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神も悪魔も倒す孤独な魔神の物語  作者: ロクライオン
1-2 唸れ!飛べ!鉄拳!! 祭りに試験にまた祭り!?
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031話 振り返りは『お約束』

・・・なんだかんだ気づけば、もう2年近くもこの村にいることなる。


あの『災害』の後、何かが劇的に変わったかと言われれば、そんなこともない日々であった。

それは多分、このプエナ村が被害が少なく支援をする側だったこともあるし、王都側から遠く、あらゆる意味で僻地であったことが由縁だろう。


強いて上げるならば、少し復興支援の手伝いが必要だったり、村に人が流れてきたり、低賃金で手伝いにきた冒険者の人らが村の宿屋に泊っていることが増えたりといったくらいである。


なぜ、他人事ぽいかと言うと、俺たちも最初の方こそ手伝いに駆り出されたが、大体一ヵ月程でほぼ元の修行の日々に戻ったからである。

被災した街や村の救助活動がひと段落して人が帰ってきたため、ひとまずは普通の生活に戻されたという話である。


数回、手伝いで復興中の街や村に連れて行ってもらったが、確かに凄い勢いで復興が進んでいた。

前いた世界では確か地震とかの復興に5段階位あった気がするが、それで示されていた速度より遥かに早い印象を受けた。

最初の1週間位でテントや食糧等がほぼ全員にいきわたっている状態であり、瓦礫の撤去や被災者の救出もほぼ終わっている感じだった。元の準備がしっかりしていたことや、建物が高層建築になっていなかったこともそうだが、救助や復興に当たっていた人達のスペックが高かったことも大きいみたいだった。

救助は主に冒険者の特にランクの高いパーティー主導で行っていたらしいのだが、瓦礫の除去、埋もれた人の救助、および治療が数人ですべて賄われていたようだ。元の世界ならば、自衛隊や警察的な人たちが重機などを使って救助、搬送、その後治療の流れなので速度的な意味での差は大きい。

その後の復興も、彼らの活躍で順調に進んだようである。


だが、それでも犠牲者や重傷者がでたこともまた事実でもある。

如何に、個々の能力や事前の準備が有ったとしても、死んだ人は蘇らないし、現場での治癒魔法程度では限界があるのだろう。しかも、今回は事前に『災害』が起きることが想定されていたが、もし、それが分からなかったらどうなるか。正直、あまり想像したくはないが、被害の規模は今の比ではなかったと思う。

それを考えると、やっぱりもっとあの『怪物』達のことを知るべきだし、『()()』もするべきだと思う。

最も今の自分では、まだ能力や資金、仲間等あらゆる意味で足りない部分が多すぎるわけだが。





さて、自分たちは比較的順調に修行をつづけた訳だが、徐々に能力に差が出てきた。

大雑把に言うとこんな感じ。


魔法

アリス≧自分>リッカ>>>ミリア≧フォリオ


戦闘力(魔法抜き)

ミリア>フォリオ≧自分>アリス>リッカ


座学

リッカ≧アリス>フォリオ>ミリア≧自分


・・・大体こんな感じである。

総合的な戦闘力はそれぞれ個性があり、誰が強いとは一概に言えない面がある。

そして正直、俺の座学に関しては言語的な面が足を引っ張っている。

言葉についてはようやく最近になって、ちょっとした読み書きや会話にあまり困らない程度になった位だ。

そんな程度な訳で日本的にいう国語の教科は、あまり出来栄えがよくないのである。

更に言えば、これは他教科でもいえることで、問題文を読んだり、回答を書くのに時間が掛かってしまい、テストという形で見ると正直あまり良い点数が取れない。

最も異世界から来たってこともあるので、その辺は多少融通が利くらしいのだが。

それより、もっと問題なのは、理数系だ。

勉強を進める程に頭が痛くなってくる。

数学系は、四則計算や税率の様な生活にかかわる部分であっちにいたときに使っていたのとほぼ変わらない部分なのでそれはまぁよいのだが、理系がなんていうかおかしい。

なんかこう錬金術とか魔法とかが織り交ざった独特な学問になっていて正直訳が分からないのが本音である。

今受けようとしている試験そのものが、対象年齢が10代前半で、生きていくための最低限の能力を測るものなので、まだいいのだが、仮に俺が、こっちの学校の様なところに行った際にこれが続かないことを願うばかりである。

まぁ最もそれ自体が、この試験の出来栄えにかかっているわけだが。

因みに、魔法学系、魔法陣や魔法薬、錬金術などは得意である。

魔法陣とかは、メインが図形を覚えるところだし、魔法薬とかも何と何を組み合わせるかを覚えて応用するのが主なので、とっつきやすいのだ。


魔法といえば、俺たちは師匠の英才教育を受けているという形になるのだが、どうやら実力的には一般的な冒険者をかなり超えているらしい。

最近師匠が、いないときは、冒険者の人らが相手をしてくれる体制になっているのだが、魔法があまり得意じゃない、フォリオやミリアが普通の魔法職と同等位の実力らしい。

大きい魔法が使えるかという所よりも、魔法の発動速度や精度なんかが実践レベルとかだそうだ。

更にいうと、魔法だけでなく、俺たちは武器を使った戦闘力も高い方らしい。

なんでも実は、稽古をつけてくれているトムさん、あの人実は、元Aランクの冒険者でそれもかなり上位だったらしく、そのおかげの様だ。

全く人は見かけによらないものである。

という訳で俺たちは、順調に()()()()として育ちつつある。冒険者の人らからのパーティーの誘いも若干あったりなかったりする。

・・・なんかそれはそれでいいのだろうか?


そう言えば結局、この辺りの言語(ラカロフ語とかいうらしい)を使うに当たって『翻訳』スキルはあまり役に立たなかった。というか、『スキル』というものそのものががそもそもよくわからん。

発動条件とか、使い方とか本当に使いこなせているか事態が不明だ。ゲームとかだと使うコマンドとかが有ったりすると思うのだが、今いるのは現実世界だしなぁ。

と思ったら、最近知ったのだが、どうやらこういうスキルとかを使いこなすのは、今受けようとしている試験を受けてからが本番らしい。

一般的には、試験を受けるまで、自分の持つスキルを知らないのが普通らしく、それを知ったのちに、訓練所の様な所で使いこなせる様にするそうな。

更にいうと、大抵はあまり稀有なスキルはないので、あまり重要じゃなく、あればラッキー位の扱いだとか。

なので、このことについて今はあまり気にしないことにした。

気にしても、どうしようもない事を気にするよりも、目の前の事をこなすのがまずは重要である。

・・・とは言っても独学でもいいから少しづつ使ってみる訳だが。

使い方が分からないにせよレベルが上がっているスキルもあるようだし。



閑話休題。

さて、冒頭でも述べたが、この村に来てもう2年近く、つまり、もうすぐ能力評価試験があるということだ。

具体的には、丁度一か月後らしい。

なんで、それが分かるかというと、今俺たちはその説明に、通いなれた村長宅に呼ばれ、その説明が始まった所である。


「という訳で、明後日より君たちを送り出す為のお祭り、兼、武闘祭を執り行う」




・・・なんか雲行きが怪しくなってきた。

お待たせいたしました。


ようやく再開いたします。


色々ありましたが、私は元気です。


なんかPCがお釈迦になって、記録用に使っていたHDが死んだり、リアルで常に頭痛がするレベルの体調不良に出くわしたり、様々な面で散財したり、腱鞘炎が出たり消えたりしましたが問題ありません。


えぇ、きっと多分恐らく。


相変わらず、書き溜めなんかありませんが、ボチボチ書いていこうと思いますので、ゆっくりとついてきてくだされば幸いでございます。


さて次回『開幕武闘祭(仮)』をみんなで見よう!



補足:本編のスピードから考慮して、修行の風景については、おまけで書こうと思います。

ご了承下さい。

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