勇者の嫌味と再会の魔法使い
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見渡す限り、浮かれた人達が目に入るが、とりあえず武具店に入る事にした。
「おぅ、いらっしゃい!」
武具店の店主が、景気良く返事をする。
「このショートソードをくれ。」
「あいよ、800ゼニーだ。」
俺はショートソードを購入し、武具店の店主に訪ねる。
「今日は何かあるのか? ヤケに皆浮かれてるようだが。」
「ああ、勇者様が来るんだよ。」
「勇者?」
「そうだ、今日は勇者様がシュレイド城にて
聖剣を託されて魔王討伐の任へと就くのさ。」
その瞬間、店の外側から黄色い声援が聞こえてきた。
「きゃー、勇者様よー!」「こっち向いてー!」
等々、気になり店の外に出ると長い髪を片手で掻き上げながら
周りからの声援に応える様に手を振りながら顔立ちの整った青年が道の真ん中を堂々と歩い来る。
「あれか、妙に好かれてるんだな。」
そう思っていると勇者は俺の前で立ち止まり、品定めをするような視線でジロジロと観てきた。
「な、何だよ……。」と、タジタジになりながら聞くとそいつは、俺を馬鹿にしたような口調で蔑み始めたのだ。
「はっ、可哀想な奴だな! ボクと違って選ばれなかった奴がシュレイドに来ているとはな!」
「は?」
「おっと機嫌を悪くしたなら謝るよ、明日になればボクは世界が認める勇者として聖剣に選ばれるんだからな!」
「敗北者としての気分を味わいたいのなら、シュレイド城へ来てみるといい、お勧めはしないがな!」
そう言って、勇者はシュレイド城へと歩み始めた。
その後、城下町の人々からは俺を哀れな人として見ながら陰口を何故か聞こえる声で言い始める。
「あの人、自分が勇者だと思い込んでこの国にきたの?」
「えー、それチョー恥ずかしくない!」
「でもさ、勇者様に指摘してもらって良かったじゃない国王陛下の前で恥さらさなくて。」
俺は勇者の後ろ姿を見ながら思った。
(あんま、関わりたくねぇ…)と、そう考えていると背後から怒りで荒げた声が聞こえてきた。
「何なんですか、あれ! 失礼過ぎませか!?」
後ろを振り向くと、先程盗賊達から助けた女性魔法使いのロゼがいた。
「あれ、君はさっきの。」
「はい、実はリヒターさんにお願いがありまして」
「お願い?」
先程の勇者に怒っているのか、顔を赤くしながら言ってきた。
「アタシをリヒターさんの弟子にしてください!」
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