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38 お話し合いですわ③

「全く、困ったものね?そう思わなくて?」

 

 あら?

 返事がありませんわ。


 そう言えば、先程から全く口を開きませんわね。


「ベルバラ、貴女えらく静かですわ……ね」


 私は、チラリとベルバラに視線を向けました。

 あら、見てはいけませんでしたかしら……向かいに座るベルバラの目が思いっきり座ってますわ。


 ベルバラのお母様は、貴族のマナー講師を勤めていらっしゃいますものね。

 彼女自身も厳しく育てられ、貴族とは何であるかを幼少期より叩き込まれていらっしゃいます。あのような人種は論外でしょう。


 今頃頭の中は「ありえなーい」が連呼されているはずですわ。


「………あの」


 あら?


 そんな事を思っていると、ふとヘンリーの重い口を開きましたわ。


「あの、アシェリー兄様、防衛は分かりますが……根本的にあの令嬢をさっさと片付けてしまった方が早いのでは?」


 ヘンリー……貴方、考え方がどんどんお父様と兄様に似てきますわね。

 我が家の血って…はぁ。


 まぁ、その事は、私だって考えましたが……今は無理ですわね。


「証拠……がないからな。だいたい、ギフトにしても、神殿にある「神の器」でしか特定できない。あの神具は神殿から持ち出す事は出来ないし、神殿は国から独立した存在だからな…いくら王族と言えど、神殿には命令は出せない」


 協力申請……なら、何とかいけるでしょうが、それ相応の大義名分がいりますわね。

 あのカチッカチな、頭でっかちの集団ですから。


 って……この発言は、絶対に口に出せませんわ。


「そうですわね。それに「貴族」としてラファエロさんが登録してあるなら、神殿には虚偽の登録がある可能性もありますし」


 「貴族」が神殿でギフトを調べるのは義務。

 小娘はちゃんと貴族として認可された身。


 導き出される答えは、簡単ですわ。


 誰か代役を使ったか、最悪神殿の人間を取り込んだか……。


「全く、迷惑な話だ」


 アシェ、完全に同意しますわ。


 それにしても、神殿での祝福を正常に受けていない時点で、ラファエロ伯爵は神殿と国にウソをついている事になりますわね。

 後が怖い…とは思わなかったのかしら。

 まぁ、クズインと小娘の関係を隠すため…だとは思いますが、祝福は王侯貴族に定められた事です。

 今更「祝福を受けてきなさい」と言ったところで、「既に済んでいる」と言われるのが関の山でしょうね。


 ……ぶっちゃけ、あの家ごと潰れてくれないかしら。

 本当ろくな事してないわね!ピンクって何?呪いなの?

 あー、ムカつく!


 ………あら


 …いけない。


 また前世の私が(笑)


 落ち着くには、お茶が一番ですわぁ~。


 って、あら?ララミー、貴女また私のお茶に回復薬を入れましたわね!

 もしかして、精神を落ち着かせる薬でしょうか?

 さっきカトレアに何か渡していると思ったら…全く、気が利きすぎですわ。


 私はゆっくりとお茶を飲みながら、ララミーに視線を向けると、軽やかにウインクを飛ばしてきましたわ。

 ララミー、貴女…今更ですけど侍女のとる行動ではなくてよ。


 ………主にウインクって。


 …………はぁ。


 まぁ、いいですわ。本当に今更ですし。

 それより会話に戻りましょう。


「まぁ、ヘンリーが言うのも一理ありますわ。何か手立てを考えておいた方が得策でしょうね」


 このまま、何もしないでいる方が問題ですわ。

 あの小娘がどんどん調子に乗って、収集がつかなくなったら困りますもの。


「フィオが言うのはもっともだが、何か証拠が欲しいな。私達が動ける証拠や情報があればいいんだが…………あの女に自ら神殿に行ってもらう……とかは、難しいだろうしな」


 自ら…。確かにそうして頂ければ助かりますが。

 誰かが誘う…とか?


 …………う~ん。


「アシェリー、貴方がひと肌脱がれます?」

「は?」

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