始まり
楽しくて一日に二本書いたら
終わったころには日付が変わってたw
プロローグ投稿して二時間くらいでブックマークされてるの見たときは
口が空きっぱなしになっちゃいましたw
感想、指摘、随時募集してます(^^)/
俺は女になっていた。
「真宙、大丈夫か?胸すげー腫れてるけど」
「腫れてるわけじゃねーよ」
「ハハッ、まぁとりあえず落ち着いたか?」
「おかげさまでな」
広がボケて俺がツッコむ。
そんないつものノリの会話をしたおかげで冷静さを取り戻し、周りを見る余裕ができた。
まだ、目を覚ましていない者も多くパニックになっている人もいる。山崎先生が倒れている人やパニックになっている人に声をかけたり、余裕のありそうな人に周りのメンバーに声をかけあうように頼んでいたりと、部屋の中を走りまわっている。
そう、室内である。
学校の体育館ぐらいの広さで、天井も、壁も、床も、似たような材質というか岩だ。
ところどころに柱がたっており、天井には青白い不思議な光がついている。おそらくだがここは地下だ。窓もないどころか通気口もない。
「真宙はどうして性別かわってんだ?」
「俺がしりたいわ」
「だよなぁ・・」
「今はそれより、ここがどこか知りたい」
「それよりっておまっ女になってんだぞ?だいじょぶなのか?」
「いまは不思議と落ち着いてる。まぁ、もしかしたら俺がきずいてないだけでおかしくなってんのかもしれないけど、パニックになって叫びまわるよりましだろう」
「それもそうかぁ」
「そういうお前こそ、10年以上つるんできた親友が性別変わってんのに随分リアクションがうすいな」
「いやぁ、お前があんまり取り乱してないの見てたらこっちもってのもあるが、いきなり床が光って気が付いたら薄暗い部屋の中でしたってもうわけわかんなくて頭が追い付かねーよ(笑)」
「ほんとそれな」
「おぉ、大石ここにいたか」
山崎先生が近づいてきて話しかけてきた。
「お前、逢沢はどうした?いつも一緒にいただろ?それと、そこの茶髪の美少女はだれだ?」
「その美少女が逢沢ですよ」
「は?え?は?マジ?嘘だろ?あの女装が似合いそうな男子ランキング1位の逢沢だぞ?え?性別変わっちゃったの?マジ?」
「おいちょっと待て、なんだその屈辱的なランキングは?俺は知らんぞ」
「え?やっぱマジで逢沢なのか、ま、まぁいるならいいか。後で詳しく聞かせてくれよ?なにが出来るかわからんが相談くらいなら出来るから。じゃぁ俺は他の生徒見てくるよ。大石、逢沢はまかしたぞー」
「りょーかいでーす」
「女装ランキングってなんだよ・・・」
密かにショックを受けている俺をよそに山崎先生は他の生徒の所に行ってしまった。
山崎先生は他の教師よりも若く親しみやすい口調のこともあり、生徒からの信頼もあつい。進路指導の先生でもあるため様々な生徒と交流がある。『学校で何かあったらとりあえず山崎先生の所に行け』などと言われていたりする。
「どうする真宙?いま何かできることあるかな?」
「とりあず、何が起こるかわかんないから寝てるやつが起きるまで大人しくしてた方がいいんじゃないか?」
「まぁ、ここを出るにしても全員の意識がもどったらだしな」
しばらく持ち物確認や限られてはいるが情報整理などを二人でしながら時間をつぶす。
全員が目を覚まし泣いたり喚いたりしているものがいる中、ゴゴゴッ、という音とともに扉のようなものが開く。
そして甲冑を着た人が二人入ってきて、その後ろに続いてきらびやかな服を着た金髪イケメンと、きらびやかな服を着た金髪美少女がはいってきた。その直後にローブを着た人が二人入って近づいてくる。
クラスのみんなは黙ってそれをみている。警戒しているようだ。
金髪美少女が口を開く。
「遅れてしまい申し訳ございませんでした。私、セドリック王国第一王女セシリアと申します。」
「同じく、第二王子アーサーと申します。」
金髪イケメンの方は第二なんだな。
「困惑されているとかと思いますが、一先ず国王陛下にお会いしていただきますので謁見の間にご案内させて頂きます。」
「ちょっとまった!!」
クラスの男子の一人、光城 劉軌が声をあげた。
おいおいおい何をしているんだあいつは!この状況がわかんないのか!
劉軌は、クラスでもそれなりの影響力を持っているし顔もそれなりのイケメンではあるが、よく真宙に「お前はなんでクラスのみんなに貢献しようとしないんだ」などと、わけのわからないことを言いながら突っかかってくる。
真宙は人づきあいが苦手ではあるが、避けているというわけでもなく仕事はキッチリこなしているし、行事にも広と一緒に積極的に参加している。
劉軌は、中学校では一番モテていて頭もいいため様々な人にもてはやされていた。本人もそんな環境を気に入っていたし、高校生になってもそれが続くと思っていた。
だが、別の中学からきた広と真宙の二人組にその人気を殆ど持っていかれた。そのため中学のようなバラ色の日常を失い、基本的に大人しくだらだらしているようにしか見えない(そう思っているのは劉軌だけ)くせに自分より人気があるのに納得できない劉軌は、真宙に自身もきずかぬ内に敵意を向けるようになった。
真宙に明らかないいがかりを言っているにもかかわらず、クラスに協力的でない奴を注意したと正しいことをしていると思い込んでいる。
典型的な偽善者であえる。正しいことをしていると思い込み、いらない問題を起こしたりするせいで余計に支持者が減っていっていることに気ずいていない。
「いきなりさらわれてついて来いと言われても納得できません。ちゃんと説明してください」
あーぁ馬鹿だ。そんなこと言ったら収集つかなくなるだろ
「そーだそーだ!説明しろー!」
「ここはどこなんだ!」
「わたしたちを返してー!」
ほらな。皆不安だってのにきっかけができたせいでそれが爆発した。
広が小声で話しかけてくる。
「あいつは何をかんがえてんだ?状況悪化してんじゃねーか」
「出来もしないのにみんなは俺が助けるんだ!とか思ってんじゃないの?」
「しずまれー!!!不敬であるぞ!!!」
あーぁ、甲冑の人怒らせた
「お前たちいったん黙れ、ちゃんと説明があるはずだからいまは大人しく従おう」
山崎先生の声だ。よかった先生は理解してるっぽいな。
皆が騒いだせいでセシリア王女あわあわしてるな、王族がそんなんでだいじょぶかね?
相手の人数とあの王女の反応見る限りだと今機嫌を損ねたりするのはだめだな。
王族二人に対して護衛が四人なんてまずあり得ない。おそらく、俺たちの混乱や警戒を最小限に抑えるためにあえて人数削ったな。
おおかた見えないところに結構な数の護衛を置いてるはずだ。
まぁあれが影武者だったら王族という前提が崩れるから成り立たない推理だけど。
「落ち着いたようなので案内します。しっかりとついてきてください」
怒鳴ってない方の甲冑の声と共に皆が歩き出す。
訂正する。護衛めっちゃいるわ。
扉を出てすぐの螺旋階段をのぼると日の光が差し込むきらびやかな廊下にでた。
その廊下の壁沿いの両側に、等間隔に甲冑を着た人がたって並んでいる。ここまで並んでると圧倒されるな。
そのまま進んでいると大きな扉の前で王子たちが止まった。
扉の両端にいた衛兵らしき人に合図を送ると、衛兵は
「第二王子アーサー様と第一王女セシリア様、ならびに勇者様御一行がご到着なられました」
と、大きな扉の脇の片開きの扉から入り中でそう言っているのが聞こえた。
「入れ。」
その言葉と共に目の前の大きな扉がゆっくりと開く。
扉が開き切るのと共に俺たちは謁見の間に入場した。
劉軌君、名前が主人公ポイよね