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第1話 終わりの始まり

あらすじにも書きましたが、今回初めて小説を書かせていただきます。拙い文章や誤字脱字等、読みにくいことも多々あると思いますが精一杯頑張りますので宜しくお願い致します。



 

 私の名前は早瀬由来。

 

 今年から高校生の15歳。

 

 今日は必死に勉強して合格した私立藤宮高等学校の入学式ということで足が浮き立つ。

 スカート短くして、屋上でお弁当食べて、素敵な彼氏をつくって………、と夢が詰まった憧れの高校生活に、入学前からどきどきしてたまらない!

 中学のときは色々あって苦痛の毎日だったけど私が通う高校に、同じ中学の人はいない。だから心機一転!新しい友達をたくさん作りたい!!

 

 

 

 なんて思っていた矢先のことでした。

 

 

 突然全身に大きな衝撃が。

 

 ドンッ!!!!!

 

 その直後に微かな浮遊感と全身の痛みが襲い、そのまま半身をコンクリートに打ち付けた私。

 何がなんだかわからないけど、意識と視界が酷く朦朧としていく。よくみると私の周りは赤く染まってる。血です。大事なことなのでもう一度言わせてください。血だよ。

 

 あぁ、私、こんなに血がいっぱいでてる。

 

 焦ることもやめて他人事のようにぼんやりと思考を進めた。視界が霞んでもうよく見えなくなったからかな。いや、もしかしたら自分の状況がいまいちわからないからかもしれない。

 どちらにしても、今の私にはからだどころか瞬き1つすらも嫌になるほど億劫で。周囲の状況を認識するための道具は聴覚だけとなり、私は霧がかった頭で周りの音を聞いた。

 

「女の子が車に轢かれた!!救急車を呼んでくれ!!」

 「わ、わかりました!!!」 

 

 なんにんもの大人の不安そうな声が耳に届く。どうやら私は車に轢かれたらしい。凄い衝撃だ。これは完全に死にますね。自分の体のことだからなんとなくだけどそう思う。憧れの高校の入学式に不注意で事故に遭うなんて、なんてついてないんだ。不幸にもほどがある。

 もう、今となってはもう過ぎたことだけど、私はもっと生きていたかった。生きて素敵な高校ライフを謳歌したかった。私は死ぬ確信があるからこそ生への憧れが湧いてきた。

 


 神様、どうか___、

 

 

 そして由来の命はあっけなく果てました。

 


 そう、由来の命、は。

 

 

 

 ***

 

 

 

 ビクン。

 

 私は一体どうなったのか。

 死んでしまったと言うことはきっとここは天国と地獄の境目のような場所なのかもしれない。若しくは天国だ。中学で大変な思いをしたのに死んで地獄にいくなんて割に合わない。そしてここは本当にどこなのか。せめて場所の確認を、そう思って周囲を見渡す。

 私の視界に入ったのはベッドに勉強机、クローゼットなどなど身に覚えのないものばかり。



 「……誰かの、部屋?」

 

 


 え。私、なんで人様の部屋にいるんだ。不法侵入とか笑えない。犯罪です犯罪。どうにかして記憶を漁ってみても思い出すのはあの事故だけ。一体何がどうなったらこんな意味のわからない場所になっているのか。思わず頬をぐいっとつねった。普通に痛い。どうやらこれは夢ではなさそう。

 


 そこでふと、私は大きな違和感に気づいた。体がいたくないよ。腕や足などにも傷は見られない。どうなってるんだかわけがわからない。私はもう混乱しまくりだ。

 丁度部屋の隅に鏡がおいてあったのでのろのろと鏡の前に立った。すると、そこにいたのは私、由来の姿ではなかった。

 

 

 「え?……………えええええ!?!?」

 

 

 鏡に写ったのは、可愛い女の子。

 艶のある黒髪のロングヘアに黒曜石のような黒い瞳。それとコントラストに雪のように白い肌。どこからどうみてもモテることがわかる姿。


「な、なんで、私………え?」


自分の姿の変わりように動揺が隠せない。私はもう一度頬をつねる。さっきの倍の力で。でも、やっぱり痛い。すっごい痛い。夢ではないのか。夢でないなら誰か今の状況を説明を。

 

 

 うー、っと声にならない声を出しているとふと、机の上の封筒に目がついた。なんだろう。これ。

とりあえず持ってみる。重さは見た目と同じようなものだ。厚みはそこそこといった感じかな。というか、勝手にさわっても大丈夫なのか、これ。まあ、仕方ない。ことがことだし。今さら封筒ごときにビビってられないってね。まあ、いざってときは土下座あるのみ、だ。



 「えっと、東条幸、ちゃん宛て?」

 

誰だ。というか、これは開けちゃダメなやつですよねやっぱり。いや、待って、待つんだ。もしかして東条幸ちゃんとは私の体の子のことではないだろうか。そんな気がしてきた。




開けよう!!!!





私は切られていた封筒の口から中のものを数枚取り出した。



「んー、何か手がかりがあるといいんですけど……!?」



そして私は息をのんだ。

なぜなら大量の写真が出てきたからだ。ざっと見積もっても20枚はありそう。しかもそこに写っていたのはさっき鏡で見た女の子だ。そう、東条幸ちゃん。さらにさらに、写真は全て目線が向いてない。盗撮じゃないですか名も知れぬあんさん。



ぞわぞわぞわ!



鳥肌がたってきた。恐ろしい。写真を出しきると手紙が出てきた。本当は見たくもないけどやむを得ない。私は罪悪感に苛まれながらも自分の理解の範疇をこえた今の状況を知るために必死だったのかもしれない。



『愛しい東条幸ちゃんへ。


いつも見てたんだ。やっとだね。やっと君を迎えに行ける。君の16の誕生日に僕たちは結ばれるんだ。幸せな生活を送ろう。

幸はわかってると思うけど、このことは2人だけの秘密だよ。もし誰かに言ったり知ったりしたら君の大切な人たち皆酷い目にあうからね?前みたいになりたくなかったら大人しく待っててね。


君の運命の相手より』



「なにこれ………」



自分のことでないとわかっていても怒りが止まらない。

幸ちゃんの体がどうして私のものとなったのか私にはまだわからないけど、同じ女の子として、幸ちゃんの恐怖や不安はわかる。


恐らく幸ちゃんはストーカー被害にあっていて精神状態が非常に不安定だったのだと思う。この手紙の『前みたいになりたくなかったら大人しく待っててね』という最後の文から幸ちゃん、または幸ちゃんの周りの人は何らかの実害をこのストーカーから受けていたこともわかる。その上誰かに相談もできない環境だったようだし、もしかしたら幸ちゃんの心は死んでしまったのではないだろうか。もしこの仮説が成り立つなら私がここにいるのも何となく、納得ができてしまう。体が死んでしまった由来と心が死んでしまった幸ちゃん。交わるには酷く丁度いい。


私はどうするべきなのか。

そんなもの答えは1つに決まってる。



「私が幸ちゃんの代わりに全部解決させる!!!!」


 



視点は主人公の幸です。

また、序盤で流血表現があったためR指定させて頂きました。

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