表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/41

遠征二日目・前

感想、評価、お待ちしてます。

 朝になった。


 拠点の中央に皆で集まる。

 エオルンドさんから話があった。今日の予定について。

 実は、召喚された全員が戦えるわけではない。


 天職が戦闘向けでない者や、そもそも戦闘事態が苦手な者など、そういった人達がこの遠征でどう行動すればいいのかがエオルンドさんの話のメインだった。

 説明を終えて朝食を食べる。ちなみに、これが最後の食料だ。

 これから明日の午後までは、食料は現地調達である。


 俺たち戦闘員は、この拠点を中心に探索を進めて食料を探すのが仕事だ。

 食料は、主に魔物の肉や植物などを採取して拠点に持ち帰る。

 食べられるかの判断は、今朝集まった時に渡された冊子にこの森の事がある程度書かれているから、それを見て判断する。


 朝食を食べているうちに一度、ステータスを確認する。

______________________________________


name.真宙・逢沢 (あいざわまひろ)

 種族 人族


 Level.27

 HP 640/640

 MP 820/820

 状態異常・なし

 

 天職.聖女


 筋力  33

 器用さ 62

 素早さ 42


 賢さ  B

 運   B+


 パッシブスキル

  経験値UP・聖なる光


 アクティブスキル

  光魔法Lv.5・空間魔法Lv.3UP・念動魔法Lv.4UP・魔力操作Lv.3・身体強化Lv.3UP・長巻術Lv.1New


 称号

  勇者・聖女

______________________________________


 空間魔法と念動魔法と身体強化が上がっている。

 あと、長巻術というのも新しく覚えたな。

 ・・・昨日の戦闘だけで覚えたのか?だとしたら早すぎだろ。

 ま、いっか。強くなるのに越したことはない。

 レベルも1上がってるな。


 朝食が食べ終わり、それぞれが準備を始める。

 俺は武器を出して背中に着けておく。

 鞘がないから危ないな。時間があるときに作っておくか。


 「そろそろ時間だな。皆、準備はいいか?」


 広がパーティの皆に聞く。

 皆が頷く。大丈夫なようだ。


 「よし、じゃあ俺たちは行動を開始しよう」


 そう言って森の中に入っていく。

 植物などは帰りに採取することにした。移動中かさばるからね。

 亜空間倉庫もあるが、今回の遠征では使わないようにした。


 ガサガサッ


 どこかの草が揺れた音がした。


 「みんな気を付けろ!!何かいるぞ!!」


 広の声で皆が警戒する。


 「「グルルルルッ」」


 草の間からオオカミのような魔物が出てくる。

 数は二体。


 「グァァ!!」


 一匹が突っ込んできた。

 俺に。


 「フッ!!」


 ボンッ!


 「ギャンッ!」


 突っ込んできたオオカミに向かって衝撃波を放つ。

 森の中なので威力は控えめ。強くやると音がでかいからね。


 「グルルルルッ」


 が、威力が低すぎたのか直ぐに起き上がろうとする。

 俺はオオカミに、長巻を突く。


 「ハァッ!」


 「グゥ・・・」


 一匹仕留めた。


 「ガァ!!」


 ヤバッ、一匹忘れてた!

 残ったオオカミが俺に向かって突っ込んでくる。


 「ハァ!」


 安田さんの声だ。

 とんでもないスピードでオオカミの首を切り落とす。


 「真宙くん大丈夫?」


 「あぁ、大丈夫。ありがとう、助かったよ」


 「フフッ、よかった」


 「安田さんこそ大丈夫?実戦初めてでしょ?」


 「私は大丈夫だよ?おじいちゃんが狩人だったから、その手伝いとかやった事あるから実際に自分で殺すのは初めてだけど、畑を荒らしてた狸とかの血抜き作業とか手伝ってたからこういうのは慣れてるよ?」


 「・・・マジか」


 衝撃の事実。

 安田さんはこっちに来る前から狩人だった。


 「・・・とりあえず、肉と魔石とるか」


 今回の目的は食料がメインだが、ギルドに登録しているので魔石もとる。

 お金になるからね。


 実際にやるのは初めてだが、訓練の時にある程度教わっていたので簡単な処理は出来た。

 魔石は今回は関係ないので亜空間倉庫に入れる。

 肉は井村さんの魔法で凍らせて袋に入れた。


 「じゃあ、移動を再開しよう」


 広が皆に声をかけた。

 そして、移動を再開する。


 結構歩いたが、何も起こらない。

 あれから一度も戦闘になっていない。


 「ねぇ、ちょっと寒くない?」


 井村さんが聞いてきた。


 「そうだな、空気が冷たくなってきた」


 広が返す。


 「森がいきなり寒くなるなんて渡された資料には書いてない。警戒した方がよさそうかも」


 俺は皆に聞こえるように言う。

 すこし、歩くペースを落として警戒しながら進む。

 すると広が、


 「引き返そう」


 といった。


 「どうしたの?」


 安田さんが聞く。


 「これ以上はまずい気がする。いや、絶対まずい。今すぐ引き返そう」


 おそらく直感スキルが発動してるな。


 「俺も賛成だ。何かあってからじゃ遅いし引き返そう。食料は別のルートを探索すればいいし」


 俺も広に同意して意見を言う。

 すると、何かが聞こえてくる。

 まだ、何かはわからない。


 「これは、引き返した方がいいね・・」


 「そうだね・」


 安田さんと井村さんにも聞こえたようだ。

 皆で拠点の方に移動を始める。


 また、何か聞こえてくる。

 かろうじて、声だとわかる。


 「ちょっと、急ごう。これはやばい気がする」


 広はそう言って、早歩きを始める。

 皆はそれに合わせる。


 ”ァ・・・・ャ・”


 音が近くなっている。


 「何かが近づいてきてる。もっとスピードを上げよう」


 俺は皆にそう言ってスピードを上げる。


 ”ア・・・・ハ・・・”


 なんだこれ?人?子供の声か?

 こんな森に子供がいるわけないだろ。


 ”アハハハハハハハハキャハハハハハ”


 これははっきり聞こえたぞ!

 やばいやばいやばいやばい!!


 「お前ら走れー!!!」


 広が叫んで皆が走り始める。


 どんなに走っても声が大きくなる。


 ”キャハハハハハアハハハハハハハキャハハハハハ”

 ”キャハハハハハハハハハハアハハハハハハハハハ”


 後ろからたくさんの子供の笑い声が聞こえる。


 周りがどんどん寒くなっていく。

 走りながらでもわかる。

 植物が凍り始めている。


 「キャ!」


 横で井村さんが転んだ。


 「井村さん!!」


 俺は井村さんを助けるために後ろを向く。

 ”向いてしまった”


 「え?」


 思わず俺は立ち尽くす。


 見えた。

 追いかけてきた奴の姿が。


 沢山の子供の化け物とかそんなんじゃない。

 そもそも人の形をしていない。


 形は、鳥。


 でも、羽も、頭も、体も”目”で覆いつくされている。


 くちばしの辺りに”人間の口”のようなものが付いている。


 体の下半分は人間の口で覆われている。


 それぞれの”口”が子供のような笑い声を発している。


 ”それ”が走っているのかもがいているのかわからない動きで迫ってくる。


 心を支配する圧倒的”恐怖”。


 なんだあれは・・・

 この世のものじゃない・・・


 「真宙!!」


 声がした。

 その声で目が覚める。

 だが、敵はすぐそこまで来ている。

 怖い。その気持ちは消えない。


 だが動ける。

 井村さんはまだ恐怖で動けないでいる。


 俺は井村さんの方に駆け寄り、自分の方に引き寄せる。

 念動魔法を発動する。出し惜しみはしない。

 いま、俺に出来る最高火力をぶつける。

 自分を中心に念力が届く全ての空気を圧縮する。

 限界まで圧縮する。

 もっと・・もっとだ・・・いまだ!


 「ぶっとべー!!!」


 俺は、”それ”に向かって衝撃波を放つ。


 ボゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!


 おおきな音と共に”それ”は視界から消える。

 音がでか過ぎて頭と耳が痛い。

 目がちかちかする。

 少しして痛みが消えた。


 景色も消えた。


 「え?」


 森が消えてた。

 干からびた巨大な川みたいになってる。

 吹き飛ばしただけなので干からびてはいないが。


 「・・・やったか?」


 広の声だ。


 「さすがにやっただろ・・・」


 俺はそうかえす。


 「お前たち!何が起きた!!」


 エオルンドさんの声だ。

 振り返ってみると何人かの遠征に一緒に来た騎士も一緒にいる。

 そして、目の前の光景を見て愕然とする。


 「おいおいおい、何が起きたらこうなるんだ」


 エオルンドさんがそう言って、近くにいた安田さんが説明している。


 「はぁ・・・お前たちよく生きていたな。話を聞く限り、それは魔の者で間違いない」


 あれがそうか・・・

 ぶっちゃけ二度と戦いたくない。

 きもいし怖い。


 「真宙のおかげですよ。真宙が消し飛ばさなかったら今頃死んでましたからね」


 広にそんなことを言われる。


 「よしてくれよ。俺だって広がいなきゃ死んでたよ」


 エオルンドさんがいるのに素でしゃっべってしまった。

 もういいか、隠すのめんどいし。


 「そうか。・・・まぁ、お前たちが生きていてよかった。さっきの音が拠点にまで聞こえてきて皆が怯えている。いったん拠点まで戻ろう」


 そう言われて、俺たちは拠点に向かって歩き始める。

 が、


 「団長!あれを見てください!何かが高速で接近しています!!」


 騎士の一人が声を上げる。

 皆がその方向を見る。


 「嘘だろ・・・」


 俺は思わず声に出す。

 俺の視界には”それ”が映っていた。


 何かを垂らしながら飛んでくる。


 ”キャハハハハハハハハアハハハハハ”


 あの声だ。


 「あれくらって生きてたのかよ・・・」


 広が声に出す。


 「魔の者・・・」


 騎士の誰かがつぶやいた。


 「お前ら。戦闘準備だ!!!体制を整えろ!!!」


 エオルンドさんの声が飛んでくる。


 俺たちは第二ラウンドに突入した。

戦闘描写がむずかしいです。

今回そんなに書いてないですけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ