セドリック王国
まだ3部までしかあげてないのにブックマークしてくれている人が予想より多くいてすごく嬉しかったです(*^-^*)
始めて感想をもらったのですがそれを見てニヤニヤしてしまいました(*^-^*)
感想、指摘、評価お待ちしてます(^^)/
謁見の間に入場した。
ん?いま勇者様御一考って言ったよな、
やっぱり召喚されてたのか。
かるく周りを見てみるか。
広さは倒れてた部屋と同じくらいか、天井はあそこより低いな。
謁見の間って聞いてたからてっきり偉そうな人いっぱいいるのかと思ってたが、いないな。
いや、一人だけいるな、正面の王様と思わしき人の脇におっさんがいる。
それ以外にも人はいるがみんな鎧を着ている。ローブを着てる人もいるな。
でも、ここまで案内した甲冑のひととはちがうな。
膝裏にかからない程度のマントのようなものをつけてる。
武具も何だか強そうだ。近衛騎士ってやつかな?
ちょうど一通り見まわしたところで王様と思わしき人が口を開く。
「よく来てくれた勇者たちよ。我の名はテュリウス、セドリック王国の国王である。
まずは、いきなりこの世界に呼んでしまったことをこの国の代表として謝罪しよう」
この国王、頭はさげてないがあやまってきたぞ。
ていうかやっぱり国王だったな。
「ここに呼んだのは、いま君たちがおかれている状況を説明するためだ。言いたい事があるとは思うがまずは話を聞いてほしい」
やけに腰のひくい話し方だが、存在感が半端ないな。
これが一国の王の風格か。
「まず、ここはセドリック王国の王城だ。君たちはこの国の勇者として召喚された。勇者を召喚した理由だが、異界から侵略してくる魔の者どもの侵略を食い止めてほしいのだ」
ん?魔王を倒せとかじゃないんだな。侵略を阻止じゃなく食い止めてほしいってことは、もう侵略され始めてんのかな?
「魔の者とは、300年前にも一度侵略してきた事がある。当時はその時召喚された勇者とともに侵略を食い止めたのだ」
てことは、また攻めてきたのか。
「この国は”召喚の間”、つまり君たちが召喚されたあの部屋を中心に当時の勇者が建国した国だ」
え?それってつまりその勇者は何等かの理由で送還されていない、もしくは”送還できなかった”?
「ん?そこの者どうした?」
山崎先生が手を挙げている。
「発言よろしいでしょうか?」
「名は、何と言うのだ」
「山崎と申します」
「では、ヤマザキの発言を許可する」
「発言の許可、感謝します。では質問ですが、わたしたちは元の世界に帰れるのでしょうか?」
うわ~、いきなりそれ聞いちゃうのか。
まぁ確かに、一番知りたいことではあるけども。
「おそらくできない」
ん?おそらく?
「おそらくとは?」
あっ、山崎先生が聞いてくれた。
「少なくとも先代勇者が送還されたと記された文献は見つかっていない。送還する方法があったとしても我々は知らない」
それって無いのと変わらないじゃん。まぁ、こんな体じゃ帰れないから俺には関係ないな。
帰り方が分かったとしても俺が帰らないと言ったら広は残ってくれるかな?
「そう・・ですか・・・。つづけて質問よろしいでしょうか?」
「かまわないぞ」
「わたしたちが協力しなかった場合は、どうなるのでしょうか?」
「協力しない者が、”戦う気が無い者”を指すのであれば我々はどうもしない。こちらの事情で君たちを呼び出してしまったのだからこの国の中でなら生活の保障はしよう。だが、協力しないのであればその分、魔の者からの侵略でこの世界は危険になる。どちらの方が安全かは、我には判断しかねる」
それってつまり、この世界で安全に余生を過ごしたければ協力しろってことか。
遠まわしな脅しじゃん。
でもまぁ、選択肢をくれるだけ良心的かな?
「最後に質問よろしいでしょうか?」
「あぁ、大丈夫だ」
「では、協力する者に対してはどの様な処置をとって下さるのでしょうか?」
「協力する者に関してはしばらくこの城で生活してもらい、この世界で必要な知識を身につけたり戦闘訓練を行い戦いに必要な能力を身につけてもらう。またその場合、騎士たちと同じだけの給料もでる」
「そうですか。質問に答えていただきありがとうございました」
「うむ、それでは今日はもう疲れているであろう。この後、騎士たちに各自の部屋に案内させる。その後、夕食の時間になれば、城の侍女たちが知らせにくる。侍女の案内に従って食堂へ行くといい。明日の朝、訓練場に集合しだい協力するか否かの返事を聞くことになる、それまでに決めておいてほしい。我からは以上だ」
誰かしら喚いたりするかと思ったが、この反応だとおそらく頭がついていってないな。理解できた奴らも何か言う前に、先に先生が聞きたいこと聞いちゃったもんな。
狙ってたかはわからないが、先生ファインプレーだな。
そこで、いつの間にか後ろに集まっていた騎士の一人が声をかけた。
「それでは勇者様方を、お部屋へご案内させていただきます。案内の騎士たちについて行ってください」
騎士の一人が声をかけてきた。
「それでは、私が部屋に案内させていただきます」
「その前にちょっといいですか?」
俺を案内しようとした騎士をとめた。
「どうかしましたか?」
騎士は、にこやかに答える。
「部屋をこいつの隣にできませんか?」
といって、隣にいた広の腕を引っ張る。
「うぉ!?」
腕を引っ張られて驚いた広が声をあげる。
騎士はそんな広を見た後、笑顔で答える。
「えぇ、かまいませんよ。では、その方も一緒に案内させていただきます」
と言って部屋に案内される。
「それでは、ここが勇者様方の部屋となります。何かあれば近くを巡回している衛兵、又は近くにいる侍女に声をかけてください。
それでは、どうぞごゆっくり」
・・・ん?一部屋しかないぞ。
「とっ、とりあえず中に入るか・・」
広が声をかけてくる。
扉を開け、中に入る。
そこで真っ先に目に入ったのは・・
「ダ、ダブルベット・・・」
驚きのあまり声に出た。
広も口があきっぱなしだ。何を勘違いしたんだあの騎士は!!
だからニコニコしてたのか!!
ていうか”隣の部屋”って言ったじゃん!!
いらん気をまわすなーーー!!
山崎先生マジ有能( ゜Д゜)