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神も悪魔も倒す孤独な魔神の物語  作者: ロクライオン
1-1章 『魔法って何だろう?』
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018話 コンサルト CONSULT

「さて、あんたが懸念しているメリットだが、大きく4つもある。

世界としての有益性、村としての有益性、そして私個人の関係が2つ程」


よほど機嫌がいいのか喜々として話始めた。


「まず世界としての有益性についてだが、まぁこれはアンタが今後成長する事でこの世界に何らかの影響を与えるだろうってとこだね。異世界の感性や知識とかが世界の発展に繋がるかもってところさ。といってもたかが子供の知識だ。これについてはあんまり当てにはしてないよ。

次に村としての有益性。これは、アンタが今後活躍したりしてくれたら村の宣伝になるって所さね。色々登録するときに出身がこの村にしてくれればありがたいね。

ここまではいいかい?」


「要するに、今後成長して成果を上げてくれってことですね」


「まぁ噛み砕けばそうなるね。正直私としちゃこれらはどうでもいい事さ。それより後2つが重要さね。

まず一つ。私が個人的に教会が嫌いってことだ。大体どこも孤児院関係は教会が牛耳っている。アンタの持つその膨大な魔力は純粋に教会側に強力な力を与えてしまう。それにあいつらボンクラ共はヘタするとその魔力や才能に気づかずに埋もれさせたり、違う用途に使ったりするかも知れない。それだけは阻止したいのさ。

そして、最後の一つだが」


そういってからジーナさんは、一度言葉を切って手元の飲み物を一口のんでから続けた。


「うちの孫のアリス、彼女の友人兼ライバルとなって欲しい」


そう呟いた。


「・・・孫のアリスちゃんってあの青い髪の子ですよね」


「ああそうだ。詳細は省くけど、あの子はアンタと同等の魔力をもっていて、魔法の才能にも溢れている。なんだが、色々あって同年代の友人というものに恵まれなかったのさ。あの子がこの村に来たのは実は一週間程前なのでまだ村にも馴染みきっていない。

まぁ村にも同じ位の歳の子は数人いるから、いずれは友達はできると思う。だがね、対等に渡り合える友人にはならないとも思うんだよ。あの子と他の子では魔法関係では今後絶望的な差があるからね。

それに、あの子は正直魔法以外がからっきしだ。いや興味がないって感じかね。

そんな状況なんでアンタがせめて対等な相手になってくれれば、あの子にもいい刺激になるかと思うのさ。

これがアタシの考えているメリットさ。

さて、アンタはどうしたいかい?」


と最後に問いかけてきた。

正直こっちとしては提案は願ったり何だが、そんなことよりも目の前の女の人がアリスちゃんの祖母ということの方に衝撃を受けていたり居なかったりした。

いや、だってあれだよ。

今の格好は普通だが、昨日の格好とか顔とか見てたら、精々30代前半位だ。

こっちの結婚出産事情がどうかは知らないが、日本的に置き換えれば若くても50代だろう。


すごいな異世界などと異世界若作り事情が脳裏に浮かんだのはさておき、早く返答をせねば。

ここは無難に。

「・・・えっと、色々教えてくれて有難うございます。ある程度納得ができました。こっちとしても、頼る相手も居ないので、願ったりかなったりです。期待に添えるかわかりませんが、これからご指導よろしくお願いします」

軽く頭を下げておいた。完璧だ。


「なんか今全く関係無い事考えてなかったかい?・・・まぁいいか。腹積もりが決まったようだし、まずは今後のことを話そうかね」


「今後といいますと?」


「これからの方針と目標だよ。必要じゃないかい?」


「そうですね。両方あれば、励みになりそうです」


「まず方針だが、兎に角魔法の使い方を覚えてもらう。まずはそれがなきゃ話にならない。

それと同時にこっちの言葉を覚えてもらうよ。この世界で生活する以上こっちも急務さ。

この2つがある程度できる様になったら、剣術や魔道具の作り方とか幅を広げていくから」


「なるほど」


「それで、目標だが。約2年半後にこの国統一の能力検査ってのがある。そこでトップを取る。いや別にトップじゃなくてもいいが少なくとも総合で、アリスを超えるってのを目標にしてみな。」


「その能力検査ってのは何ですか?」


「まぁ言葉どおりさね。4年に1度程開催していて、この国の10歳前後のものが全員受ける事になっている。それの成績如何で高等教育が受けられる様になるって感じさ。

別に受けたから学校に行かないといけないってわけじゃない。が、少なくとも自分の能力を知ることで今後どんな方向に進み安いかって判断ができるってもんさ」


「へーなるほど」

恐らく中高で受けた統一模試とかそんなイメージか?


「まぁ細かいことはおいおい教えていくよ。という訳で明日からガンガン詰め込むからそのつもりで今日は休みな。あの子を超えるのは生半可なやり方じゃ難しいからね」

実にいい顔で微笑んでいる。これはきっといいおもちゃを見つけたって顔だろう。


「もうひとつだけ、聴いてもいいですか?」


「なんだい?」


「あなたがアリスちゃんの祖母だってことはわかりましたけど、彼女の両親は?ここに住むことになるなら、挨拶をと思ったのですが」


先程から少し疑問だったのだ。

目の前の人物がこの家のトップだったとしても、両親を無視して、ライバルだのって言葉がでるのだろうか?

更に言えば、なぜここの机は6脚しか無いのか?

アリス、両親、祖父母とか考えると机のスペースが小さい。

また、先ほどの厨房の調理器具のサイズも小さかった。

ひょっとしたらこの家にはいないのかもしれない。


まぁ色々パターンは考えられる。

出稼ぎとか、都にいるとか、離婚した等々。


「死んだよ」

さっきまでとは打って変わってあまりいい顔はしていない。


「え?」


「だから死んだって言ったのさ。あの子の両親はもう亡くなったよ」


「えっと、それはなんていうかすいません」


「別に謝ることは無いよ。事実は事実さ。だが、そのことはあまりあの子には言わないでやってくれ」


「知らないのですか?」


「いや、知ってはいるさ。ただ、その経緯は詳しく教えてない。まだまだあの子は未熟だからね。

教える事で暴走する危険がある。あの子の保護者としてはそれは看過できないね。

そういう訳であまり深掘りしないでくれ。なに、時期がきたら話すつもりさ」


やはりあまりいい話題では無かったな。

アリスちゃんもそうだが、恐らくジーナさんの中でも精算しきれてない出来事なのだろう。



「さて、私はまだやることがあるからここで失礼するよ。何度も言うけどさっきのことについては、あの子をあまり刺激しないでやってくれ。アンタも死にたくないだろう?

取り敢えずは、食べたら部屋で休むといい。おそらくアンタが考える以上に、体の方がつかれているだろうからね」

そういってジーナさんは、立ち上がると足早に食堂を出て行った。



取り敢えず、まだお腹に入りそうだったので、もう一杯シャイナさんにおかわりをもらった。

食べながら、さっきの話を落ち着いて考えてみた。

あのアリスって子はあの婆さん(?)の孫だ。

言葉からすると恐らく魔法に関しては相当優秀なんだろう。

それをゼロからのスタートの自分に超えろって言うのが可能なのだろうか?

なんかすごい無茶振りされてる気がする。

本当にこの人について行って大丈夫か若干不安な部分もあるが、現状他に手はない。

それに、ジーナさんも厳しいだけの人って感じでも無かったし。

まぁなるようになれだ。



そんな訳で、なんとか俺は、この世界で生きる為の一歩を踏み出し始めた。


GW中に更新したいと言っときながら結局こんな時間になってしまった。


すいません。


火曜から金曜まで家から離れていたのでなかなか時間が取れず気づけばこんな時間です。


え?

土日はなにがあったかって?



・・・実は積んでたゲームを掘り起こして『時わすれの迷宮』に潜ってハマってました。


てへぺろ(^^)/


△1 20170517

後半部アリス関係追記。

追記により、前話も一部の数値を修正。

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