弾幕ごっこ(と、取材)中編
どうも、狗井です。
弾幕ごっこを書きましたが、主人公が強過ぎて、躱して、スタミナ切れを狙っている感じなってしまいました。
弾幕ごっこ。それは妖怪と人間の力量差を埋める為に考案されたスペルカードルールに基づいたものであり、相手を殺す為に行われている戦いではない。具体的にはわざと隙間が作られていて、避ける事が可能な弾幕が放たれている。本来の"命を掛けた妖怪退治"を擬似的に再現した決闘のような物のことである。そう、擬似的に再現した決闘なのである。そして俺は勝負事なんかだと勝ち以外何も望まなかった。だからこれから始まる魔理沙との弾幕ごっこという名の、決闘では勝とうと思っている。
「おい狗井!ルールだがなスペカは二枚、被弾は三回までだ。良いな!」
「へいへい、分かりましたよ。魔理沙さん。まっ、どうせ一枚使わせるのが関の山だろうけどな。」
(ちなみに三対一でも魔理沙は良いと言ったが、流石にそれは俺でも可哀相だと思ったし霊夢からもやめておくよう言ってたので一対一になった。俺、山田、三沢の順で。)
「はあぁ〜!?舐めてんのかテメェ!よ〜しそこまで言うなら多少は本気を出してやるよ。」
そう言うと魔理沙は箒に跨がり少しだけ浮いた。
(へっ、どうせ外の人間がそうやすやすと私の弾幕を避けられるわけがねぇ。それにこちとら空から一方的にやれるんだ。負けるはずがねぇ!)
と魔理沙は心の中で思っていたが狗井にとっては、
(うわ〜さすが借りパクの魔女。やっぱ少しだけ姑息だわ〜。てか自己紹介の時、俺の能力言ったよな?頭の理解やばいんじゃねぇの?)
と自分の能力で魔理沙の心を詠んでいた。
「お〜い霊夢!お前をこんな奴らにやらねぇように頑張るからなー。応援してくれよー。」
「だ〜か〜ら!私はあんたのじゃないって!てか、あんた達二人は狗井のこと応援しないの?」
「いやそれよりも魔理沙が今日のこのことをトラウマにしないことを祈ってる。」
「それにあいつ応援とかされて期待されるのあまり好きじゃないし。」
「えっ!おい山田!俺そんなこと知らなかったぞ。いつ知ったんだよ。」
「半年ぐらい前にぼそっと言ってた。自分でも気付かないくらい自然に無意識に出てきたことだったらしい。」
「おいこら山田!いらんこと言わんでええけん。おい文!」
「は、はい。」
「条件追加だ!これからの三つの弾幕ごっこはネタとして使え。後これ終わったら羽根、触らしてもらうからな。」
「あっ、はい!もちろんがっつりネタとして使わしてもらいます!」
「おい良いのか?自分達が負けるとこをこの幻想郷に広めちまって。」
「はん、寝言は寝て言えってんだよ。」
「なっ!?くそ、いくぞ!」
そう言うと魔理沙は勢い良く上へ飛び狗井から高さ約15mの所までいった。
「はん!あんなことを言ったのを後悔させてやる。」
そして魔理沙の周りから無数の弾幕が上から狗井に向かって打ち出された。
狗井はそれを平然と右へ、左へ、前へ、後ろへとぎりぎりで躱していった。傍から見れば、紙一重や間一髪といった感じだろう。だが、見る人から見ればそれはある種の達人の域にある境地のようなものに見えるだろう。動きは決して素早くない。なのに確かに速い弾幕の中、一発の被弾もなく回避している。
数分後、魔理沙は疲れた様子で、
「ハァハァ、おい避けてばっかじゃだめなんじゃないのか!」
と言い出すと狗井は余裕そうに、
「んじゃあいっちょ反撃といきますか。」
と言うと狗井の左右の腰辺りに黒いもやが生まれそれが晴れるとそこには銃が入った左右一つずつの計二つのホルスターがあった。右にはベレッタM92が左にはM1911があった。
だが幻想郷には銃についての知識がないのか、
「なんだそのちっせえのは。そんなのよりぜってぇ私の八卦炉の方が使えるだろ。」
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「あっ、まずい。」
「んっ?何がまずいのよ。」
「何でしょうー。さっきまで魔理沙さんがしたことで何かまずそうなことは…。あっ、あれを貶したことですかね?」
「はい、まぁ、あれは銃と言うんですが詳しい説明はさておき、あの二丁の銃は狗井のお気に入りなんです。」
「へえ〜そうなの。…ってえっ、まずいじゃない!」
「説明ありがとうございました三沢さん。あと霊夢さん何がまずいんですか?」
「あのね、文。彼の能力は聞いたわよね。」
「はい。たしか≪具象化する程度の能力≫でしたよね?具象化って一体何なんですか?」
「簡単に言うとね森羅万象、理、事象や現象を操るってことよ。」
「はい?あはは嘘言わないでくださいよ霊夢さん。冗談にも程がありますよ。」
「いいえ文。あの狗井の能力は本物だしさっき言ったこともできるはずよ。」
「えっじゃあもし狗井さんがこの幻想郷に対して何かしようとしたら…。」
「ええ。抵抗出来るわけないし破壊か消滅かもしれないわ。そうなった時、きっと私達にはどうすることも出来ないでしょうね。」
「えっじゃあ、魔理沙さん死ぬんじゃ…。」
「あっそこは大丈夫です。あいつも遊びでやってるでしょうしそこまでは。でも最初も言いましたけどトラウマにはなるかもしれませんね。」
「まぁ死んでも俺が時を操って生き返らしますよ。」
「「あっはっは。」」
「とりあえず見守りましょう。」
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別に殺したり、幻想郷を壊したりはしませんので、安心してください。
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