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神も悪魔も倒す孤独な魔神の物語  作者: ロクライオン
1-1章 『魔法って何だろう?』
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009話 こちら神様事務所前・・・(?)

目が覚めるとまず、数歩先にドアがあった。


周囲を見渡すとなんだか、白い空間が無限に広がっていた。


足元は、まるでガラスの様な透明なものであった。


そして、体は、あの10歳の体であった。


「あ~。うん。ひとまず、また会いにこれたってことかな?」


とりあえず、よくわからん空間だし、今までと違う感じだからそうであると、考えた方が良さそうだ。


ひとまず、ここに居てもしょうがないし、ドアを開けようとすると、ドアプレートが掛かっていることに気づいた。


〈 神様休憩中。御用の場合はノックしてね(>ω<) 〉


なんかムカついたので、無視して勢い良く蹴り開けることに決めた。


バタン!!


いい音がした。


『おやおや、これは行儀の悪いことで。人の部屋に入る時はノックをしなさいと言われなかったかい?』


そこは、調度の整えられた部屋であった。

そして、奥のデスクの椅子で指を組んで、なんだかニヤニヤした青年(・・)が座っていた。







なんだか見透かされているようで更にムカついてきたが、無視してまずは、聞いてみることにした。


「あんた、あの時の神様(・・)で合ってるかい?」


『そうですよ。その神様(・・)であってますよ。前にも言ったけど僕の形には、一定のものはなく、相手に合わせて自動的に変化するんだよ。』


「あー。そういえばそんなことも言ってたっけ。」


『うんうん。そう言いましたよ。それで?今回の訪問の要件は何かな?』


言われてふと気づいた。前回と状況が違って戸惑っていたが、確かに、ここに来たからには、何かした方が徳だろう。


「・・・前回恨み言は無しって言ったしな。じゃあいくつか質問とお願いをしていいか?」


『どうぞ。前回同様に対応できる範囲ってのがあるけどね。』


「仕事の管轄ってやつか。まあいい。んじゃ答えられる範囲でお願いしたい。

一つ目、あの生き返りの事を知りたい。条件と回数制限を特に。

二つ目、何故あの場所が始まりになって、あの世界の生き返りポイントなのか知りたい。

三つ目、前回は聞きそびれたが、あの世界がどんな世界か教えて欲しい。

四つ目、魔法が使える世界って聞いたし、魔法を使いたい教えてくれないか?

・・・今思い付くのはこんなところかな。」


『前向きだね。実に喜ばしい事だ。だが残念な事に全てに答える事は出来ない。』


何処か嬉しそうで、かつ困った様に切り出し始めた。


『まず、大前提として、先程から出ている管轄というものがある。言い換えると取り決めかな。

これはね、大雑把に言うと、自分の管理していない区画には基本的に干渉しないということと、特定の種族や個人に対しては、世界のバランスを極端に崩す様な肩入れはしないという二つで成り立っている。

これを崩すとね、ちょっと業界が五月蝿いんだよ。』


なんというか急に人間臭くなってきた。なんだよ業界って。


『そりゃ神様も性格を持った一個体だからね。大それたもんじゃないが、組織があるのさ。

さて、それを踏まえた上で、答えるよ。』


そうナチュラルに心を読みながら答えてくれた。


『まず一つ目だ。その生き返りは、僕の与えたスキル〈リピート〉の影響さ、回数制限は無し、発動条件は君が意図しない現象で死んだ時。効果は、君がその世界で生誕した時間、場所への帰還ってとこかな。』


「凄いな。まるでチートじゃないか。」


『まぁかなり劣化しても神様の力だよ。凄い事は間違いないさ。だけど気をつけたまえ。逆に君は、そう簡単には死ねなくなったんだからね。

さて二つ目だが、その場所は偶然だよ。何故ならこちらから君のいる世界への観測は細かく出来ない。指定出来たのは、人に見られない、かつ、人里から離れたって所へってレベルさ。

なので、三つ目の質問に満足に答えることも難しい。僕に分かるのは、そこの世界の特徴と管理上の符号位だよ。』


「それじゃ、そのことについては、あんたに期待してもしょうがないな。」


『・・・一応補足しておくと、君と君に発生している事象についてはある程度観測できている。これは、君自身が僕を信仰しているという事になっているからだ。』


「え?いつの間にそんなことに?」


『スキルを付与するってことはそういうことさ。って言っても形だけだよ。

別に、僕を敬わないから天罰だーとかそんなもんは無いけど、強いて言うと僕の事を忘れて、違う宗教とか、神にのめり込んじゃうと僕の与えたスキルのレベルとか能力が落ちるって位かな。』


「ふーん。まぁ形だけならどうでもいいか。」

日本人特有の宗教観ここに極まれりってとこだな。


『あはは。まぁたまには思い出してくれると嬉しいよ。信仰力が育つと多少恩恵もあるしね。

さて、最後だが、4つ目は少しだけ叶えてあげられるよ。』


そう言うと椅子から立ち上がり、こちらに歩いてきた。

前回と違ってなんだか大きいため、少し威圧感を感じる。


『そうビビらないで。寧ろ力を抜いて、目をつむって、そして丹田に力をいれて。

・・・そう、それでいい。いいかい。僕が今から教えるのは、魔力の出し方だ。

これは、魔法が使える世界では、比較的普通の事だから大丈夫な範疇だよ。』


そう言って、目をつむっていると肩に手をかけてきた。

その手が何か温かいと思っていたら、すぐに自分の体内からそれと同じモノが膨れ上がって来るのを感じた。


『そう。それが魔力だ。それが出せるだけでまずは第一段階だよ。安心していいよ、ここでは、止めないと死ぬってことも無いし、慣れれば簡単だから。ここで練習するといい。

出して簡単に纏うだけでも身体能力が向上して、威嚇にもなるから、うってつけじゃないかな。』


しばらくすると確かに止め方が判ってきた。

なんかこう、水道の蛇口を止める感じだ。

逆にひねると出てくる、そんな感じだ。


『うん。掴んできたみたいだね。他に質問は?』


「今のところはないかな。」


『そうか。それで、もう戻るのかい?戻るなら後ろの扉をもう一度開ければ戻れるよ。』


「ああ、戻るよ。確かになんか殺されてばっかだが、まだ生を謳歌していないから。」


『そうかい。頑張りなさい。若者よ。』


「ああ、じゃあまたな」


『はいはい。じゃあまた死んだ時にでも(・・・・・・・)


物騒な言葉を背にして、また生き返る事にした。


次こそは、山を制覇してみせる。



《スキル<リピート>が発動しました。物質世界に復帰します。》

キャラが濃いのでまた出てきた神様でした。

といってももうそんなに出番は無いでゴザル。

たぶん。きっと。おそらく?


というか、登場人物がまだ3人しかいない上、まだ本題に行きつけないでござる。


無念。


でも大丈夫。

あと2話位したらようやく、人が増えます。

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