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幻想入りした最強 〜強すぎる三強〜  作者: 狗井
第一章 幻想入りした高校一年生達
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山田の職場 後編

今日は珍しく後書きがあります。

あれから数時間が経ち、もう昼時である。


「阿求、もう昼時ですから一旦休憩しないか。それに丁度、ここは草原の端っこなんで木陰でゆっくりしないか。」

「…あっ、はい。なんですか?……あっ、ごめんなさい。もうそんなに、経ってたんですね。それじゃあお昼にしましょうか。」


そして俺達は、木陰に座ると、俺は自分のリュックから弁当を取り出した。阿求のほうは……


「あ、あれ?おかしいな。あたし、ちゃんとお弁当作っ…てない!あー、しまった〜。山田さんのことで頭がいっぱいで忘れちゃったー。」


…どうやら、お昼ごはんがないらしい。確かにあんな短時間で出来たのかとか、器材の大きさ的にあの鞄に入っているのか怪しかったが…。


「あー、要るか?この量はちょっと多いし、どうやら弁当も忘れたみたいだしな。」

「あ、いえいえ。大丈夫ですよ。これくら…グウウー、い何てこと…。」


そう言っていると阿求のお腹からそんな音が聞こえてきた。

…あっ、阿求の顔が赤い。…可愛いなー、おい。


「アハハ、ほら。そんなこと言わずにどうぞ。」


そう言って俺はおにぎりを渡す。阿求にとっては少し大きいかもしれないがそこらへんは我慢してもらう他、ないだろう。


「す、すいません。それじゃあ、お言葉に甘えて…。」

「あっ、すまん。それ、確か梅干しが…。」

「〜〜〜!!す、」

「す?」

「酸っぱすぎますー!!?」


そしてけほけほ、と若干咽ているので急いで水筒を渡す。そして阿求はそれを勢いよく取り、ごくごく、と飲んでいった。


「山田さーん。」

「あぁ、うん。まぁ、ごめん。まさか、そこまで酸っぱい系がだめだとは…。えっと、こっちは。」


そして俺はまだあるおにぎりのうちの一つを手に取り、一口食べる。


「おっ、こっちは鮭だな。阿求、こっちなら食べられるよな。」

「はい。鮭ぐらいはさすがに。」

「なら、交換しようか。」

「えっ?」

「いやだから、交換だって。そのまま、食べないってうのはもったいないからな。」

「それはまぁ、そうですけど…。(間接キスじゃないですか…。)」


阿求の顔が赤い。おそらくは俺との間接キスが恥ずかしいのだろう。だが、そんなものはもうしている。


「あー、阿求?間接キスならもうしてるからな。今更、恥ずかしがっても遅いぞー。」

「え?嘘、いつの間に…。」

「いや、いつの間にって…。さっき俺の水筒、飲んだでしょ。」

「…あっ。」


阿求がそう言って数秒後、阿求の顔がイクラのように真っ赤っ赤になる。やはり、気付いていなかったようだ。


「はわわわわ。私、山田さんになんて事を。こんな嬉し、いやいやひどいことをしたなんて…。もう、お嫁に行けない。」

「むっ。それは少し心外だな。別に間接キスの一つや二つ、どうって事ないんだが…。それに…阿求は俺が貰う。そうだろ?」


最後はかなり臭い事を言ったが、阿求は何も思っていないようだ。いや、少し違うな。照れてはいるようだ。


「ほら、阿求さん。いい加減、食べませんか。」

「そ、そうですね。そうしましょう!」


そう言うと、阿求は急ぐように食べだした。そこからは、多少山田が話を振ったが、そこまで会話という会話にはならなかった。

そして、山田の弁当は食べきってしまった。


「「ごちそう様でした。」」

「いや〜、いい食べっぷりだったな。阿求。」

「え、ええ。そりゃあ、もう。アハハ。(………言えない。そりゃあ恥ずかしくて話せなかった事もあるけど、美味しすぎて夢中になってたなんて…)」

「さてと。これからどうする?そろそろ帰るか?それともまだ続けるか?」

「あー、どうしましょうか。…そうですね。そろそろ帰りましょう。資料の片付けもあることですし。」

「あぁ、そういえばそんなこと言われたような…。」


そう言いながら、俺達は立ち上がりまた向かい合う。


「あ、あの。」

「ん?どうした。」

「こうやって、毎回毎回向かい合わないとだめなんですか?」

「んー。だめって訳じゃないけど…。でもなー、こうやって手を繋がないと出来ないから、こうやった方がなー。まぁ、別に嫌ならやめるけど。」

「あ、いや。別に嫌なわけじゃ。」

「ほんじゃ、そろそろいくよ。目、閉じとけよ?」


そして山田は阿求が目を閉じた事を確認すると、能力を発動させ元の幻想郷へと帰って来た。


「よし。もういいぞ。」

「あ、ありがとうございます。あのー、ちなみになんですけど。」

「ん?どした。」

「あのさっきに移動?している時に目を開けるとどうなるんですか?」

「え、あー、うーん。さぁ?」

「いや、さぁって…。」

「いやさ?俺は何度もやった事あるから目を開けてもなんともないけど、お前や他の誰かだったら、かなり酔うか、下手したらヤバイことになるか。」

「…ヤバイ事とは?」

「んー。時空の狭間に落ちるか、その瞬間に存在しなかった事になるか?」

「ヒッ!も、もうやめてくださいよ。そんな冗談。……冗談ですよね?」

「さぁな。でも、試そうなんて考えるなよ?」

「……はい。それは百も承知です。」

「んじゃ、その資料の片付けでもしますかね。」

(拝啓、これまでに転生してきた皆々様。どうやら私は色んな意味でとんでもない人とお付き合いすることになりました。)


阿求は気付いた。気付いてしまった。もし、先程山田が言ったことが本当なら、誰かを消すことが触れるだけでできてしまうからだ。はてさて、この二人の関係はどうなることやら。

山田はこれまでに誰かを消そうとかしたことはありません。そして、目を開けたとしてもそれを体感しているのは山田だけなので、阿求からしたら一瞬で風景が変わったように見えるでしょう。まぁ、多少なら酔うかもしれません。

後、別にこの二人を別れさせることはありませんので、ご注意ください。

長くなりましたが、これまで読んで頂きありがとうございました。

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