この勇者がウザすぎる(勇者サイド)
今回は、まぁ勇者回ですね。
なんだコイツ!? となるとは思いますが気楽にお楽しみ下さい。
翌日、シュレイド城にて青く長い髪と整った顔立ちの青年が城内を歩み、食堂へと入る。
「フッ、ボク程の優秀な人材は他にいない君もそう思わないか?」
そう城内のメイドに質問をする。
「はい、その通りで御座います勇者様。」
至極当然の応えが返ってくる、それもそうだ誰もが認める最高に格好いい顔立ちと勇者特有の力を持つこのボク勇者スクエンナ・ドッチミーチ様が魔王を倒し世界を救う大英雄になることは約束されたようなものなのだからな。
「中々、豪勢な料理が並んでいるね。」
「はい、腕によりをかけてご用意しました。」
ボクは、豪勢な料理に舌鼓をうちながら国王陛下から聖剣を託される儀式の時間を楽しみに待っていた。
料理を食べ終え、三十分ほど経っただろうか、そろそろ儀式の時間だ。
「さて、選ばれし者の務めに行くかな。」
そう言って、謁見の間へと向かう、ボクは片膝を付き国王陛下に頭を垂れる。
「勇者スクエンナ・ドッチミーチよ、よくぞ来てくれた! 面を上げよ!」
その言葉に応え頭を上げる。
「は!」
頭を上げると国王陛下の隣には、金色の長い髪に澄んだ青い瞳をした女性が布に包まれた剣状の物を大事そうに抱えている。
おそらく、この国の姫様だろう。
「イレーナ、勇者スクエンナに聖剣を」
「かしこまりました。」
イレーナと呼ばれた女性はボクの目の前で立ち止まり、聖剣を差し出す。
この時、ボクは立ち上がり聖剣を手にする。
「これが、聖剣…」
イレーナは、再び国王陛下の隣に戻る。
そして、聖剣を抜くとボクが持ち主であることを主張するかの様に輝き出した。
「おお!!」
と周りの兵士達も魔王討伐への期待感が強くなる。
「当然です、ボクは選ばれし者…勇者スクエンナ・ドッチミーチなのですから…」
その直後、ドゴーンと大きな爆発音が城下町から鳴り響き慌てた様子の兵士が勢いよく謁見の間に入ってくる。
「なんじゃ!? 騒々しい!!」
「国王陛下、申し上げます! 魔族が城下町に現れました!!」
どうやら、直ぐにでも魔族と交戦しないといけないらしい
「国王陛下、ご安心をボクが華麗に魔族を仕留めてご覧にいれましょう。」
「頼んだぞ、勇者よ!」
こうして、ボクの勇者伝説が幕を開ける。
いつも見て頂き有り難う御座います。
次回はリヒターと魔族の戦闘になる予定です。