登場人物紹介その②
〇イーサン 12歳 男
魔族の少年。生まれつき白い肌とツノが一本しかないせいで『呪われた子』と蔑まれ、姉のシムーンと一緒に家畜同然の扱いを受けて育った。
二人の両親に新しい子供が生まれ、十二歳の誕生日にシムーンと一緒に崖から海へ突き落され殺されかける。そのまま奇跡的に潮の流れに乗り、島国アズマに流れ着き、奴隷商人に拾われた。
現在はハイセの拠点である宿で働いている。担当は母屋の掃除と洗濯など。
拾い、救ってくれたハイセと宿の主人には感謝している。
ヒジリの弟子となり格闘技を学んでいる。将来の夢は大工で、宿の壊れた個所を少しずつ修理するのが趣味。
実は、『突然変異態』と呼ばれる、数千万分の一の確率でしか生まれない魔族。内臓や血は秘薬の原料となり、脳は魔族が捕食すればスキルを拡張させる効果がある。
『黒の砦』でスキルに覚醒。人間で言うマスター系能力である『オーバースキル』の一つ『雷神』に覚醒する。全身を雷にすることが可能で物理攻撃を無効化する。イーサンは未熟なので、一瞬しか雷化できない。
〇シムーン 12歳 女
魔族の少女でイーサンとは双子。シムーンが姉に当たる。
親に捨てられ、ハイセの宿で調理や給仕、宿の掃除を担当する。最初は焦げたり味付けがひどい料理しか作れなかったが、少しずつ上手くなり始めている。救ってくれたハイセを兄や父のように慕い、宿の主人のことは祖父のように思っている。
最近はプレセアから薬学を教わっており、本を読むことが何よりの楽しみ。
魔法の腕はイーサンより上。お湯を出す魔法が一番得意で、宿の風呂に湯を張るのはシムーンの仕事。
オーバースキル『創神』に覚醒。無から有を作り出す。対価を一切必要とせず、シムーンが思い描いた物を生み出せる。未熟なので小さな物しか生み出せない。
イーサンと同じく『突然変異態』。
〇フェンリル 0歳 メス
討伐レートE級の魔獣『ウルフ』が突然変異した個体。アルビノウルフという亜種で、純白の体毛に深紅の瞳を持つ美しいオオカミの子供。
通常のウルフは大きくても全長1メートルほどだが、アルビノウルフは最大で全長10メートルを超える巨体に成長し戦闘力も高い。討伐レートはSSに跳ね上がる。
ハイセに救われ、宿屋で番犬として暮らすことになった。世話はイーサンの担当。
〇ヴァイス 年齢なし 女性型
『ドレナ・デ・スタールの空中城』に安置されていた『機械人形』で、正式名称は『娯楽提供シリーズ・type踊り子型ヴァイス』
機械人形であり、人々を楽しませる数々の歌と踊りをインプットされている。一度は破壊されたが、ヴァイスにだけ試験的に搭載された『修復機関』の力で同族を食らい再生。同時にドレナ・デ・スタールで破壊された機械人形たちをも食らい続け電子頭脳を取り込み大幅拡張。さまざまなデータが混ざり合いバグを起こし『自我』を手に入れる。同時に、数千体以上の機械人形たちのデータを取り込み、膨大な戦闘データを持つ戦闘人形となる。だが、根底にある『人々を歌と踊りで楽しませる』という思いは変わっていない。
現れた『七大災厄』の一体を瞬殺し、ドレナ・デ・スタールの舞踏場で延々と踊り続けていたところを、ハイセとサーシャに拾われる。現在はハイベルグ王国にある劇場で歌と踊りを提供している。
スペック上ではハイセとサーシャが手を組んでも勝てる可能性は二割以下。討伐レートに換算するとSSSレート。装甲はヒジリでも再現不可能な材質で、ハイセの銃弾すら無効化する。背中の腰部分に『時の心臓』という永久動力機関がある。
電子頭脳にあるバグやデータの整理をしたが、踊りに流用できると戦闘データはすべて残った。
〇クレア 十六歳 女
〇能力『ソードマスター』
世界に三人しかいない、三人目の『ソードマスター』
出身は極寒の国フリズド。いろいろ事情がありそうだが、今のところ不明。
能力の確認をした時、『ソードマスター』と判明してすぐに行方を眩ませた。なので、冒険者ギルドでは『ソードマスター』が三人いると記録に残っており、クレアの存在は長らく不明だった。
最強になるべくハイセの元へ押しかけ、弟子となる。
魔獣の恐ろしさ、悪しき人間など、冒険者として経験しなければならない戦いを経て成長。
現在、冒険者等級はD級。強さ的にはB級中位~A級下位くらい。
闘気の色は青系。闘気で刀身を作り斬撃に特化したサーシャと違い、闘気を溜めて放出するのに長ける。ハイセの銃をヒントに、闘気の発射を武器として磨いている。
好きな食べ物は塩辛いもの。お風呂も大好き。
ハイセのことを慕っている。あくまで師匠として慕っているらしい。どうなるかはわからない。
〇ラプラス 十五歳 女
〇能力『聖女』
回復系術士が所属する『教会』の新人。教会に所属する回復能力者たちのトップ称号『大聖女』の候補の一人であり、新人ながら優秀。
神の存在を信じているのかいないのか、初対面の人には『あなたは神を信じますか?』と質問を投げかける。俗っぽい趣味があり、お酒が大好き、カードゲームなども大好き。
お金にがめつい一面もあり、金持ちのハイセやその仲間たちの傍にいれば儲けられると踏んでいる。だが、怪我人や病人を見返りなく治療したり、心配したりする気持ちも当然ある。
最近は、ハイセとクレアの訓練に参加。怪我をしたクレアを治療して小遣い稼ぎをしている。
ラプラスが本名。他者に名乗るときは『ラプラス・ドレミファソラティ・ド』と名乗る。この名前を使う理由は、『なんとなくカッコいいから』





