訓練開始
評価、感想、指摘、随時募集中です。
下着姿で寝てた。
まぁ、冷静になって考えればおそらく寝間着がなかっただけだろうけどな。
とりあえず広を起こすか。
「おーい、起きろー。朝だぞー」
「ぉーぅ」
随分と声が小さいな。
そういやコイツ、朝が苦手だったな。
まぁいいや。まずは服を着よう。
俺は広が寝ている間に昨日くすねてきた他の下着に着なおして、近くのテーブルの上に置いてあった服をきる。
そして、化粧台の様な物のひきだしに入っていた櫛を使って髪をとく。
鏡で確認して、
「うし、だいじょぶだな」
それにしてもこの髪すごいな。
これまでのくせ毛は何だったんだってぐらいさらさらだぞ。
自分の髪に感動していると広が起きる。
「うーっす、おはよー。もう準備してたのか」
「今終わったところで、自分の髪のさらさら具合に感動してたとこだよ」
「あー、そういや結構くせ毛だったもんなぁ」
「あの頃は寝ぐせ直すだけでも大変だった・・」
そういえば、と続ける。
「昨日の夜どうなったの?途中から記憶がなくて気が付いたら朝だったんだけど」
「あぁ、真宙ワイン飲んでただろ?あれで酔いつぶれたんだよ」
「マジか、そんなに飲んでなかったんだが」
「いつの間にか俺の分まで飲んでて、そのころには呂律が回らなくなってたぞ」
「てことはたったの二杯で酔いつぶれたのか・・・」
「俺のいないところで酒は飲むなよ」
「あぁ、気をつけるよ」
そして、雑談をしながら広も準備を始める。
広の準備が終わり少しすると、ドアがノックされる。
「見てくるよ」
そう言って広は扉に向かう。
「時間になりましたので訓練場に案内したいと思います。準備はよろしいでしょうか?」
そんな声が聞こえた。
男の声だったので、おそらく騎士さんだろう。
「つれを呼んで来るのでちょっと待っていてください」
と言って広が戻ってくる。
「時間だってさ。訓練場に案内するってよ」
「うん、聞こえていたよ。それじゃ、行こうか」
二人で騎士さんのもとに行き、案内に従う。
一度外に出て、城壁内部にある騎士寮にある訓練場に向かう。
「ここは騎士たちがいない間は自由に使っていただいて構いません。中に騎士長がいますので詳しいことは騎士長に伺って下さい。それでは私はこれで失礼失礼します」
そう言って離れていく騎士さんにお礼を言って中に入る。中に入ると訓練場の真ん中で騎士長と思わしき人が手招きしている。
近づくと話しかけてきた。
「俺はこの国の騎士長を務めているエオルンド・オルギスだ。早速だが一つ質問させてもらう。お前たちはここに残り力を身に着けるか?それともここから出るか?もちろんここを出ても生活の保障はしよう」
「「残ります」」
俺と広は声を揃えてそう答える。
「そうか、わかった。なら、あそこにいる仲間たちの所に向かうといい。時間になったら訓練を始める」
言われた通りに先に来ていたクラスメイトの所に向かう。
そこには、安田さんと井村さんがいた。
「おはよう。広くん真宙くん」
「二人ともおはよー♪」
「あぁ、おはよう」
「おはよう、二人とも」
挨拶されたので俺、広の順でかえす。
四人で喋っていると、どうやら全員終わったようだ。
騎士長がこちらに来て話始める。
「正直いって俺は半分ぐらいはここを出ると思っていたんだが全員こっちを選んだな。それに勇者だからと浮かれてる奴がほとんどいないことにも驚いている。まぁ、まともな奴が多いのはこっちも助かる。それじゃあ、時間がもったいないから早速訓練を始めるぞ」
そういって、皆を訓練場の真ん中に誘導する。
「さて、まずはお前たちが戦士系か魔法使い系のどちらの適性があるか確認する。頭の中で『ステータス・オープン』と念じてみろ」
遂にきたか。
てか、念じるだけでよかったのかよ。
周りを見てみると皆、何もない場所を真剣に眺めている。
そこにステータスが映っているようだ。
一応、自分のも見てみたが特に何も変わっていなかった。
「さて、そこに天職っつー場所があるはずだ。そこに書いてあるのが戦士系なら、あそこに置いてある支給品の軽装と自分の職業に合いそうな武器を選んで、男はあっちの休憩所、女はあそこの備品室で着替えてこい。魔法使い系の奴も同じで、支給品のローブと杖、ほしい奴は短剣も持っていけ。着替える場所も戦士系の奴と同じだ」
説明が終わると皆が動き出す。
俺は、ローブと杖そして短剣を二本とって備品室に向かう。
短剣は何かあっても隠して持てるので広の分もとっておいた。
着替える途中に「ちぎれろ・・」とか「はぜろ・・」とか聞こえたが触らぬ神に祟りなしだろう。
途中で、安田さんと井村さんと合流できたので一緒に訓練場に戻る。
戻りながら、
「二人は天職なんだったの?」
と聞いてみた。
「私は狩人だったよ」
「あたしは魔法使いってかいてあったー」
安田さんが狩人で井村さんが魔法使いだった。
「真宙くんはなんだったの?」
安田さんが聞いてきた。
「俺も魔法使いだったよ」
しまった、聖女というのを隠そうとして咄嗟に魔法使いと答えてしまった。
魔法使いって事は攻撃できないとまずいよな。攻撃魔法を覚えないとごまかせないぞ。覚えられなかったら・・・正直にいおう。
「へぇ~、じゃああたしと同じだね♪一緒に頑張ろうね、真宙ちゃん♪」
「おっ、おう。よろしくな」
動揺してついどもってしまう。
まずいぞ。早急に覚えなければ。
訓練場に皆集まると、騎士長が話し始める。
「次の訓練からは自室で着替えてからここに来るんだぞ。その支給品はお前たにやる。だが、もっといいやつが欲しいなら金を貯めて自腹で買え。たまに休暇とかあるはずだから金があれば街に出で買いに行くといい、ここは王都だし値は張るがいいのがあるだろ」
休暇があるのか、これは嬉しいな。なにか会ったときに逃げられるように街の構造は調べておこう。
「さて、戦士系の奴は俺が担当する。魔法使い系の奴はあそこのローブ着た女のとこに行け、あいつが担当だ」
そういって戦士系の人を訓練場の一角に連れて行った。
安田さんは戦士系だったので、井村さんと魔法使い系のメンバーと担当の人のもとに向かった。
「それじゃあ、わたしがみんなの担当をすることになった魔法師団の団長のメアリー・アウザーよ。よろしくね」
魔法師団長を名乗る赤髪の美女が自己紹介をしてきた。
「それじゃ、早速訓練に入りたいんだけど、まず、覚えてほしいスキルがあるの。これがないと魔法が発動しないのよ」
そう聞いて、何人かがざわつく。
「あんまり警戒しないで?このスキル自体は簡単に覚えられるから。う~ん、それじゃぁ」
と言って、俺たちを見回す。
「それじゃあ、あなたにしましょう!ほら、こっちへ来て♪」
俺に手招きしている。
マジか。
「あなた、名前はなんて言うの?」
「マヒロ・アイザワです」
「それじゃあマヒロちゃんね♪さぁ、手を出して」
俺は言われた通りに手を出すと、その手を握られる。
「今から魔力をあなたに流すからそれを体の中で動かしてみて?」
そして、手から何かが流れてくる。
これを動かすのか・・・お!できたっぽいぞ。
「ね?簡単だったでしょ?ステータスに魔力操作のスキルがあるはずだから確認してみて?」
そう言って手を放し次の人を呼ぶ。
どれどれ?
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name.真宙・逢沢 (あいざわまひろ)
種族 人族
Level.1
HP 120/120
MP 40/40
状態異常・なし
天職.聖女
筋力 7
器用さ 10
素早さ 16
賢さ B
運 B+
パッシブスキル
経験値UP・聖なる光
アクティブスキル
光魔法Lv.1・空間魔法Lv.1・念動魔法Lv.1・魔力操作Lv.1New
称号
勇者・聖女
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ふむ、確かに増えている。
他の人も順調に覚えているようだ。
こうしてそれぞれの訓練が始まった。
最近、暑くなってきましたね。
体調には気を付けてくたさい。