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仕打ちと救済

大変遅くなりましたm(__)m

もうすぐで半年になるところでした……

言い訳すると、うまく話がまとまらなかったり、四輪の免許取りに行ってたり、専門に進学してたり、他の新作に浮気してたり……いろいろやってました。

重ねてお詫び申し上げます。m(__)m

正直、もう待ってくれている人もいないんじゃないかとビクビクしていますが、初めて書いたこの作品はどうしても続けたかったので、今更ながら投稿させていただきました。

これからも出来上がり次第投稿していくつもりです。

よろしくお願いします。

 朝。


 ドンドンッ!ドンドンドンッ!


 扉を叩く音が聞こえる。


 「……またか」


 横で広が寝むそうな目をこすりながら言った。


 「いつかここの扉壊れるんじゃないかな……」


 俺はベッドから起きて扉の前に立つ。


 「どちら様ですか?」

 「あ、あの!ヒロ様のお部屋で間違いないでしょうか!?」

 「そうですけど……」


 最近こんな起き方ばかりな気がする。


 「冒険者ギルドの職員の者です!!大至急ギルドへ向かってください!!ギルドマスターからの緊急招集が掛かっています!!」

 「…………」


 昨日の今日で何なんだ……


 「わかりました。早めに向かいます」

 「出来るだけ早くお願いします!!」


 職員の人らしき人が走って離れていく音が聞こえる。


 「広、準備しないとダメみたいだよ」

 「最近こんな起き方ばっかりな気がする……」

 「後で宿の人に謝っておかないとね」


 急いでいたのは分かるが、もう少し他のお客さんに配慮してあげて欲しい物だ。


 「広は準備しておいて。俺は井村さんと安田さんを起こしてくるよ」

 「わかった」


 俺はいつもの装備に着替えて部屋を出た。

 こうして装備を着るのも、最初は手間取っていたが今では手慣れたものだ。


 コンコン


 「二人とも起きてる~?真宙だけど~」


 起きてるよ~、と恐らく井村さんであろう声が聞こえた。

 数秒ほどで扉が開く。


 「あれ?もう二人とも準備出来てるんだね」

 「部屋が隣だからね。ギルドの人の声が聞こえてたんだよ」


 と、安田さん。


 「あはは、それもそっか。じゃ、ギルドに向かうけど大丈夫?」

 「大丈夫だよ」

 「同じく~」


 既に二人は荷物も持っているようだ。

 俺?

 俺は亜空間倉庫にいつも入っているから、そもそも持ち歩いてないよ。

 みんな最低限の物は持っているけど、消耗品のストックなんかは俺が持っている。


 「お?二人とも早いなぁ」

 「おはよう広君」

 「おはよー!」

 「二人ともおはよう。それじゃあ行こう。何やら問題があったみたいだし」


 広も準備が終わって出てきたので、四人でギルドに向かった。

 駆け足とまでは行かないが、気持ち早歩きくらいで移動する。


 ギルドに付くと、何故か待機していた職員さんに直ぐに奥に案内された。

 案内された部屋は昨日にギルドマスター達と緊急会議をした場所だ。


 俺たち四人は中に入る。


 「来てくれたか……」

 「そりゃあ叩き起こされましたからね。……今回は俺たち以外にいないようですけど、どういった用件なんです?」


 広がギルドマスターに尋ねる。


 部屋に入ってから思っていたが、ギルドマスターの顔色が悪い。

 疲労とか寝不足とかそういったものが顔に出ている気がする。


 「昨日の話を覚えているか?」

 「えぇ、まぁ」

 「昨日、君たちのパーティー以外のメンバーで森の探索に向かってもらった。……結果から言えば、森にいったパーティーはほぼ壊滅……生き残ったのは、何とか逃げてきた五人だけだ」

 「……え?」

 「は?」


 壊滅?この街の主力の冒険者が?

 俺たちを抜いても結構な人数が居たはずだし、実力だってあったはずだ。


 「……ギルドマスターさん。森で何があったんだすか?」


 安田さんがギルドマスターに尋ねる。


 「……『魔の者』を知っているか?」

 「「「「!?」」」」


 まさか……


 「知っているのだな……なら話は早い。森の奥から魔物が出てきていたのはそれが原因だったようだ。逃げ延びてきた奴からの報告だ。……魔の者が何かを狙っているのか、そもそも意思があるのかも不明だが、最悪な事に、この街に少しずつ近づいているらしい」


 ……まさかもう出会う事になるとはね。


 「ギルドマスターはどうするつもりで?」

 「……これでも、この街のギルド支部を預かっている者なのでね。街の防衛に手を貸すことになっている。既に領主に話は出してある。数時間後には緊急依頼が出され、防衛戦の準備が始まるだろう」

 「……勝算はあるんですか?」


 俺はそれを聞いてみた。

 これが一番不安だ。


 「……分からん。そもそも、どれ程の力なのかさえ未知数なのだ。まぁ、少なくともこの街のベテラン冒険者が束になっても負ける……くらいしか分かっていない」


 これは……無理でしょ。

 以前戦った事があるから分かるが、あの時より強くなったとはいえ、あれと同じ個体が相手だったとしても勝てないと思う。

 そして、今回はその個体よりも強いと思われる。


 更に、調べた情報によると、魔の者はその個体によって形や能力が違うらしい。

 前回は、ただそこにいるだけで周囲を凍らせてしまうような冷気を放っていたが、今回は全く別物の可能性だってあるのだ。


 個体差がありすぎて対策がとれない、それが『魔の者』なのだ。


 「どう考えても無理でしょ……」


 井村さんがボソッと言った。

 激しく同意したい。


 「そもそも防衛線に持ち込もうとしている時点で負けは確定だと思う」

 「どういう事?」


 安田さんが言った事が気になったので、俺はどういう事か聞いてみる。


 「防衛戦って後ろに街がある状態でしょ?魔の者って、そこにいるだけで周囲に影響を与えるでしょ?街に近づけた時点で負けだと思うの」

 「……なぜわかる」

 「私たちが魔の者と戦ったことがあるから」

 「!?」


 ギルドマスターの疑問に安田さんが答える。


 「……そうか」


 ギルドマスターは少し間を置いた後、ただそれだけを呟いて黙ってしまう。


 コンコン


 静かになってしまった会議室の扉がそっとノックされる。


 「入れ」

 「失礼します……あの、ギルドマスターに報告が……」

 「なんだ?悪い報告じゃないだろうな?」

 「いえ……実は、『勇者』を名乗るパーティーが手伝ってやる、と」

 「……勇者?ふざけているのか」

 「い、いえ!それが……」


 職員の人がギルドマスターに何かを渡す。


 「……噂は本当だったのか」

 「噂?」


 俺は噂について気になったので聞いてみる。


 「あぁ。この国で、勇者召喚が行われたとな」

 「…………」


 噂になってたんだ……あ、でも、そこまで意識的に隠してた感じはなかったような……衛兵さんとか普通に話題にしてたし。


 「ん?勇者が来た?」


 うそでしょ……偽物であってほしい……


 「本物だと思うか?」

 「……多分」

 「誰だろうね?」

 「あまり楽しみじゃないかも……」


 黙って出ていったからなぁ……クラスメイトにも先生にすら何も言わずに出てきちゃったからなぁ。

 今思えば、団長たちは感づいていたような気もするが……


 「……勇者をそう扱えばいいのか分からないが、今はそれを気にしている暇はないな……案内してくれ。少しでも戦力が欲しい」

 「わかりました」


 職委員さんがそう言って部屋を出ていく。


 さて、誰が来るのか……


 少しすると、先ほど出ていった職員さんが戻ってきた。


 「勇者様、こちらになります」

 「ありがとう。さて、ギルドマスターさん。私たち勇者が来たからにはもう安心だ。勇者として、必ずや魔の者を倒して見せよう!」


 お前かよ劉軌りゅうきッ!!


 「( ゜д゜)」


 あぁ、広が思考停止してる……


 よりにもよってコイツかよ……先生とか来てくれた方が良かったに。

 吉田の方が頼りになるぞ。


 このあまりの仕打ちに四人で唖然としていると、劉軌がこちらに目を付けた。


 「ん?誰かと思えば、逃げ出した女装趣味の『男』と粗末な仲間たちじゃないか。なぜここに居るんだ?」


 うわぁ……性格悪ッ。

 いや、この世界に来る前から知ってたけど、久々に会ったせいで衝撃が凄いわ。


 ……ちょっと待て、コイツ今「女装趣味の男」って言ってたけど俺の事言ってたのか?

 女装じゃねぇしワザとじゃねぇよ!〇ね!


 例え世界が変わってもお前に抱くこの気持ち(殺意)は変わらないわ!!


 「おいおいやめろよ劉軌。性格悪すぎるぞ。……よっ!大石と逢沢!それと安田さんと井村さんも久しぶり!」


 吉田だ……もはや癒し。


 「お久しぶりです。いきなり居なくなってしまったので驚きましたよ。団長たちは何か知っていたようでしたが」

 「遠藤まで……」


 他にも数名、見覚えのあるメンバーが。

 劉軌が居なければ合格だった。


 「お、おい、逢沢……大石がおかしいぞ……」

 「え?」


 俺は広の方を見る。


 「ひ、広?どうしたんだよ……」


 広の顔は……今まで見たことのないような怒りに染まっていた。

個人的に性格の悪い小物キャラって好きだったりします。

四輪受かりました(どうでもいいね)。

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