006話 来訪者、大地に立つ・・・(0)
さあ、本編がはじまりますよ。
彼がどう生きるか、今後どうなっていくのか。
それは、作者もわかりません。(人それを無計画という)
徐々に意識が戻ってきて、ふと我に帰った時には、どこかの森のなかに立っていた。
森と言っても、少し傾斜が感じられるので、おそらく小高い山とかそんな所だろう。
日が照っている所から、日中なのは間違いなさそうだ。
体の調子は・・・問題ない。ちゃんと五感を感じられる。
体温もあり、いつの間にか着ている質素な服の肌触りも感じられる。
手がなんとなく小さいので、おそらくあの自称「神様」の言う若返りをしたのだろう。
うむ。若いことはいいことだ。可能性にあふれている。
・・・と思ったら、髪の毛が金髪になっていた。
若返りというから、転移系かと思ったら、転生ものだったでおじゃる。
この分だと他にも色々変化があるかもしれない。
因みに、武器とかお金とかを持っているかと思ったら、何も無かった。
某国民的RPGの王様よりケチな「神様」である。
というか、よくよく考えると、あの「神様」のことや会話の内容を覚えていることに気づいた。
所々曖昧になっている部分はあるが。
「多分記憶にある程度連続性がないと、なんでここにいるんだーって感じになるんだろうな。」
よし。声も若い、声変わりしてなくて高い。
でも、やはり記憶にない声である。そして日本語が話せる。
それが通じるかは別として。
「まあ、何はともあれ人里を探しますか。しかし、周りが木や茂みばっかりで周囲が全くわからん。
もうちょっと気を利かせてくれて草原とか平原がスタートだと楽だったのにな。」
取り敢えず、目下の目標は、山を下ることと、川か何かを探すことだな。
この2つを目標にすれば、人里かそれに近い所が見つかる可能性が高そうだ。
まあ、その前に、人と出会えればより良いが。
兎に角下る方向に歩き始めた。
因みに、歩きながら『ファイヤ』とか、『メラ』とか唱えてみたが、なにも出なかった。
きっと魔法が出るのにも法則があるのだろう。というか自分に魔力とかあるんだろうか?
そして、数分歩いた所で、後ろの茂みからゴソゴソと音がした。
何だっと振り返る暇もなく、首の付近に強い打撃を受けた。
ゴキャ、という何か致命的な音がした気がする。
薄れゆく意識の中で、何か茶色い毛むくじゃらの大きなものを見た気がする。
音の正体やみたものが何なのかを確かめる間も無く、更なる打撃を頭に受け、上坂章悟は死亡した。
«スキル『リピート』が発動しました。»