表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神も悪魔も倒す孤独な魔神の物語  作者: ロクライオン
1-1章 『魔法って何だろう?』
20/36

017話 覚醒(ねおき)

ハッと目が覚めたら、今度は明るい部屋だった。


さっき目が覚めた時は、あまり気にしてなかったが、その時は周囲は暗かった。

状況から考えると夜だったと考えられる。

今は違う部屋だが、外には太陽がサンサンと照っていた。


恐らく昼だろう。


「また、知らない天井だ」


「ふん、ようやく目覚めたかい」


首を動かすと、先ほどのおばさん(?)が座っていた。

どうでもいいが、俺がおんなじ言葉を発すると人が座っているシステムなんだろうか?


「えーと、こんにちは」


「ああ、こんにちは」


「先程と違う部屋みたいですが、ここはどこでしょうか?」


「ここは、私とバカ孫が住んでいる家さ」


「周りが明るいようですけど、ひょっとして」


「ああ、お察しの通りもう昼さ。まぁアンタの寝坊のおかげでこっちは準備ができたわけだが。」


話しているうちにだんだん機嫌が悪くなってきているみたいだ。

心なしか顔付きがそんな感じだ。

なにか大事なことを見失っている様な・・・。


「あ、言葉が通じてる」


「やっと気づいたかい。まぁ流石にそこまで察しは悪く無いか。あんまり頭の回転が悪いようなら、今後教えていくにも支障が・・・


グゥ~~~~。


いい音がした。


「・・・そういえば、アンタ昨日から何も食べてないか。動けそうかい?」


取り敢えずベッドから降りて立ってみた。

少しふらつくが、短時間歩くには問題なさそうである。


「空腹でふらついてますが、なんとか」


「そうかい。じゃあついてきな。シャイナがアンタの為に、用意してたはずだから」


そういって歩き始めた。

なかなか速い。

とりあえずついていきながら色々聞いてみる事にした。


「ええと、ジーナさんで良かったですよね?」


「そうだよ。それが?」


「いや、さっきまで言葉が通じなかったから本当か不安で。突然どうして通じるようになったんですか?」


「・・・まぁ後で詳しく教えるが、かいつまむと私が言語通訳の術式を組んでそれを起動させているだけさ。

アンタの腕に巻き付けてある腕輪があるだろ、それが子機の役割を果たして自動翻訳してるのさ。

精々無くさないようにしな。」


言われて確かに見たことのない腕輪をつけているのに気づいた。

重さがほぼないミサンガ(?)の様な感じで気づかなかった。


「起動している間はアンタの魔力を吸ってるが、アンタならそれで支障が出ることは無いさね。

範囲は、大体村の中位だから、あんまり外に出ない様にしな。」


「お手数おかけ・・・」


「さあ、付いた入りな」


イマイチ会話をさせてくれないおばさんである。

付いた所は小さい食堂の様な感じだった。

6人分の椅子が置いてある大きな机があり、それ以上には特筆する感じは無かった。


「ここに座りな」


指さされて取り敢えず椅子に座った。


「シャイナ、他の仕事している所悪いが来てくれ。寝てたガキが起きた。食事の準備を」


「はいはい。聞こえてますよ。そういうと思ってもう温めてありますからしばしお待ちを。

僕ちゃんも少々お待ち下さいね。」


そういうやり取りがあって、しばしした後、食事が運ばれてきた。

運んできたのは恰幅のよいおばさんだった。

格好的にお手伝いさんなのだろう。

用意された食事はシチューの様なものとパンであった。


「久しぶりの食事だろうから消化の良さそうなものにしたよ。ゆっくり食べな。

ここの機嫌が悪そうな婆さんが呼んだから判るかもしれないけど、私はシャイナだ今後共よろしくね。」


「えっとショウです。こちらこそよろしくお願いします。」


「おかわりはあるから、欲しかったら呼んでくれ」


そういって出て行った。


「ふん。まぁ食べながら聞きな。アンタの言葉関係はアリスの話しとアタシが聞いた言葉から探しだした。200年位前にアンタのいた世界からきたと思しき人の言語辞典があってそれを使用して翻訳している。

こうやって通じている所を見ると問題なかったみたいだね。」


ふんふん、食べながら同意しておいた。

見た目以上にシチューだった。うまい。


「・・・さて、今後の話しをするよ。調べた最中に解ったが、アンタのいた世界はこことは違う。

流石に、アンタの世界がどんな世界かは記録があまりなかったが、いずれにしてもここから戻ることはほぼできないと思ってくれていい。こちらから異世界に渡る魔法や技術は私は知らない。少なくとも私の専門外だ。

それでも探すなら勝手にすればいいが、いずれにしても言葉が通じないし、戦う技術がないアンタじゃすぐに野垂れ死ぬのが関の山さ。


・・・一応聞いておきたいが、アンタ、魔法は使えたりするかい?

もしくは、アンタのいた世界には魔法が有ったりしたかい?」


全力で首を振っておいた。

少なくとも俺のいた世界には、魔法は存在しなかった。

いや、厳密に言えば、そりゃ物語やアニメの世界では存在しているが、それをカウントできるほど

頭の中はファンタジー寄りではない。


「そうか。やはりそうかい。

では、私からの提案だが、ひとまずこの村に住まないかい?

ここに住んで言葉と魔法、剣術その他諸々の技術を習得してみないかい?」


「もぐもぐもぐ。・・・・ゴックン。えっと、色々と聞きたいんですが質問しても?」


「構わないよ」


「まず、その異世界からの転移ってのは頻繁にあるものなんですか?」


「数十年前スパンではあるね。どんな世界から来るかは不明だが、大抵はここと近い世界から突然あらわれる。本人も気づかないうちに来て、そのまま野垂れ死ぬか奴隷になる、運が良ければどっかでいきて行けるって寸法さ。

因みに、なんで起きるかはなんとなくわかるが止める手立ては無いね。」


「なるほど。・・・じゃあそれを踏まえたうえで聞きたいんですけど、自分をこの村に住まわせて、色々教えてくれるメリットがわかりません。この世界の仕組みはわかりませんが、自分みたいな孤児とかは大抵孤児院とかがあってそこに預けるのでは?

そうじゃないと村とか個人の負担が増えていく一方ですし。」


キョトンとしている。よくよく考えたら、ちょっと踏み込み過ぎたか。

少なくとも10歳そこらのガキが心配する内容じゃなかったかも。


「クハハハハハ。ハハッ。うちのアリス位のガキがメリットを語るか。hahahaha。いいねぇ。悪くないよ。現実を受け入れる速さも早けりゃ、先を見据えるのも早い。

これだけ頭の回転が良ければ私の弟子としてみても十分だ。ちょっと直接的過ぎるがガキ相応で結構さね。益々気に入ったよ。」


何故か気に入られた。

2周間ぶりの投稿になります。


因みに昨日は、夜の12時に寝て、ほぼほぼ連続で昼の2時まで寝るという素晴らしい休日でした。

地味に連続睡眠記録更新しました。


折角のGWだし早めに投稿したいなぁ。



△2 20170524

魔法有る無し問答を追加

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ