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S級冒険者が歩む道~パーティーを追放された少年は真の能力『武器マスター』に覚醒し、やがて世界最強へ至る~  作者: さとう
第五章 デルマドロームの大迷宮とディロロマンズ大塩湖

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平和

 スタンピード戦から一か月……ハイベルグ王国は、、ようやく日常を取り戻した。

 七万の魔獣。倒して終わりではない。

 その死骸の処理が一番大変なのだが、ハイベルグ国王が『魔獣の素材は自由にしてかまわない』と言うと、他国からの冒険者が大勢押し寄せ、死骸の八割を回収して行った。

 これにはハイベルグ王国側も唖然とした。

 救援は渋っていたくせに、こういう時だけハゲタカのように死骸に群がる……だが、死骸の処理がすぐに終わったのはありがたい。

 

 一番の活躍をしたサーシャには、大金が送られた。

 一生遊んでも使いきれないほどの大金だ。これは全てクランの運営資金と、チームたちに支払う報酬となった。

 同じく、ハイセにも大金が送られた。ハイセの場合、全て冒険者カードに貯金。

 王都のど真ん中に拠点を構えることができたが、相変わらずボロ宿屋にいた。

 今日も、ハイセはボロ宿で、朝食を食べて薄い紅茶を飲んでいる。いつもと違うのは、新聞が手元にあったことだ。


「…………」


 新聞の見出しに、『クラン『セイクリッド』がついに四大クランに加入秒読み。五大クラン誕生なるか』とあった。

 紅茶を啜り、ハイセはカップを置いて新聞を置く。

 立ち上がり、受付カウンターに金貨を置く。


「延長一か月。朝食と紅茶、新聞付きで」

「はいよ」


 金貨を足元のビンに入れる店主。

 いつもと変わらない。スタンピード戦が終わった後でもぶっきらぼうなのは相変わらずだ。

 だが、これがハイセの望んだ日常。

 急に笑顔で接客されても違和感しかない。このままなのはありがたい。

 宿を出て、大きく欠伸をして背伸びすると……ひょっこりと、プレセアが現れた。


「おはよ」

「…………」


 無視して歩きだすと、付いてくる。

 隣に並んで歩くのも、日常となりつつあった。


「新聞、見た?」

「…………」

「サーシャのクラン、四大クランに加入間近だって。本人も『神聖大樹のアイビス様が支援してくれるようになった』って喜んでた」

「……お前、サーシャと仲いいのか?」

「ええ。一緒に食事するくらいには」


 スタンピード戦後、いきなりサーシャとプレセアが突入してきた時は驚いた。その時は追い返したが、いつから仲良しになったのだろうか。


「あなた、いいの?」

「何が」

「表彰、すっぽかしたんでしょ」

「…………」


 ハイベルグ王国から、国を救った冒険者の一人として表彰式があった。

 だが……もう、面倒事に関わるのが嫌なハイセは、負傷を理由にサボったのだ。

 真面目なサーシャが心配して再び宿に来たが、面倒なので追い返した。


「私から『ハイセはサボっただけ』って伝えたわ」

「おま、余計なことすんな」

「聞かれたから答えただけよ。それに、ほんとのことだし」

「…………」


 ハイセは冒険者ギルドへ到着し、中へ。

 いい時間帯で、依頼掲示板の前には誰もいない。


「討伐系?」

「ああ。お前は」

「薬草採取。スタンピード戦で、たくさんの薬が使われて、王都全体に薬が足りていないらしいわ」

「…………」


 ハイセは一枚の羊皮紙を掲示板から取り、受付へ。

 プレセアも、薬草採取の依頼を手に受付へ。


「はい!! あれ? ハイセさん……二枚ありますよ? しかもこれ、討伐系じゃあなくて、薬草採取ですけど」

「いいから余計なこと言わずやれっての」

「あ、はい」


 少しバツが悪そうなハイセ。

 プレセアは、三つ隣のカウンターで依頼を受けていたが、しっかり聞いてしまった。


「…………くすっ」


 ぶっきらぼうだけど優しいヒト。

 プレセアは、ハイセのことが本気で好きになっていた。


 ◇◇◇◇◇


「うむうむ。いい顔になったの、サーシャ」

「あ、ありがとうございます」


 サーシャは、『神聖大樹(ユーグドラシル)』のクランマスター、アイビスと向き合っていた。

 今朝、護衛も付けずにいきなりやってきたのだ。

 さすがに驚いたが、来客用の部屋に通して話を聞いていた。


「ハイセといい、お前といい、若いのは面白いの。顔を見ただけでわかった……甘さが薄れ、色づき始めた果実のようじゃ。まだまだ成長する……くくく、実に楽しみじゃ」

「え、えっと」

「もう十分。よし、今度の『四賢人会議』で、お前のことを出そう」

「え」

「我ら四賢人の末席に、お前を加える。我々老人の集まりにも、若い風を入れた方がよさそうじゃな」

「……あ、アイビス様?」

「場所は……そうさな、ここにしよう。サーシャ、四賢人はワシを除いて偏屈なジジババの集まりじゃ。美味い茶、菓子を用意して待っておれ」

「あ、アイビス様!? あの、まさか……えっと、いきなりすぎて話に付いていけないんですが、私を……?」

「何度も言っておるじゃろ。お前を、ワシらの末席に加える」


 つまり、四大クランへの加入。

 サーシャはゴクリと唾を飲み込む。


「お前ならいずれ、禁忌六迷宮もクリアできるかもの。若いころのワシらも、いいところまでは行ったんじゃが……」

「…………」

「ふふ、いい顔じゃ。お前やハイセを見ると、ノブナガを思い出す……」

「え?」

「いや、何でもない。さーて、久しぶりの王都じゃ。いっぱいお土産買って帰らんとなぁ。無断で出て来たから、本部は今頃大慌てじゃの。わっはっは」

「えぇぇ!? か、帰らなくていいんですか!?」

「問題ない。ささ、遊びに行くぞサーシャ!!」

「え、あの、え、わ、私も!?」

「うむ。たまにはその硬い鎧を脱いで、おなごらしいカッコしたらどうじゃ?」


 ぐいぐいと背中を押され、サーシャはアイビスと町に出るのだった。

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〇S級冒険者が歩む道 追放された少年は真の能力『武器マスター』で世界最強に至る 2巻
レーベル:GAコミック
著者:カネツキマサト
原著:さとう
その他:ひたきゆう
発売日:2025年 10月 11日
定価 748円(税込み)

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
連載中です!
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― 新着の感想 ―
[一言] 一番手柄がハイセじゃないのは銃撃だと乱戦では味方が邪魔になるから…とか? まさか後始末をパスしたからってことはないと思うが しかしなんだね、地に足がついてるハイセ(とプレセア)に対し、浮足…
[気になる点] サーシャが一番の活躍、っていうのに違和感がある 実際、彼女の再帰で盛り返して、指揮も取っていたとしても、ハイセは序盤に二千近くの敵を倒して、その後もサーシャが抜けてから最後まで銃を乱…
[気になる点] ゴブリン相手に醜態晒したサーシャが一番の活躍??
2022/11/24 12:22 退会済み
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