002話 始まり~ある男の一日②~
「ふ~ん。なるほどね。それで今日の朝はギリギリだったわけだ。」
そうヤツは呟いた。そのヤツと言うのは友人のユウキだ。
なんの因果か中学からの付き合いで、そのまま何故か大学まで一緒になってしまった。男である。
「そういう事、しかも中途半端な体勢でよくわからん時間に寝たせいで眠いし。」
「ところで、一体全体何を観ていたんだい?最近観ているアニメでなんか貯めているのあったけ?」
そう言ってユウキは首をかしげた。
その動作も含めなんだか可愛らしく、線も細いため、中性的な印象も受ける。
だが、残念ながら男である。
というか、こいつはモテる、俺と同じオタクのくせに生意気である。
「今季のは、ボチボチと消化してるから問題ない。そうじゃなくて昨日は、レンタルしたのを一気見してた。」
「何を?」
「ダブルオー」
・・・なんかビミョーな顔してるなこいつ。
「確か去年一回観たって言ってなかったけ。」
「しょうがないじゃん。名作は2回は観たくなるもんだって。
というより、ゴールデンウィーク中に見始めて途中になっちゃったもんで、それの続きだよ」
「・・・因みに感想は?」
「なんで、ガン○ムがこの世に無いのだろうか。いや、むしろ俺たちはガ○ダムになるべきだ。」
「色々とツッコミどころ満載の感想だね。というか、どうやってなるのさ。」
呆れ顔のユウキさんである。
「やっぱそこだよね~。ということでユウキさん、ここは一つ髪の毛を剃って、無人島で研究をしてくれ。俺は友人として時々見に行ってあげるから」
「なんでさ。そんなのは自分でやって。というか、その前に先に謎粒子を見つけないと。」
「ですよね~。というかその前にロボットだろ。折角ロボット学科にいるんだから、なんとかつくれないかな。ユウキ博士。」
「いや君も同じ学科じゃないか。というか物理的に無理でしょあんなの。現状の科学では、どう頑張ったって重力下で歩行できないでしょ。」
「うーん。やはりせめて、軌道エレベーターかコロニーぐらいが作れる科学力が無いと無理か。」
「それか、宇宙船入りの隕石とかライオンが降ってくるか、古代の遺跡から何かが発掘されるかだね」
「現実は厳しいねぇ。」などと話していると、ちょうど昼食の鐘という名の俺の腹が鳴った。
「・・・ともかく、こんなところで馬鹿話してないでお昼にいこうか。朝の様子だとあんまり朝食食べてないんだろ。」
「そうだな。いや、全く食べてないわけじゃないよ。慌ててたけどパンぐらいは食べながらきたし。」
「はいはい。わかったから早くいこう。僕もお腹すいてきたし、近いから今日は食堂にしようか。」
「そうするか。」
そう言って二人はゆっくりと、講義室を出て行った。
第二話できました。
実際に書いてみるとなかなか進みませんね。
ネタはあるのに書けない、このギャップがたまらない。
というか、ガン○ムは大丈夫なのだろうか?