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強敵

何とか投稿出来ました。

暇なので寝て起きたらまた書こうと思います。

かけるときに書かないとね(´・ω・`)

 「な、なぁ、そっちは魔の者を見たことがあるんだろ?あれが、そうなのか……?」

 「……僕の目がおかしくなっていなければ、大量に(・・・)居るのですが」


 吉田、遠藤の二人が俺たちにそんな事を聞いてきた。


 「いや、俺たちだって一回しか見たことないし……あの時はデカいのが一体だった……」

 「そう、だね……ちょっと、これは……」

 「多すぎる……それに、」

 「うん、前回に劣らず……キモい」


 それにあまりにも不気味だ。

 何せ……


 ”イア……イア……”

 ”イア………イア……イア………”


 すべての個体が、ずっとこのような声を上げているのだ。


 外見は、『人』と『タコ』を足したような感じである。

 タコのような頭、人のような体。

 さらに、身体からはタコの手の様な物がいくつも生えている。


 更に不気味のが、それぞれの形が微妙に違うのだ。


 ある物は下半身が完全にタコだったり、またある者は肩からタコの手が生えていたり。

 他にも、腹から手が生えて居たり、身体の骨格が完全に人と同じだったりと、個体差がある。


 「なんだあの醜い生き物は。フン、真の勇者であるこの俺が全てかたずけてやる!!」


 何を考えているのか、劉軌が馬鹿な事を言って一人で突っ込んでいった。


 「お、おい!!待てよ劉軌!!」

 「お前たちはそこで怯えながら見てろ!!勇者は俺一人で十分だッ!!」


 吉田の制止を無視し、劉軌は攻撃を開始した。


 「化け物なのは見た目だけか?まず一体!!」


 劉軌が攻撃を仕掛けるが、魔の者は動かなかった。

 直前までは。


 ”…………”


 「はっ?よ、避けた……のか?」


 攻撃が当たらなかった劉軌は、予想外の結果に動きを止めてしまった。


 「広、今の見えた?」

 「……ギリギリ」

 「私は見えたけど……あの動きは、出来ないかな」

 「あたしは全然分かんなかった…」

 「……俺もだよ」


 どうやら、ヤツは劉軌の攻撃を当たる寸前で避けたようだ。

 ギリギリ避けた訳でもなく、偶然でもない。

 それ程までに圧倒的な早さだったのだ。


 ”………”


 「ぐっ……あ、」

 「劉軌!!」


 劉軌が魔の者の攻撃を受けてしまった。

 それを見た吉田が思わずといった感じで飛び出した。


 「吉田君も大概ですね……皆さん、行きますよ。勝てるかどうかは分かりませんが、ここまで来たら逃げる事も不可能でしょう。僕たちには、『勝つ』しかありません!!自分の力を!そして仲間を信じてください!!さあ!行きましょう!!」


 遠藤がそう叫び、吉田の後を追うようにして突撃する。

 クラスメイトの皆もそれに続くように魔の者達に向かっていった。


 「……まったく、劉軌のせいで初手衝撃波が出来なかったじゃないか」

 「俺たちの最高火力だもんな。ちょっともったいなかったな」

 「ふふ、二人ともやる気だね」

 「あたしたちも行こう!!あたしたちなら勝てるよ!」

 「ああ!やってやろう!」


 俺たち四人も、みんなの後を追うように奴らに向かった。


 「くらえ……『魔砲斬まほうざん』!!!!」


 広が周囲の魔の者を巻き込むように剣を横薙ぎに振った。

 半径二十メートルほどが巨大な魔力の剣で切り裂かれた。


 本当は『魔砲剣』という『突き』の技らしいのだが、広が無理やり振り回して出来た技だ。


 「『癒しの光』」


 俺の上に一つの光の玉が現れる。

 これは、光が届く範囲の『人』に対して傷を少しずつ回復する効果を与える物だ。

 この光に近ければ近い程、その効果は増す。


 先ほど広が放った魔砲斬に当たった奴らだが、殆どの奴は回避し、当たった少数の奴らは既に傷が回復し始めている。


 回復能力はこいつらも持っているのか。


 「……『アサシンズ・グレア』」


 暗殺者の睨み。

 安田さんの技だ。

 単体にのみしか効果はないが、この技を使われた奴は、使用者が攻撃対象を変えない限り、身体の動きが鈍くなる。


 「『辻斬り』」


 これも安田さんの技だ。

 一秒間だけ速度が上がる。

 その間に素早く相手を斬る技だ。


 基本的には、相手を一撃斬ってから直ぐに相手の死角に周り追撃を入れるという戦い方をしている。


 「多重展開『ファイア・レイ』!!」


 井村さんが炎のビームを複数発射する。

 光を放つほどの高熱だ。

 近くにいるだけで相当熱い。


 掠っただけでも、やけどでは済まないだろう。


 「ヤッタ!!効いてるみたいだよ!!」


 どうやら奴らは火が苦手の様だ。


 「美紀ちゃん!!」

 「え?」


 魔の者の一体が、井村さんの元に向かっている。

 速い!!


 「くらえ!!」


 メアリー団長から貰ったファイアランスを亜空間倉庫から飛ばす。

 俺の遠距離攻撃では、衝撃波を除いてこれが最も飛ぶ速度がある。


 魔の者は井村さんから離れるように俺の攻撃を回避した。


 これなら間に合う!!


 「宿れ、『浄化の炎』」


 俺は武器の長巻にエンチャントを施しながら走る。


 「ハァ!!」


 ”………”


 やはり速さが足りない。

 斬りかかったが、簡単に回避されてしまった。


 ”イア……イア…”


 グラ……


 「う、え?」


 視界が傾いてる?……いや、俺が……


 倒れてるのか。


 俺は……死ぬのか?


 「なん……てな」


 ”!?……”


 「へぇ。もしかして……今、驚いたのか?…お前たちにも感情が……あるんだな」


 セルフ・サークリファイス、自己犠牲である。

 何かを身を挺して守った時に自動で発動する魔法だ。

 あらかじめ自分にかけておく必要はあるが。


 「感情があるなら分かるでしょ?今、凄く苦しいと思わない?……俺と同じだよ」


 何かを身を挺して守った時、攻撃してきたそれに対して効果が発動する。

 対象に対して、自身と同等のダメージを負わせる。


 「ハァ!!!」


 横から勢いよく、魔の者に対して広が斬りかかった。

 どうやら剣に炎のエンチャントをしたらしく、弱っていた魔の者は半分に斬られた。


 「真宙!大丈夫か!!」

 「あ、あぁ、ありがとう。助かったよ」


 俺は広にそう言って、膝をついて両手を合わせる。


 「……『我が身に癒しを』」


 神聖魔法の『祈り』という魔法だ。

 発動中は一切動けない代わりに、とんでもない速度で傷が回復していく。


 俺の場合、聖なる光とかいう物を持っているので、効果は二倍だ。


 「……うん、治ったみたいだ」

 「はは……さっきの、心臓に悪いから、あまりやらないでくれよ」

 「ごめんごめん。でも、助けてくれたでしょ?」

 「当たり前だろ?どうやってでも助けるさ」

 「ちょっとぉ、人の前でいちゃつかないでよー。それに、あたしだって危なかったのに、心配なのは真宙ちゃんだけ?」

 「そんな事ないよ。井村さんも大丈夫だった?」

 「もちろん!真宙ちゃんが守ってくれたからね!」

 「当然!バッチリ守るよ。井村さんの近くにいるのは俺だからね。前衛の二人ほどじゃないけど、ある程度は近接戦も出来るから、井村さんを守るのは俺の役目だよ」

 「その二人を守るのが、私たちの役目なんだけどね」

 「あ!明希ちゃん!」


 安田さんが戻ってきた。


 「ごめんね、二人とも。大丈夫だった?」

 「あたしは大丈夫だよ。真宙ちゃんが助けてくれたの」

 「俺はもう回復したから大丈夫」

 「すまん、俺がメインの前衛なのにな……安田さん、そっちはどう?」

 「……正直に言って、かなりきついかも。あの魔の者達、小細工とかなしに単純に強い」

 「厄介だな……俺も、同時に相手に出来るのは三体が限界だ。でも、この数になると防戦一方になって長く持たない。実際に戦いになるのは一体か……ギリギリ二体だ」

 「確実に仕留めるなら、私も一体が限界。身体能力も凄いし、反応速度も凄い。私の場合、魔力探知があるから、死角からの攻撃もある程度対応できるけど……あの魔の者達は魔力量が多いから分かりやすいから」

 「それだよ。さっき、アイツらは明らかに魔法を使ってきた」


 そう、俺が負ったダメージは、明らかに物理攻撃ではない。

 魔法だった。

 

 「体の内側にしみ込んで来るような魔法だった。あんなの見たことが無いよ」

 「俺はチラッと見えたが、手から緑色の靄みたいのが出ていた。多分、それだと思う」

 「結構威力が強かった。正直死ぬかと思ったよ」

 「ほんとにやめてくれよ……」


 それにしても本当に強い。

 数は減っている……気はするが、こっちの負傷者は明らかに増えている。


 「何か……手を打たないと……」


 このままでは……負ける。

遠藤君はメガネをかけた真面目くんって感じのキャラをイメージしています。

ドンドン頼れるリーダー的なカッコイイキャラにしたい。

吉田君は調子がいい感じで仲間思いの優しいキャラのイメージです。

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