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34 あら?本当に皆様暇なのね。

 面倒な小娘を無視した私は、なんとか始業の鐘が鳴る前に教室に入る事ができました。


「良かった、少しだけど余裕がありますわ」


 遅刻しなかった事で、安堵の息が漏れます。


 それにしても、傍迷惑な女ですわね。

 皆様のご迷惑を考えず、あんな場所でなんて。

 それに……あの小娘、何か引っかかるセリフを吐いていましたわ。


 まぁ、あの小娘自体、転生者ですからね。

 普通とかけ離れた行動に移る可能性は無しにあらず…ですわ。


 さて、とりあえず自分の机に座りましょうか。

 向かいの席のベルバラも手を振られてますしね。

 ………はぁ、本当、先にベルバラに登校してもらったのは下策でしたわ。


「おはよう、ベルバラ」


 自分の机に腰掛けながら、ベルバラに挨拶。

 はぁ、彼女の顔を見て安心したせいで、力が抜けましたわ。


「おはようフィオ。いきなりだけど、貴女噂になってるわよ?」

「何がです?」


 私が席に着くなり、ベルバラは呆れた表情で口を開きました。


 噂?ですか。


 最近色々ありすぎて、どの内容が噂として出回っているのか検討がつきませんわ。

 我ながら、最近話題には事欠かないですから。


「本当、今日の貴女は下策だったわね。私が時間ずらせば済む話だったのに」


 あぁ、先程の「珍事」の事ですか。

 あれは私も心の底から悔みましたわ。

 と言うか、先程の事がもう噂になるなんて、本当、皆様お暇なんですのね。


「あれは、確かに私の落度ですわ。まさかあそこまで頭が悪い方だとは思いませんもの。本当、あの方が転入してからと言うもの、話題に事欠いた日がございませんわ……正直疲れましたわ」


 休日以外、ほとんど毎日何かありますものね。


 元気でよろしいとは思いますが、此方に迷惑をかけるのだけは止めて頂きたいですわ。


「あの令嬢は……もう理解不能よ。私は近づきたくもないわ。それにフィオ……あの女、先日から見当違いな事を風潮して回っているみたい」


 頬杖をついて溜息を吐くベルバラ。

 嫌な予感しかしませんわね。


「あの女いわく、フィオラ嬢は、婚約者がいながらアシェリー殿下を狙っているそうよ?」


 ん?………はい?


「アシェは……ただの従兄弟ですが?何故私が態々そんな面倒な事をしますの?だいたい、ご自分の事は遥か彼方に棚上げされて、私の事をそんな風に言われるなんて……頭大丈夫…ではなかったわね」




「大丈夫だったら、今までのような行動はしてないだろう?」




 って、あら?


 私が溜息混じりに吐き出していると、疲れた表情のアシェリーが教室に入って来ました。

 いつもはもう少し早く登校なさるのに。珍しいですわね。


「アシェ、おはようございます。それから、王太子らしからぬ発言ですわ。そのような愚痴は思うだけになさいませ」


 上に立つものは、プライベート以外では本音を隠さなくては。

 誰が聞いているか分かりませんもの。


「分かってるけどね……はぁ、疲れた。先程、何故か「私に好意を持っていた令嬢達」からフィオの有る事無い事吹き込まれた。あの令嬢が触れ回っている噂に便乗しているんだろうな。お尻が軽いだの、不誠実だの……聞いている方が疲れたよ」


 あら、どうやらこの時間に教室に入ったのは理由があったのですね。

 それはお疲れ様ですわ。


「私とアシェは従兄弟と言う事もあり、幼少期から一緒に育ちましたわ。そんな事を言う方なんて、今まで数え切れない程いらっしゃいましたもの……今更すぎて何とも思いませんわ」


 そう。


 今まで何度も「相応しくない」とか、「近づくな」とか、散々嫉妬に駆られた令嬢方から言われましたもの。

 それが少し多くなった位、へでもありませんわ。


「少し、甘かったかしら?最近は「何」もしませんでしたから」


 皆様、私をナメすぎですわね。

 私は自分の行動が間違いでない限り、引くつもりは一切ありません。売られた喧嘩は買うのみですわ。


 はぁ……怠慢でしたわ。

 最近は面倒で言われるまま無視していましたもの。


 本当、また「お仕置き」が必要なのかしら?


「フィオ……顔」

「あらいやだ。女性にそんな目を向けるものではありませんわ」


 呆れた表情のアシェ。

 まぁ、何を考えているのかは分かりますわ。

 以前、アシェリー絡みで私に攻撃してきた令嬢方がいましたが、完膚なきまでに心を折って差し上げましたからね。


「フィオ………まったく君は。まぁ、程々にね。それと、後で渡したい物がある。君とヘンリー、後ベルバラ嬢にね」


 あら、何でしょうか。

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