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S級冒険者が歩む道~パーティーを追放された少年は真の能力『武器マスター』に覚醒し、やがて世界最強へ至る~  作者: さとう
第十八章 七大冒険者の会合

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七大冒険者会合①

 レイノルドとのサシ飲みから数日後。

 ハイセは宿で新聞を読んでいると、冒険者ギルドから手紙が届く。

 シムーンに渡され開封すると……それは、七大冒険者会合についての手紙だった。

 その様子を見ていたクレアが首を傾げる。


「師匠、どうしたんです?」

「……七大冒険者の会合。日程が決まった」

「おお、ついに!!」

「会合は七日後。場所は冒険者ギルド四階にある大会議室……チッ、なんで王族まで出てくるんだ」

「王族、って……」

「会合に参加するのは七大冒険者とハイベルグ王族、そして冒険者代表としてS級認定されている冒険者たちと、A級冒険者だ」

「へえ~……すごいですね」


 関心するクレア。すると、シムーンが手紙を持ってクレアの元へ。


「すみませんクレアさん。クレアさん宛の手紙が混ざってました」

「あ、はい。どれどれ……あれ? これ、冒険者ギルドから?」


 手紙を開封すると、そこには『会合参加のお知らせ』と書いてあった。


「こ、これ!! 師匠、私も会合に参加しろって!! あ、私そういえばA級冒険者でした!! やったあ!!」

「うるさい騒ぐな……となると、プレセアにも話行ってるかもな」


 ハイセは手紙を閉じて放る。

 クレアは自分の手紙を隅々まで読み、ハイセの手紙を手に取り読む。


「なるほど。七大冒険者に対し、それぞれ各国代表の冒険者たちから質問をするんですね……お、私も一つまでなら質問していいみたいです」


 今回参加するS級冒険者たちは、ハイベルグ王国所属ではない冒険者が多い。

 ハイセは「質問とかくだらない……」としか思っていない。そもそも、依頼を受けるだけの仕事に憧れもクソもない、そう思っている。

 序列一位なんて、他人が勝手に付けた称号だ。『最強』を目指すハイセは他人の評価より、自分で『最強』だと思わない限り、歩みを止めるわけにはいかないのだ。


「あれ? 師匠、冒険者ギルドに四階なんてありましたっけ?」

「ある。地下に鍛錬室、一階がギルド受付、二階がギルド職員の事務所とかいろいろ、三階がギルマスであるガイストさんの部屋とか応接間、で……四階に大会議場がある。ここは、国に関わるような依頼が出た時に使うような部屋だ。最近ではほとんど使われないけどな」

「なるほどー……国に関わるような依頼って?」

「スタンピードとか、討伐レートSSSとかだな。以前、スタンピードが発生した時は王城で会議したけど」

「ふむふむ、勉強になります」

「……まあ、あまり知られていないことだ」


 そもそも、一般的な冒険者は二階、三階には入らない。

 クレアは「ふむふむ」言いながらハイセに言う。


「えへへ。質問かあ~……何にしようかなあ」

「お前、俺に聞くつもりか」

「いえいえ。師匠にはここでいろいろ聞けちゃいますしね。サーシャさんとかに聞いちゃおうかな。好きな食べ物とか」

「好きにしろ」

「あ、師匠が好きなのは『蜂蜜たっぷりフルーツパンケーキ』って知ってますからね!!」

「…………」


 ハイセは無視。クレアは「無視しないでくださいよー」とじゃれついてくるのだった。


 ◇◇◇◇◇◇


 一週間後、ついに『七大冒険者会合』の日になった。

 ハイセは普通に起床し、一階で朝食を取る……すると、エクリプスが現れた。


「おはよう、ハイセ」

「……ん」

「シムーン、私にも朝食をお願い」

「はーい」


 すっかり宿に馴染んだエクリプス。最近はシムーンと買い物したり、イーサンとフェンリルの散歩にも行っており、二人からも懐かれていた。

 いつもはシンプルなシャツとスカート姿だが、今日は白系を基調としたドレスを着ている。黒系のハイセとは対極な服装だ。


「そのカッコで朝飯食うのか」

「食べたら行かないといけないもの。今日は会合の日よ?」

「知ってる……めんどくさいな」

「同感。でも、少しだけ楽しみね」


 クスっと微笑むエクリプス。すると、階段をドタドタとエアリアが降りてきた。


「寝坊っ!! あれ……寝坊じゃない。ハイセ、エクリプス?」

「おはよう、寝坊じゃないわよ」

「そっかー!! あ、シムーン、あたいも朝飯っ!!」

「はいはーい。お待ちくださいねー」


 一気に騒がしくなる一階食事スペース。

 ハイセは朝食を終え、のんびり紅茶を飲んでいる。その隣ではエクリプスが優雅に、エアリアがガツガツと朝食を食べていた。

 

「シムーン、もう一杯おかわりもらえるか」

「はーい」


 紅茶のおかわりを注文。するとエクリプスが言う。


「ね、ハイセ……その、一緒に冒険者ギルド、行かない?」

「行かない」

「……そう」

「朝からハイセは厳しいなー、エクリプス、あたいと一緒に行こっ!!」

「……一人で行くわ」

「なんで!?」


 ギャーギャー騒ぐエアリア。すると、クレアが汗を拭きながら入ってきた。


「ふひー……あ、皆さんおはようございます!! ん~、こうしてみると、この宿に七大冒険者が三人もいるなんてすごいことですねー。あ、シムーンちゃん、お風呂沸いてますか?」

「はい。準備できてますよ。朝食も準備しておきますね」


 朝からシムーンは忙しそうだが、とても楽しそうだ。

 外では、イーサンがフェンリルを丸洗いしているだろう。

 ハイセは立ち上がり、忙しそうなシムーンではなく、宿の主人に言う。


「行ってくる。シムーンに晩飯よろしくって伝えてくれ」

「わかった」

「……ずいぶんと騒がしくなったな」

「そうだな。だが……フン、悪くない」


 主人はそう言い、新聞で顔を隠すのだった。


 ◇◇◇◇◇◇


 サーシャは、クラン『セイクリッド』本部の食堂で朝食を食べ終え、紅茶を飲んでいた。


「サーシャ、いよいよですわね!!」

「ピアソラ……ただの会合だ。そんなに気合いを入れなくても」

「甘い!! サーシャに無礼な質問をするクソ野郎がいないとも限らない……グギギ、しっかり見張らないと!!」


 フォークをガジガジ噛みながら警戒するピアソラ。

 ロビンは果実水を飲みながら言う。


「まあ、へんな質問はともかく、気楽にしようよ。今更七大冒険者の会合とかさー、正直めんどうかも」


 すると、朝から読書をしているタイクーンが言う。


「まあ、七大冒険者という冒険者の代表ともいえる連中が顔合わせするのは悪いことじゃないとボクは思うけどね。それに……意外な事だが、七人はすでに面識もある。喧嘩になるようなことはないだろう」


 そして、レイノルドが新聞を読みながら顔を上げる。


「まあ、オレらもいるし悪いようにはならねーさ。なあサーシャ」

「あ、ああ」


 レイノルドにほほ笑みかけられ、サーシャは少しだけ言いよどむ。

 告白───それを断ったことを、サーシャは引きずっていた。

 これで良かったのか……その想いがまだ渦巻いている。

 するとタイクーンが言う。


「サーシャ、ボクらはあとから行く。キミは先に行ってくれ」

「ああ、わかった」


 サーシャは立ち上がり、食堂から出る。

 クランから出てハイベルグ王国に続く道を歩く。


「会合……七大冒険者か」


 ハイセ、エクリプス、ヒジリ、サーシャ、ウル、シグムント、エアリア。

 クセのある七人が顔を合わせ、何を話すのか……サーシャは少し緊張するのだった。

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〇S級冒険者が歩む道 追放された少年は真の能力『武器マスター』で世界最強に至る 2巻
レーベル:GAコミック
著者:カネツキマサト
原著:さとう
その他:ひたきゆう
発売日:2025年 10月 11日
定価 748円(税込み)

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
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― 新着の感想 ―
[一言] ハイセは心を病んでそうだから、頑なでもある程度仕方ないにしても、ただ1人で十分な強さでは無いよね。孤高の主人公ならもっと圧倒的な強さが無いと映えない。 サーシャは箱庭でハイセへの気持ちに気づ…
[気になる点] 問題児のエアリアは、他国の王族にも不敬を働くのか? [一言] 7日前に連絡が来るのは遅すぎですね。クレアも初耳の様でしたし、手際が悪いですよ害ストさん。遠征中だったらどうするんですか?…
[一言] もうすぐ300話近い連載作品で終わりも見えてるというのに 人間的に成長しないキャラが多いな・・・ 丸くなったと思ったら思い出したように素っ気無い態度を取るハイセ 最初から断ればいいのに受けと…
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