第二話
知らない屋根が見える。白い。
頭痛がする中、まわりを見渡してみる。
目にかかるくらいの前髪が鬱陶しく感じる。
周りには病院服を着て寝ている奴らが何人かいた。
狭い部屋だがここは病室のようだ。
体を起こそうとするとした瞬間体が悲鳴をあげた。頭が痛い。体もだ。少し動かすだけで身体中を針で刺されたような激痛がする。吐き気もひどい。
最悪の状態だ。
しばらくぼうっとして、少し考えてみる。
自分は何故生きているのだろう。
よくわからなかった。
外はくらい。
夜のようだ。寝て また明日考えよう。
3日たった。
身体はもう大丈夫のようだ。
どうやら俺は機体から投げ出され、無意識にパラシュートを開いていたようだ。
記憶はないが。
重傷だったようだが、医療は発達している。身体の何処かがなくなって無ければ一週間もあればなおる。
変なカプセルに入れられてな。
なくなった部位も一ヶ月あれば生えてくるらしい。
俺はカプセルをでて安静にしている時に目が覚めたようだ。
明日また出撃だ。午後1時。
戦闘員は少ない。出撃のする度に減っていく。
敵は陣取りゲームの様に汚染地域を増やしていく。
そう、奴らは、土壌や大気を汚染していく。その様子はまさに陣取りゲームだ。
空と大地をゲーム盤とした。
奴らはもう直ぐそこまで迫っている。
俺の国は運が良かった。
奴らの発生源からかなり離れていたし、島国だ。
より多くの領土を求めているのであろう奴らには魅力のない場所だったのだろう。
しかし、一番でかい大陸のほとんどは汚染が広がっている。
政府も傍観しているわけにはいかない。
多くの戦力を投じている。
しかし、止められるのは、微々たる時間だ。せいぜい一週間くらいか。
それも大量の犠牲のうえにだ。
合衆国は某隊な戦力をもっている。
だからまだ汚染は3分の1ほどにとどめているらしい。
それにアホみたいに強い戦闘機乗りがいるらしいしな……………。
ふと、じぶんの腕に違和感を感じた。
左腕だ。
チリチリと痛む。腕を見回してみたがこれといって外傷はない。
しっかり治っている。
俺は首を傾げた。まあ、ストレスか何かだろうと放ってく。
それに明日はまた出撃だ。腕の痛みなど死ねば関係ない。
少しでも生き残ることを考えていたい。