ランクアップ試験・後編
遅くなってしまってごめんなさい。
ただいま戻りました。(覚えている人いるのかな・・・?)
間が空いてしまいましたが、更新を再開します。
よろしくお願いします。
俺たちは森の中を歩いている。
先に男三人組が入ってしまっているので、出来るだけ警戒しながら進む。
隊列は、一番前を広と安田さん。
その後ろを俺と井村さん。
ソロの人は遊撃をしてもらうため、動きやすいように隊列の真ん中あたりにいてもらっている。
そして真ん中を囲むように女性三人組の人たちに、左右と後ろに一人ずつ付いてもらっている。
試験官のオスカーさんは、いつの間にかいなくなっていた。
おそらくどこからか見ているのだろう。
カランカランカランカランカラン・・・・・・・
「!?」
全員が歩みを止め、辺りの警戒をする。
少しすると音がやみ、また静かになる。
「・・・・結構近くから聞こえたね・・」
井村さんがつぶやく。
「そうだね・・・おそらくだけど、先に入っていった三人組が見つかったか罠にかかったかしたんじゃないかな・・」
近くにいた俺が答える。
辺りを警戒したまま、ソロの人と女性のパーティの一人が俺たちの所に集まってきた。
「さっきの音・・・君たちはどう思う?」
ソロの人が聞いてきた。
「・・・おそらくだけど、先に入っていった三人組が見つかったか罠にかかったんじゃないかな?」
「あぁ、俺も同意見だ」
「でもこれで、盗賊たちの居場所はある程度しぼれたんじゃない?音の方に向かえば盗賊たちの拠点にたどり着けると思う」
代表で来た女性パーティの人が言った。
「・・・・不安要素はあるけど、私も同意かな。音が聞こえてきたのは一か所だし、他に情報がない以上行って調べる必要があると思う」
女性パーティの人の意見に俺は同意した。
「不安要素・・・というのは?」
ソロの人が聞いてくる。
「相手は盗賊だし、可能性は低いと思うけど・・・さっきの音が私たちをおびき寄せる罠である可能性。それと、一番最悪なのが・・・先に入っていったパーティが生け捕りになって、私たちの情報を漏らされている場合かな・・」
俺はそう答える。
「確かにそうだな・・・・もし、これが罠だった場合、俺たちは盗賊たちが有利な場所で戦う事になる。相手の正確な人数が分からない以上、このまま進むのは危険だな・・・」
「でも、調べるんだったら進まないと出来ないよね」
「・・・・偵察を出そう」
俺が言った。
「偵察?出来るのか?」
「こっちのパーティにそういうのが得意メンバーがいる。ちょっと相談してみるよ」
俺は井村さんに声をかける。
「安田さん」
「ふふっ、任せて!」
まだ何も言っていないよ安田さん・・・というかはや!もう見えなくなっちゃった・・・音もなく消えていったよ・・・。
俺は話し合いの場所に戻る。
「偵察に行ってくれたよ。はぐれたら困るから、戻ってくるまでここで待機していようと思う。どうかな?」
「俺は意義はない」
「同じく」
俺たちは引き続き、周囲を警戒しながらこの場に待機することにした。
そして特に何事もなく、しばらくして安田さんも戻ってきた。
「どうだった?」
「すこし進んだところに盗賊の野営地を見つけたよ、おそらくそこが盗賊の拠点だと思う。さすがに中には入れなかったけど、特に待ち伏せとか罠らしきものは見当たらなかったよ」
その後、安田さんから外から見た野営地の形や地形などを聞いて作戦を立てた。
まず、正面に見張りがいるようなので井村さんの氷の魔法で、出来るだけ静かに始末してもらう。大声を出されたりして、野営地の中にいる盗賊たちに襲撃を知らせないためだ。
そこからは時間との勝負だ。
野営地にある建物はすべてテントのようなものらしいので、俺が強風を起こして野営地中のテントを飛ばしていく。
広は俺の護衛に付いてもらう。
他のメンバーでテントを飛ばした後にいる盗賊を倒してもらう。
なぜこんな作戦にしたかというと、燃やしたり衝撃波で吹き飛ばして無差別に攻撃してしまうと、もし盗賊たちに捕まった人がいた場合にその人たちを巻き込んでしまうためだ。
作戦が決まり、俺たちは盗賊の野営地へ移動する。
安田さんに先導されながら森の中を進んでいくと、簡単な木の柵に囲まれた野営地らしきものが見えた。
「・・・ここだよ」
安田さんが目的地に着いたことを告げる。
そして、井村さんに入り口にいる見張りの位置を知らせる。
「・・・美紀ちゃん。あれ、狙える?」
「問題ないよ。任せて」
井村さんが魔法を唱える。
井村さんが魔法を放った瞬間が作戦開始の合図だ。
「・・・『アイスランス』」
氷の槍が現れ、見張りの盗賊に向けて飛んでいく。
「「うっ・・」」
見張りは二人いたが、井村さんの多重展開のスキルで大きな音を上げることなく仕留めることが出来た。
「広!」
「おう!」
俺と広は身体強化を使って、野営地に突っ込む。
「まずは一つ!」
入ってすぐのテントを吹き飛ばす。
「次!」
吹き飛ばしたテントには見向きもせずに、次へ次へと壊していく。
いきなりテントを破壊された中にいた盗賊たちは、驚いている隙に殺されていく。
野営地の半分ほどを制圧したところで、さすがに異変に気づいた盗賊たちが動き出す。
カラン!カラン!カラン!カラン!
――――敵襲だぁ!!―――――
遠くからそんな声が聞こえてくる。
「ここからが正念場だ。護衛は任せたよ、広!」
「おう!任された!」
先ほどと同じように俺たちはテントを破壊していく。
だが、
「おら!しねぇ!」
「くっ!・・はぁ!」
やはり最前線で戦っているため、盗賊たちに狙われやすくなってきた。
「広!大丈夫!?」
「あぁ!まだまだいける!」
ここまで順調に来ている。
特に負傷者が出たという声は聞こえないので問題ないだろう。
「!?真宙!後ろだ!!」
「!?」
俺は急いで後ろを見る。
「ハッ!気づくのおせぇんだよ、ガキがぁ!!」
盗賊が俺に向かって迫ってくる。
広は間に合わないだろう。
「吹っ飛べ」
ドゴォ!
「ガハッ!・・・ッ!」
「ハァ!」
衝撃波で盗賊に攻撃して、止まった隙に長巻で仕留める。
「すまん真宙。大丈夫だったか?」
「あぁ、問題ないよ。次へ行こう」
俺と広は順調に進んでいく。
あと少しで野営地の制圧がおわる。その時だった。
ブォン!
突如現れた男が広に向かって切りかかった。
「!?・・あぶね」
間一髪で広は避ける。
「ほぉ・・・避けたか」
急に現れた大柄な男。
おそらくこいつは・・・
「あんたがここの頭か?」
俺は男に尋ねる。
「そうだ。よくも俺の拠点をぶっ壊してくれたな。まずはお前たちから殺してやる・・・が、そうだな・・・お前、俺の女になるんなら他の奴らは見逃してやっても「ブォン!」ッ!?」
セリフの途中で広が切りかかる。
「真宙を下種な目で見やがって・・・ぶっ殺してやる」
「・・・ハハッ、急に顔つきが変わりやがったな。上等だ、てめぇを殺して俺が貰ってやるよ」
「ハァ!!」「オラァ!」
ヤバい、なんか始まった・・・
やめて!私のために争わないで!・・・・こんな事やってる場合じゃないな・・・。
でも、どうしよう・・・さすがにあれの中には入れないぞ・・・近接戦じゃレベルが違い過ぎる・・・。
「オラァ!!・・どうした!この程度か!!」
「くっ・・・!」
広が押され始めてる。
何だあいつ強いぞ、なんで盗賊やってんだこいつ。
なにか援護を・・・そういえばあれがあったな。
「『スリープヒール』!!」
スリープヒールは持続回復の魔法だ。
対象となった者は強力な眠気に襲われ、眠っている間に精神の安定や疲労回復の効果が表れる魔法だ。
疲れているときに眠れない、そんな時に便利な魔法である。
実は、いつの間にか光魔法が神聖魔法に変わっていたのである。
これはそれで使えるようになったものだ。
俺はそれを盗賊の頭にかけた。
「ハァッ!!・・どうした!動きが鈍くなっているぞ!!」
「クソが!!」
二人の激しい攻防が続く。
頭の方は相当強い眠気に襲われているのに、広とほぼ互角に戦っている。
あんなに激しく動き回れると魔法攻撃で援護は出来ないな・・・
「『プロテクション』!」
今度は広に魔法をかける。
これも新しく覚えた魔法だ。
対象の身体に魔法の障壁を作るものだ、要は防御力が上がるのである。
「『ヘイスト』!!」
これも神聖魔法の一つだ。
対象に流れる時間を一時的に早めるのだ。
はたから見ると動きが早くなったように見える。
「ハァ!!」
「ぐっ・・・がぁ!!」
遂に頭が広の攻撃をまともにくらった。
「とどめだ」
膝をついてしまった頭は、広にとどめを刺されて絶命する。
グラ・・・
「おっと・・・」
「真宙!?どうした!?」
「あ~、多分MPの使い過ぎだな。コストの悪い魔法ばっかり使ったから・・・」
「そうか・・・大丈夫なのか?」
「あぁ、問題ないよ。ここからは残党狩りだ、皆の所へ行こう」
「わかった」
過去話読み返したんですが、結構文が怪しいところがありますね・・・
もしかしたら近々、大規模な改投稿を行うかもしれません。




