろうかとも思う。
今回は『セイクリッド』の活躍に完全に落胆しました。前回のハイセ&プレセアの活躍に反して詳細も描かれていませんし、何よりレイノルドは全く活躍せず、タイクーンは研究対象を回収出来なかった事を悔いるなど相変…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ