心の変化
書き終わってから、こういうの苦手な人もいるかな?と思いましたが、この小説のページの上の方に描写があるって書いてあるので、大丈夫かなと・・・。
タグつけようかな・・・。
隊長さんからの事情聴取が思いの外早く終わり、俺たちは宿に戻ることが出来た。
宿に戻ると、安田さんと井村さんが待っていてくれた。
かなり心配してくれていたようで、事情を説明してからいろいろと言われてしまったが、無事だった事を喜んでくれた。
俺も広も、怪我に関しては俺が回復魔法を使えるため、問題なく治った。
その日の夜・・・
~~~side.広~~~~~~~~~~~
宿の食堂で夕食を食べ終えた俺たちは安田さんと井村さんの二人と別れて部屋へ戻った。
「あの・・・・広・・」
部屋に入って少しすると、真宙から声をかけられた。
「ん?どうした?」
「その・・・ありがとう、助けてくれて」
あぁ、今日の事か。
「ハハハ、気にすんなよ。真宙が無事でよかったよ」
「・・・・・うん」
部屋にしばしの沈黙が流れる。
小学生のころからの付き合いだ、俺にはわかる。
真宙は、何かを伝えようとしている。
こういう時は、真宙から口を開いてくれるのを待った方がいい。
「・・・・・」
「・・・・・」
暫く待つと真宙は何か、決意したような、自分の心の整理が出来たような、そんな顔をして俺を見つめた。
少なくとも、その表情に迷いはなかった。
今までに見たことのない程の真宙の真剣な表情に、俺が少しだけ驚いている中、真宙が口を開く。
「広・・・俺は、お前に嘘を吐きたくない。それに、一緒にいる以上、秘密を作るべきじゃないとも思ってる」
「・・・そうか」
「だから、広は嫌な思いをするかもしれないけど・・・それでも伝えようと思う」
「あぁ。俺も、ちゃんと聞くよ」
「・・・・ありがとう。・・・俺は・・・・・広が好きだ」
「・・・・・へ?」
「今日、広が助けに来てくれた時、すごくかっこいいと思った」
「お・・・おう」
「今日だけじゃない。広と話した時、優しくしてもらった時、俺のために怒ってくれた時。きっと俺は、心のどこかで・・・・そう思っていたのかもしれない」
「・・・そうか」
「これは・・・・今言ったのは、俺の我が儘だ。だから、何か言ってほしいとか、何かしてほしいとか、そんなことを言うつもりはないし、何かを変える必要はない」
「・・・・」
「ただ・・・・ただ俺が、伝えたかっただけなんだ・・・・・・。その・・・聞いてくれて、ありがとう・・・」
真宙は・・・そこまで、俺を信用してくれていたのか・・・。
いきなり告白されて、正直どうしていいのか、何を言えばいいのかわからない。
だが・・・そこまで、俺に正直にいようとしてくれたのが、何よりも嬉しい。
俺は・・・どうだろうか・・・?
真宙は、俺を思って話してくれた。
真剣に・・・正直に・・・。
・・・・・・
なんだか・・・自分が情けなくなってくる・・。
真宙に言いたい事だってある・・・でも、それを言わなかったのは我慢していたんじゃなくて・・・怯えていただけだ・・・。
真宙は・・・ちゃんと伝えてくれた・・。
・・・・ちゃんと、言おう。
今まで、言えなかったことを。
そして、謝ろう。
ずっと言わなかったことを。
「真宙・・・・俺は・・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・・・・・朝か。
昨日の夜は、いろいろあった。
元の世界での事とか、こっちに来てからの事とか、言ってなかったことや、怖くて言えなかったこと、思いつく限りすべて伝えた。
お互いに、いろいろ話した。
いろいろあったけど、何だかんだで、俺が正直に話したことを喜んでくれた。
これを言ったら今と変わってしまうんじゃないかと、怯えていたのが本当に情けなかった。
その程度で変わる程度の関係じゃない、と逆に怒られてしまった。
結局、何だかんだあって・・・俺は・・・真宙の気持ちを受け入れる事にした。
その選択に、後悔はない。
たとえ何があろうとも・・・俺は真宙と一緒にいる。
ずっと一緒に居られるように、これからは秘密なんて作らないように、お互いに話して、時には妥協しながら行こうと思う。
「んぅ・・・・広?」
「あぁ・・・おはよう、真宙」
「・・・フフッ・・・おはよう」
さて・・・今日も頑張ろう。
俺は、いろんな意味で大切な人と居るこのひと時の幸せを噛み締めながら、いつも通りの身支度を済ませていく。
~~~side.真宙~~~~~~~~~~
俺と広が部屋を出て食堂に行くと、安田さんと井村さんが先に席をとってくれていた。
大体いつもの事だ。
俺は広と話しあって、俺たちの事をこの二人にはしっかりと話すべきだと決まった。
俺たちが付き合い始めた事を伝えると、二人には「まだ付き合ってなかったの?」とか「もういろいろやってるかと思ってた」とか言われた。
俺たちのもともとの距離感が近かったせいもあり、この間の試験の時も「あの二人は付き合ってるのか?」といったことを結構聞かれていたらしい。
因みに、その時は「そうだよ」と即答しておいたらしい。
もうなんも言えねぇ・・・。
きっと、これからの俺たちの生活で、意識こそ変わっても、実際に何かが大きく変わることはないのだろう。
これがいい事だったのか、今の俺にはわからない。
でも、この選択を後悔することはないだろう。
根拠はないが、これだけは何となく確信出来た。
・・・・さて、朝食も食べ終わったし、今日もレベリングと生活費稼ぎ行くとしますか。
ちょっと短くてごめんなさい。
最後の所が最終回っぽくなってますがまだまだ続きます。
一つの区切りみたいなものかなと。
評価、感想、指摘、随時募集しています。
ブックマークなども、モチベーションにつながるので・・・ぜひ。




