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茜色の恋  作者: かなえ
2/5

☆2☆転校生はイケメン君(2)

「有木…?」


なんで?こんなに珍しい名字で?一緒?しかも漢字まで?

頭の中があふれそうだ。


「おい、『有木』って、お前の親戚?」

「し、知らない…」



本当に、知らない…

偶然?それとも…



必然?





「あ、席、お前の隣かも。」



浩太の情報は…いつも正しいんだ。

本当に隣に来た。朝から、いつもはなかったところに机があって、変だと思ったんだ。



「みんなで、自己紹介をやんないと、有木君、わからないよね?」


教室中からのブーイング。先生はそれを無視して、

「じゃあこっちからね。」

と、テキパキ指図する。


「え〜っと、新井…」




出番はすぐ来る…

「名前」と、「趣味」または「得意なこと」…


「じゃあ、次、有木さん…ありゃ?珍しい!」

今頃気付いたのかよ…


「まあ、いいや。どうぞ。」



「はい…。」


隣で座るイケメン転校生は、つまらなそうに頬杖を突いていた。

なんだ、結構ヤンキーなんだ。

机の下に、漫画が見えた。



「えッと、有木茜です…。

 趣味は…


そこまで言ったところで、イケメン君が顔を上げて、驚いているのが分かった。

顔が驚いている。


「しゅ、趣味は読書です、終わりっ!」



なんだか恥ずかしくて、早口に言った。


座ったとたん、隣から声がする。



「なぁ、お前、有木って言うんだ?」


こ…


声が低い…



とっくに声変りしてるような…



カッコイイ…



え、カッコイイ?

頭の中で、今あたし、そう言った?


「おい、無視るなよ。」


みんなの自己紹介なんて聞いてない。

あんたのためにやってんのよっ!


「そうですけど…。」

「ですけどって何さ。ためでいいっすよ。」


厄介なヤンキーだ。

でも…顔は…カッコイイ…かも…



ほら、また『かっこいい』。



あたしどうしちゃったの?


頭の中で、何回も同じ言葉が出てくる。





今まで使ったことのない言葉なのに…

一回出てくると、止まらなくなる。

頭がパンクしそう。

これも、なにもかも、この『ヤンキー転校生』が悪いんだよ。



まず、名字が同じだともてはやされた。

ヒューヒュー言われて、転校生がキレて、教室をめちゃくちゃにした。

あたしはいい気味だったけど。


次に、班が一緒だから、掃除も一緒。勿論ヤンキー君は、掃除なんかやりゃしない。

ほうきをバットに見立てて、ひとりで素振りなんかしてる。おかげで、集めたごみがみんな風で飛ぶ。

「ちょっと、有木!…あ、悪ぃ…。」


浩太は、もう転校生を呼び捨てにしてた。

だから、二人揃って浩太のほうを向いてしまったのだ。

ああ、最悪!





さらに、もう一つ悲劇が…


「有木さん二人!ちょっと来て。」



先生に呼び出されて、また周りの男子が「ヒューヒュー」言うから、転校生君がキレかかった。でも、目の前には先生。


「有…茜さん。岬君とね、家が近いのよ。だからお願いっ!一緒に帰ってくれる?私が案内したいところだけど、今日会議があって、どうしても…。あ、時間無いっ!じゃあ、頼んだわよ!!」


早口な先生だ。



…ってそこじゃない。


なんで?あたしが?コイツと一緒に帰る??おかしいでしょ!


第一、浩太がいるのに!浩太も、家が近い。

なのに、浩太じゃなくて、女の、あたし??


あたしが良くても、相手が相手だし、嫌がるだろうし…



ってあれ?



「よっ。ヨロっす。」



嫌がってないし…


てか、笑ってるし!


何コイツっ!!



「あの、転校生…あっ!」



やばい…

呼び方が…!!



「は??なんだそりゃ!!オレは有木だぞ!

 …ってあ、そか…

 じゃあ、岬で。」



もう、いやだあああああああああ!!!!!!



読んだら必ず感想をください!!あ、アドバイスとかも…(笑

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