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1.酒場フォンドール


「「いらっしゃいませー!」」


 ヴェルケ王国の中心部アラゴンの街でも老舗で人気の酒場『フォンドール』には、今日もたくさんのお客さんが訪れている。


 ここは私と両親で営んでいる酒場で、美味しい料理とお酒を楽しめるということでいつも店内は忙しい。


「こちらへどうぞ。ご注文は?」

「麦酒と骨付鳥を三つずつ!」

「はい。少しお待ちくださいね。」


 人気メニューは麦酒というお酒と、骨付の鳥肉をたっぷりのスパイスで焼いた物で、他にも煮込み料理や焼き物、野菜を使った料理など割と何でもある。


「ソフィアちゃん、こっちにも骨付き鳥とのキノコのオイル炒めね!」

「はーい!あ、マットさん髪型変えたんですね。似合ってますよ。」

「ありがとう!よく気づいたねー。ソフィアちゃんはいつもお客のことをよく見てくれてるから嬉しいよ。」


 ここは酒場だけど、騎士の皆さんも食事に来ることも多くて私たちを困らせるような柄の悪い人は居なかった。


「こんばんは、ソフィア。今日も頑張っているね。」

「アントン騎士団長さん、今日もお疲れ様でした!今日はお一人なんですね。あと、少しお疲れ気味ですか?」

「そう。今日は忙しかったから……。それでゆっくり食べようと思って一人なんだ。」

「そうなんですね。美味しい料理出しますから元気になってくださいね!」

「ありがとう。麦酒と骨付鳥、それとラムのパイを。」

「はい!少々お待ちくださいね!」


 アントン騎士団長さんはこの街を守ってくれている騎士団の団長さんで、太陽見たいな金髪と吸い込まれそうな青い瞳が素敵な『イケメン』というやつだ。


 アントン騎士団長さん目当てのお姉さんたちも多いほどすごく人気があって、街中に出れば騎士団の制服を着た団長さんは多くの女性の目を引いているらしい。


 今日は一人で来店してるけど、大概は部下の方と毎日のように食事に来ている。


「お待たせしました。麦酒と骨付鳥、それに今日は特別美味しいラムのパイです。」

「嬉しいな。ありがとう。……ソフィア、騎士たちもよくこの店を利用しているからきっと大丈夫だとは思うけど、困ったこととかはないかな?」

「ありがとうございます。皆さんのお陰で困ったお客さんは居ないので助かってます。」

「そう、それならいいんだけど。何か困ったことがあったらすぐに言うんだよ。」

「はい。アントン騎士団長さんにそう言ってもらえるだけで心強いです。」


 アントン騎士団長さんはいつも私に声をかけてくれて、店で困ったことがないかどうか気にかけてくれている。

 この店を気に入ってくれて、守ってくれようとしている騎士団の皆さんには感謝しかない。


「ソフィアー!注文頼む!」

「はーい!」


 今日もフォンドールは忙しかった。





 

 





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