準備
ここでお知らせです。
日曜日は更新しないことにしました。
たまに土曜も更新できないかもしれませんが休日は疲れてしまうので・・・
休日なのに休めてない矛盾・・・
評価、感想お願いします。
朝になった。
今日は遠征最終日だ。
パーティのみんなはまだ寝ているようだ。
せっかく早く起きたので、朝食を作る。
食材は昨日の夜に支給されているので、調理を始める。
ちなみに料理は出来る方だ。親がいないとかではなく、単なる趣味だが。
こっちに来る前は魚をさばくのにはまっていた。
朝食が出来たころ広が起きた。
「おはよう、真宙」
「おはよう、広」
「今日は早いな」
「たまたまだよ」
「朝食作ってたのか」
「丁度終わったところだよ」
「こっちに来る前は、よく真宙の料理食ってたなぁ」
「休日とか、よく遊びに来てたもんね」
「そうだなぁ。・・・なあ、安田さんと井村さんの事なんだが・・・」
「あぁ、昨日の話か?」
「そう、どのタイミングで話すべきだと思う?」
「・・・予定では、今日城に帰ることになってるから帰ったら一度、俺たちの部屋に来てもらおう。その時に詳しく話そう」
「わかった。じゃあ、団長たちに話すのは明日だな」
「そうなるな」
「決まりだな。・・・朝食できてるし二人を起こそうか」
「そうだな。俺が起こしてくるから、広はこっちで火を見ていてくれ。二人が起きたら火を止めて、そこにある器によそっておいてくれると助かる」
「りょーかい」
俺は二人がまだ寝ているテントに近づく。
「おーい、安田さん、井村さん、そろそろ起きて。朝食できたから食べて準備しちゃおう」
俺はテントの外から声をかけた。
そのまま何度か続けていると二人から返事があった。
改めて朝食が出来ていることを伝え、広のもとに戻る。
皆で朝食を食べ、遠征最後の狩りに出かける。
昼食を食べてすぐに帰還なので、あまり時間がない。
狩りは特に何事もなく、無事に終わった。
途中、オオカミの群れに遭遇したが危なげなく勝利した。
昨日の戦闘に比べたら数が多くても大した事はなかった。
狩りが終わって、魔石を回収しているときに亜空間倉庫で気づいたことがある。
倉庫を開いた状態で念じると、中に入っている物の数がある程度分かるのだ。
魔石を数えながら入れているときに、つい数え忘れてしまい「あれ?何個入れたっけ?」と思った時に判明した。
メアリーさんから騙し取った魔法も、ほとんど底が突いていた。
昼食を食べて、遠征場所の森を出る。
そこでは既に、迎えの馬車が待っていた。
俺たちは馬車に乗り込む。
少し経ち、馬車は無事に城に到着した。
馬車から降りた後、安田さんと井村さんの二人に声をかける。
話があるから、今から自室に来てほしいと伝える。
二人から了承を得て部屋に向かう。
部屋に入り、話を始める。
「あらかじめ言っておくけど、今からする話は誰にも言わないでほしい。もし、約束が出来ないのであればこの話はなかったことにする」
と、俺は言う。
仮に、城から出て生活していく許可が下りなかった場合や、出ていく前などに俺たちが街を出ていこうとしている事がばれたら、どうなるかわからない。
許可が下りなかった場合、こっそりと出ていくつもりなので何かされたら困るからだ。
すこし悩んで、二人とも頷いてくれる。
俺は、昨日の戦闘で自分たちがまだまだ弱いと感じたこと。ここにいても強くは成れるがこのままだと時間がかかりすぎる事。そして、俺と広は城を出て行こうとしていることを告げた。
「どうして私たちには教えてくれたの?」
安田さんが聞いてくる。
「一つ目の理由としては、安田さんと井村さんが俺たちとパーティだから。二つ目は、念のため一緒に来るか聞こうと思ってね」
俺はそう答えた。
「ここを出た後どうするの?」
「冒険者として生活していく。そもそもここを出るのはレベル上げのためだからね。その過程で生活費が稼げるなら使わない手はない」
「ギルドカードを使えば街から出られるけど、お城からはどうやって出るの?」
これは井村さんからだ。
「城からは普通に・・・ちょっと待った。広、予定を変えていいか?」
「変えるって、どう変えるんだ?」
「団長たちには申し訳ないが、この話は秘密にする」
「え?じゃあ、どうやって城から出るんだ?」
「許可が出なくてもこっそり出るつもりだったけど、警備をかいくぐって出るのなんかそもそも無理じゃね?」
「・・・確かに」
「だから普通に出る」
「普通にって?」
「この前、休暇だった時に城を自由に出入りできるようになっただろ?」
「あぁ、あの金属板ね」
「それ使えば城の表にいる衛兵は素通り出来る」
「でもあれは休暇だったからだろ」
「理由は聞かれたら適当にでっちあげる」
「それで大丈夫か?」
「衛兵に勇者の邪魔をする権限があると思うか?」
「・・・ないな」
そう、ないのだ。
これまで生活してきてわかったことだが、勇者の権限はかなり高い。
いろんな人と話したが今のところ王族や団長以外、勇者に強制力があるものにあったことがないのだ。
衛兵には何かしら聞かれると思うが、受け答えさえ気を付ければ止められることもないだろう。
「じゃあ、城からも街からも普通に出ていけるわけだな」
広は言った。
「・・・まぁ、そうだな。城から出るのは自分で言っておいてあれだが不安が残るな。団長に正直に言うよりマシだが」
「ちょっといい?」
安田さんが声をかけてくる。
「ん?どうしたの?」
「お城から出るだけなら団長に許可を貰えばいいんじゃないの?」
「え?」
「要は、明日だけ休暇を貰えば自由に出れるんじゃないの?」
「「それだ!!」」
思わず俺と広は声を揃える。
「なぜ気づかなかったのか・・・」
「まったくだ」
「あっ、それで二人はどうするか決まった?」
「うん。私たちもついていくことにしたよ。結構悩んだけど、昨日のことを考えるとやっぱり力は必要だからね」
そして、四人で城を出ていくことに決まり、どうやって休暇を貰うか考えて後は団長に話すだけとなった。
また短くなっちゃいましたね・・




