それはそれは恐ろしい話だったんた
私は知らなかった
まさかこんなことになるなんて…
「それはそれは恐ろしい話だったんだ」
「…はぁ」
放課後の教室で私、林野凛子は担任の小林隆文先生と二人っきりで話をしている
…確か進路の相談だったはずなのだけど何故か先生の恐ろしい経験についての話になっていた。
「それでな林野には解らないと思うが本当にそれはそれは恐ろしい話だったんだ」
恐ろしいのは生徒の大事な進路相談を無視して恐ろしい話に切り替えた先生です。
「…それで一体何がそんなに恐ろしかったのでしょうか?」
「…林野、いいのか?本当にそれはそれは恐ろしい話なんだぞ聞いたら最後それはそれは恐ろしくて日常生活に支障をきたして最終的には大学受験や就職にまで影響するかもしれないそれはそれは恐ろしい話なんだぞ!!?」
だったら話さないでください。
「先生、じゃあその話はいいんで私の進路の一」
「そう、あれは昨日の話だ」
話すのかよ!!
「岡崎先生いるだろ」
「…髪で顔が見えない(貞●みたいな髪型) 数学の先生ですよね…それがどうしたんですか?」
「実はその岡崎先生がだな…」
これから話す話がよほど恐ろしいのかいつもは見ることはない真面目な顔で小林先生が口を開いたその瞬間、開いていた窓から不気味な軋む音とともにひんやりと冷たい空気が流れてきた
それは今、夏という季節を忘れるほどに冷たいもので静かな教室に軋む音も極まって異常な不気味さを強く感じた。
が
よく見ると窓の上に設置された古いエアコンが動いただけだった。
「それで仕方なく長靴を食ったんだ」
「.......…は?」
エアコンに気を取られているうちに話が終わってしまっていた。
・・・というか何で長靴を食ったの?
岡崎先生と長靴の関連が全く結びつかないんだけど
「長靴を食ったんだ」
「二回言わなくていいです」
何故そうなったのか長靴の下りが気になったけれども小林先生の話はそれはそれは恐ろしい話なんだろうなっとわかるほど蒼白な顔だったから聞く気にはならなかった…そんなに恐ろしいなら話さなければ良かったのに…
「林野も長靴には気をつけろよ」
岡崎先生はどこいった?オイッ
「…もうこんな時間か…先生これから用事あるから林野
も帰りには気をつけろよ・・とくに長靴にはな…」
そう言いながら小林先生は教室から去った
………
「えっと、」
髪で顔が見えない岡崎先生だとか
長靴食ったとか
それはそれは恐ろしい話とか
うるさいエアコンだとかあったけど一番言いたいのは一
「進路相談してけよ!!」
さっきまであった小林先生に対する恋愛感情は一切なく
なった。
だいぶ前に別のサイトに書いたものです
楽しんでもらえたら幸いです