プロローグ
処女作です。
気長に書いてきます。
世界は5000年を周期にある種族によって壊されて来た。
村ができ、町ができ、世界が戦争や貿易によって繋がり、高度な魔法技術や科学技術が発展し、世界は新たな扉を開こうとする度に 滅ぼされて来た。
【天神族】によって
「え〜っとですね。つまりこの世界は102回ほど壊されては創り直されてるんです。」
そう唐突に驚愕的な話を始めたのは人種族代表 神樂坂 椎名である。
彼女は若干20歳ながら極めて高い頭脳と類稀なる能力で人種族の代表という地位にある。
その能力とはある魔眼を指す。
その魔眼は⦅浄眼⦆と呼ばれ、あり得ないものを視る事が出来るらしい。
彼女はその魔眼で未来と過去を視る事が出来る。
故に人種族代表 故に⦅姫巫女⦆と呼ばれてる。
「して姫巫女や、その天神族とやらが次に迫るのはいつなのかや?」
そう問いかけたのは、亜人族代表 ハイエルフのリリーラ・クトネシリカ エルフ族の女王である。
「およそ300年後ほどだと思われます。」
「曖昧な答え方だな。」
そう言葉にしたのは、魔族代表 ⦅死王⦆クードルフ ⦅魔王⦆バゼルギウスの直近の執事である。
「仕方ありません。未来はあくまで予定の話なのです。ですが、このままではこの世界は確実に壊されるでしょう!」
「ふ、フハハハハッ!そのような天神族なる輩どもは我ら竜人族が返り討ちにしてくれるわ!」
そう豪語したのは竜人族代表 ⦅龍帝⦆ジン ⦅龍神⦆ゼラの腹心である。
「それは叶わないでしょう。分かりやすくランクでお話しましょう。」
ランクとはこの世界でその者の強さを表すアルファベットF〜B そこからB+,A,A+,S,S+,SS,SS+,SSSと細かく13階位によってわけられている。
この世に生まれ落ちて直ぐに美しい女性の声で自分のランクを教えてくれて、上がるたびに囁いて教えてくれるのはこの世界1番の常識である。
その声の主は判明していなかったが。
「私の浄眼で見た過去の世界から予想すると、種族値はB+かAにも届きうると思います。」
「なんと!?それは真なのか?我々竜人族ですら種族値Bが上限だと言われているのに。」
種族値とはその種族全体の平均ランクである。
赤ん坊からお年寄りまで含まれているため、種族の数が多ければ多いほど、種族値は低い傾向にある。
ちなみに人族の種族値はEである。
「それで?天神族はおよそ何億人いるのじゃ?種族値がそんなに高いのであれば数もたかが知れてるというものよな。」
「せいぜい10億くらいだろうな。」
「………。」
姫巫女の口元が震えている。
「もったいぶらずに早う教えんか」
「………1ち…です。」
「声が小さくて聞こえないぞ姫巫女」
「……………1兆です…。」
長い沈黙の末ようやく聞こえた声には1兆というおぞましい数が一同の頭の中を反芻する。
そこで俺は世界初の4種族代表大会議 通称サミットが中継されていたTVのスイッチを消した。