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第2話 これから旅に出ようと思う

「どうか君のその雷神の力で世界を1つに。」


「ま、俺のランクを知ってる時点でその事も知ってて当然だわな」


 俺には魔法の才能が無かった。


 そもそもこの世界には、3つの見えざる力が存在する。

 魔力・気力・霊力である。

 この3つの力にはそれぞれ特徴がある。

 その大きな特徴が〔どこにその力が存在するか〕である。


 魔力 体内と体外に存在する。

 空気中に存在しているので、呼吸をするだけで、微量ではあるが魔力を蓄える事ができる。

 体内の魔力で空気中の魔力に干渉し、魔法を繰り出すのである。

 強力な魔法を行使するには、相応の魔力量が必要になってくる。


 気力 体内のみに存在する。

 体の中の気感じて(血液の流れを感じろと教えられる)練り上げる(心臓に流れる血液に力を込めるイメージ)それを体の表面に覆ったり、放出したりする。体の表面を気で覆うと、打撃や防御力が格段に上がる。(ハン○ー×ハン○ーの念能力と思って貰えればいい)

 気はその量と質によって、効果のほどが変わってくる。


 霊力 体外のみに存在する。

 言霊を用いて、霊界(神がいる世界 神界とも呼ばれる)より力を一時的に借り受ける。

 メジャーなのは、名前を持たない下級精霊や過去の偉人達、何か代償を支払い悪魔を使役しているという者までいる。

 これらの力を借りるには、その霊界のものとの契約が必要になる。

 名のある上級の精霊や悪魔、神格を持つ神などとはおいそれと契約はできない。

 条件が難しいだけでなく、契約不成立の場合命を取られる事だって珍しくないからだ。

 その代わり手にした力は莫大なものとなる。


 俺は魔力量・気力量ともに物心ついた時には、すでにAランクに到達しており、周りの連中は大いに俺に期待した。

 しかし、上手くは行かなかった。

 体内の魔力で外の魔力に干渉させると言うのが、俺にはどうにも理解出来なかった。

 もちろん努力をしなかったわけではない。むしろ努力は人一倍、いや人十倍は努力したと自負している。

 なのに、一向にできない。

 魔法の才能は魔力量と干渉させるスピード、魔法を構築させる正確性で見られる。

 干渉させるスピードもなにも干渉できない俺は凡人以下、魔法が全てでは無かったが、生活にしろ戦闘にしろ魔法は他の力より使い勝手がよく、一瞬にして強力な攻撃を打てるため世界は魔法を重宝していた。


 そんな思い出したくない思い出にふけっていると、百瀬 百合はまるで俺の心中を読んだかのように


「しかし、君は賭けに出た!成功例は未だ10件にも満たない神格を持つ神との契約、相手は人種族が北欧神最強の一柱⦅雷神⦆トール!」


 そう、俺は親父の伝手を辿って雷神のゆかりの地スウェーデンに行き⦅雷神⦆トールと契約を交わした。

 如何にして交わしたかは後で話そう。


「そんな君なら他の種族もきっと耳を傾ける!君が神に賭けたように私百瀬 百合は世界の命運を君に 御堂 恒に賭けるわ!」


「しかし、俺にメリットは」


「成功の報酬は君のお母様に関する情報ってのはどう?―――ッ!!」


 その言葉を聞いた途端、俺は一気に頭に血が上り、右手に雷神のイカズチを宿し、百瀬 百合の首に突きつけた。


「お前らが母さんを攫ったのか?」


 自分でも驚くくらい低く冷たい声だったと思う。


「ち、違うわ!!私はただ椎名様の力を使って、君のお母様に関することを教えようと」


 ぶるぶると震える百瀬 百合の声を聞いて我に返った俺は一言謝り、右手のイカズチを解いた。


「悪かった。母さんの事になると周りが見えなくなって、これも雷神の加護かな?ははは。」


 雷神は短気だったし、仕方ないよね?


「………マザコンが。」


 ボソっと何か聞こえた気がしたが、気にしない気にしない。


「話を戻そう。他種族との協力を取り付ければ、母さんの情報をくれるんだな?」


「…えぇ。」


 未だ涙目な百瀬 百合がそう答えると、俺の心は決まった。


「わかった。どうせ協力を仰ぐなら4種族連合軍でも発足させちまうか。」


「ほ、ほんとですか!ありがとうございます!」


 さっきまでの涙目とは一変、花咲き誇る美しい笑顔になっていた。


「長旅になると思いますので、この子をお連れ下さい!」


 そう言い出てきたのは、短く綺麗に切り揃えられた銀髪が特徴的なパッと見女子高生くらいの女性だった。


「この人は?」


「この子は ルルー・ランゲージ。人種族とエルフとのハーフです。固有能力は[瞬間移動]です!」


(また固有能力者か…。以外といっぱいいるのかな。)


「……よろしく。」


「基本無口ですが、ランクがA+実力は折り紙つきですよ!」


「ん?じゃあ、先の電話に出た瞬間にこっちに来たのは、この子の力か?」


「半分ピンポン!ですね!先程のは、ルルーともう1人別の方の言わば合体技みたいなものです。ルルーは自分と触れている人や物しか一緒に移動できませんから。」


(合体技なんてあるのか!?でも、1人で好き放題瞬間移動できたらそれこそチートだな。軽くS+は行くだろう。)


「まぁ、何はともあれこれからしばらくよろしくな!ルルー!」


「……はい。」


 しかし、天神族が攻めてくるまで300年もあるのに今から動くのか。

 まぁ、協力関係を築くのに早いに越したことはないな。


コメントよろしく〜。

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