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街とダンジョン

遅くなって申し訳ありません。

次回はちょっと早めに投稿できるかも・・・頑張ります。

 夜が明けて、その日のうちに街にたどり着くことが出来た。

 途中、オオカミの魔物に遭遇したが怪我もなくやり切った。

 午前中に街に着き宿もとれたので、午後はギルドに向かうことにする。


 といっても、この街に長居するつもりはない。

 このあたりの地理と情勢を調べてから、自分たちの拠点にするのに相応ふさわしい街を決め次第移動する。


 そして、今回の移動で変わったことが一つある。俺の長巻ながまさだ。

 オオカミとの戦闘の後、安田さんに「それ、色が変わってない?」と言われたのだ。

 青みがかった綺麗な銀色だったのだが、若干、黒くくすんできた気がする。

 言われなければ気づかないほどの微妙な変化ではあるが、確かに変わっている。


 ちなみに、相変わらず血を吸いこんでいる。

 血を吸い込む光景は今でも気持ち悪いが、血抜きに便利なので使っている。

 吸引力の変わらない、ただ一つの(ry


 一つ心配なのはこの武器を使うにあたって使用者にデメリットがあるかどうかだ。

 ただ血を吸うだけ、ということはないだろう。いかにも呪われていそうだ。

 これを売ってくれたおっさんも自動修復以外、効果が分からないと言っていたしな。

 ・・・そういえば、ダンジョンがあるんだったな。それも調べないと。


 他にも考えておきたいことはあるが、そろそろ動かないと時間がもったいないな。


 「広、井村さんと安田さんに声をかけてそろそろギルドに向かおう」


 俺と広は宿でも相部屋だ。

 二人部屋を二つとって、もう一つの方に井村さんと安田さんがいる。


 「お、そうだな。ギルドに行って、まず何をするんだ?やっぱり依頼を受けるのか?」


 「いや、まず今持ってる魔物の素材を売って、その後は調べものだな」


 「調べもの?」


 「あぁ、周辺の地理、他の街の情勢、この街の事、後は冒険者の情報のギルドの扱い・・だな」


 「・・・今更ながら、真宙がいなかったらと思うと恐ろしいな。地理とか情勢とかは分かるが、最後の”冒険者の情報のギルドの扱い”ってなんだ?」


 「冒険者が個人で隠しておきたい情報をギルドが知ってしまった場合、その情報はどのように扱われるのかって事だな。例えば俺たちの場合、勇者であることはギルドにも絶対に伏せるとして、俺の亜空間倉庫の存在がギルドにバレたとしよう。ここでの仮定として、亜空間倉庫は貴重なものとする。亜空間倉庫は便利だ、欲しがる者はたくさんいるだろう。『俺が亜空間倉庫を使える』という事実をギルドはどう扱うのか。それを知っておきたい」


 「それを知っておけば、俺たちの行動の仕方、ギルドに情報を秘匿するかいなかを決められるって訳か」


 「そういう事だ。あ、あとダンジョンについても調べないとな」


 「ダンジョン?」


 「あぁ、覚えてないか?俺たちが武器を買ったとき、店のおっさんがダンジョンについて簡単に話してたんだが」


 「あ、あれか!確か、真宙の武器はダンジョンで見つかったんだっけか?」


 「そうそう、だからダンジョンのある場所についても調べようと思ってる」


 色々と話してから井村さんと安田さんを呼びに行く。

 ギルドに行くことと調べものをする事を伝えてギルドに向かう。


 あらかじめ解体しておいた魔物の素材を持って受付に向かう。

 カードを見せて、素材を買い取ってもらった。そのついでに冒険者の個人情報について聞く。


 ギルドは冒険者の情報は本部とのみ共有しているらしい。

 だが、冒険者や冒険者ギルド意外の組織に情報が漏れることは無いようだ。

 そして、本部との情報共有はすべての冒険者の情報という訳ではなく、要注意人物や優秀な冒険者の情報のみらしい。

 要注意人物や優秀な冒険者の基準は分からなかった。


 まぁ、確実に情報が漏れないなどあり得ないと思うが、これに関しては冒険者には信用してもらわないと困るのではっきり言う事しかできないのだろう。


 その他の情報に関しては、ある程度の規模のギルドには書物などの資料が置いてあるらしく、冒険者やギルドの職員に解放されているようだ。

 この街のギルドにも、資料はあるようだ。

 資料は破損した場合、弁償することになるようだ。


 そもそも、資料を使う冒険者自体、少ない様だが。

 おもに使っているのは職員だそうだ。


 亜空間倉庫についても聞いてみたが、やはり珍しい様だ。

 空間魔法自体、使える人が少なく、使える者は貴族や商会などにそれなりに好待遇で就職できるため、冒険者になる者自体が少ないらしい。


 それからは、資料室で必要な情報を集めた。

 結局、その日は情報収集だけで終わった。






 次の日、宿で朝食をとってから俺と広の部屋に皆で集まった。


 「今日はどうするの?」


 安田さんが聞いてくる。

 広が答えた。


 「俺は昨日、真宙が言ってたダンジョンについて重点的に調べたんだけど、この街から更に進んで二つ目の街にダンジョンがあるらしい。鍛えるならそこがいいんじゃないかな?確か、フロートって名前の街だ」


 「いいんじゃないかな?ただ、その街に行くルートとその街の情勢を調べないとな。ギルドで聞けば最新の情報もわかるだろ」


 俺は広に同意した。


 「わたしもそれでいいと思うよ。何をするにしてもまずは強くならなくちゃね♪」


 井村さんも同意した。


 それからギルドに向かい、その街について受付に聞いてみた。

 ダンジョンがあるというだけあって冒険者の数が多いらしい。

 その街は、特に問題は起こっていないようだが、冒険者が時々問題を起こすらしい。

 冒険者の数が多いから仕方ない事だと思うが。


 道中に関しては、街道の周りが草原になっているようで盗賊などは滅多に出ないらしい。

 ただ、その草原にはロアーバッファローという魔物の群れの生息地があるらしく、たまに街道に近づいて来るらしい。


 ロアーと名前についている通り、咆哮を使うのが特徴。

 この魔物は肉食で咆哮を放って怯ませてから突進して、獲物を仕留めるらしい。

 攻撃が咆哮と突進しかないため、単体だどあまり危険はない。だが、群れだとあちこちから咆哮や突進を使ってくるため、ベテランの冒険者しか手を出してはいけないとされている。


 これに関しては遭遇しないことを祈るしかない。

 この魔物の群れを狩る場合は、Cランク以上の冒険者を最低でも20人集めて対処しなければならないようだ。

 俺たちにはまだ早すぎるだろう。


 俺たちはこの街から移動するために買い出しを行った。主に食料を買った。


 「あ、しまった・・・」


 買い出しの途中、俺はあることに気付き思わずつぶやいた。


 「ん?どうした?」


 広が声をかけてくる。

 俺は答えた。


 「あぁ、俺たちが着てる防具って城でもらったやつじゃん?一人ならまだしも、四人とも城で配給されたものを着てたら見る人によっては気づかれるんじゃないかなって」


 実は俺たちが着ている物は、勇者に特別に配給されたという訳ではなく、新人の騎士たちに配給されるものなのだ。

 新人の騎士たちが同じものを着ているのも確認済みだ。


 「あ、確かに・・・買い替えるか?」


 広に聞かれた。

 俺は答えた。


 「いや、やめておこう。この街で買い替えるよりも、これから行くフロートの街で買い替える方がいいと思う。ダンジョンがある街の方が質のいいものがそろっていそうだし」


 「そうだな・・・。じゃあそうしようか。それに、今あまり金がないしな」


 「ハハ、そうだな。徹底的にばれないようにするなら、今すぐ買えた方がいいんだけどな。まぁ、大丈夫だろう」


 買い出しを終えて、昼過ぎには街を出た。

 街道を移動する馬車もあるが、あえて歩いていくことにした。

そろそろ本格的に梅雨にはいりますね(´・ω・`)

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