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S級冒険者が歩む道~パーティーを追放された少年は真の能力『武器マスター』に覚醒し、やがて世界最強へ至る~  作者: さとう
第十八章 七大冒険者の会合

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七大冒険者会合②

 冒険者ギルドに向かう途中、大勢の冒険者がギルド前に集まっていた。


「……?」


 ハイセが訝しむ。すると、数名の冒険者がハイセに気付いた。


「見ろ、闇の化身(ダークストーカー)……」「おお、マジで……」

「会合よね……」「やべ、緊張してきた」


 注目されるのを嫌うハイセは、それらを無視してギルドへ。

 すると、待ち構えていたのかミイナが出迎え、ハイセの腕を掴んだ。


「ハイセさん!! ささ、こっちですこっち」

「なんだお前。掴むな、引っ張るな」

「いいから早くです!! もう、会合なのに堂々と正面から来ないでくださいよ!!」

「…………」


 怒られた。

 ハイセが「大したことない」と思っている会合は、他の冒険者からすれば「大したこと」であるらしい。すると、再び外が騒がしくなる。


「ははは、押すな押すな。ささ、通してくれ!!」


 序列六位『技巧の絡手(イップマン)』シグムントが来た。若い冒険者たちに囲まれており、恐れから注目されていたハイセとは別に騒がれていた。

 シグムントはニコニコしながら、若い冒険者たちの前で足を止める。


「あ、あの。シグムントさんに憧れて冒険者になりました!!」

「ははは、それは嬉しいな!! いつか一緒に冒険者しようぜ!!」

「は、はい!!」


 冒険者の背中をバシバシ叩くシグムント。ハイセには絶対真似のできないやり方だ。

 そして、シグムントの後ろから現れたのは……サーシャだった。


「見て、サーシャさん」「綺麗……」

「なんか、最近さらに綺麗になったよな……」「わかる……」


 十八歳になり、その美貌にさらに磨きをかけたサーシャだった。

 サーシャは「特に磨いてるわけではないが……」と言うだろうが、クラン運営を始め、子供っぽさが消え、美しいだけでなく艶やかさも身に纏い始めた。少女から女性に変わる……そう表現すべきだろう。

 長い銀髪をふわりと揺らしながら、白と銀に輝くサーシャは歩を進める。

 そんな時だった。


「到着っ!!」


 上空から突如、エアリアが落下してきた。

 宿から飛んできたのだろう。背中には光翼が生えており、着地と同時に消える。

 そして、サーシャに向かって胸を張った。


「わっはっは。遅いなサーシャ、あたいのが速いぞっ」

「……べ、別に勝負していたわけじゃない」


 負けず嫌いのサーシャ。まだ素直に認めないところは子供だった。

 すると───周囲が静まり返る。

 サーシャたちの後ろから、白いフリルの付いた日傘に、艶やかなドレスを着たエクリプスが現れた。

 冒険者というより貴族令嬢。その優雅なる振る舞いに、冒険者たちはただ見惚れるだけ。


「───おはよう、サーシャ」

「ああ、おはよう。時間通りだな」

「そうね……ふふ」

「む、なんだ?」

「いえ。あなたと並ぶと、すごく目立つわね。ほら……周囲の視線を独占しているわ」

「そうか? まあ、七大冒険者同士、目立つだろう」

「そうじゃないわ。私とあなたの美貌で、周囲を虜にしてる、って意味よ」

「と、とりこ、って……わ、っ私はそんなの」

「ふふ、さ、行きましょ」

「お、おい!! むう……」

「なんかあたいを無視してる気がする!! おのれー!!」


 三人はギルドに入る。そして三人がギルドに入って数分後、何やら満足したような表情のヒジリが、プレセアとクレアに連れられやって来た。


「あ~お腹いっぱい。朝から焼肉って最高ね!!」

「……あなた、これから会合でしょ」

「うー、なんで私まで……プレセアさぁん」


 どうやら、プレセアに拉致されたクレアは、ヒジリの「朝から焼き肉」に付き合わされたようだ。

 サーシャ、エクリプスほどではないが、美少女三人が並んでギルドに入る姿は注目された。

 こうして、七大冒険者たちがギルドへ……。


「……孤高の荒鷲は、注目されるの嫌うんだぜ」


 ウルは人知れず、ヒジリたちのあとにギルドへ入るのだった。


 ◇◇◇◇◇◇

 

 サーシャたちが会議場に入ると、すでにハイセは座って読書していた。


「ハイセ、おはよう」

「……ん」

「はいはーい。七大冒険者の皆さん、序列順に座ってくださーい」


 ミイナがそれぞれの席に案内する。

 半円形のテーブルに序列順に座り、会議場の後ろにはS級冒険者とA級冒険者の席、そして王族用の立派な席が用意してある。

 ミイナが席に案内していると、他の受付嬢たちが言う。


「ミイナ、なんであんなハキハキ案内できるんだろ……」

「ってか、ハイセさんにあんな態度できるのすごい」

「あの子、新人の頃から変わってないわよね……」


 確かに、七大冒険者だろうとミイナはミイナ。ガイストに対しても砕けた態度であるミイナは、ある意味ではハイセもありがたい存在だ。


「ハイセさん、読書はそこまで!! ささ、始まりが近いですよー!!」

「うるさい。デカい声出すな」

「はいはーい。あ、今日終わったらギルマスと飲みに行きません? んふふ、いろいろ聞きたいことありますしー」


 ハイセは「シッシ」と追い払うように手を振るが……「駄目だ」とは言わなかった。

 ミイナも満足したのか、全員を席に座らせると退室する。

 他のS級、A級冒険者たちも席に着いた。クレア、プレセアもいる。クレアはハイセに向かって軽く手を振っていた。

 そして、ドアが開き……国王バルバロスとガイスト、ミュアネが入ってくる。

 全員が立ち上がり一礼。意外にもヒジリやエアリアもきちんとお辞儀していた。

 国王が制すると全員が座る。


「ふむ。七大冒険者が揃い踏み……すごい光景だな、ガイスト」

「ええ。恐らく、今日が最初で最後かと」

「はっはっは。ではでは、始めようか。七大冒険者会合を」


 こうして、七大冒険者会合が始まるのだった。

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〇S級冒険者が歩む道 追放された少年は真の能力『武器マスター』で世界最強に至る 2巻
レーベル:GAコミック
著者:カネツキマサト
原著:さとう
その他:ひたきゆう
発売日:2025年 10月 11日
定価 748円(税込み)

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
連載中です!
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― 新着の感想 ―
[良い点] とにかく関係ない 今ではエクリプスが一番好きなヒロインです
[一言] この出会いは、過去にハイセを嘲笑していた人々の前で、ハイセが最強の冒険者であることを証明するためのものだと思います。 サーシャがみんなの前でヘイズに謝罪できたら感動するでしょうが、自分の感情…
[一言] 宗主国の国王出席ですか。さすが冒険者上がり 偶然7人いるから会合開こうって言うのは、ガイストだけじゃなくバルバロスの意向なんでしょう。 時間の都合で来賓まねくことはない(できない)けど、王国…
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