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ガンダム哲学 種アンチが抱いた疑問 キラ編

作者: 忠柚木烈
掲載日:2026/07/24

 種を見ていて思った。

 色んな不思議の列挙。


 種アンチ=キラアンチ、とほぼ言えるので。

 当然内容もキラに厳しいもの、となっている。

 これでも言葉を選び、内容を厳選したぐらいだ。




●キラ「カガリは泣いているんだぞ」

 種死でザフトに戻った、アスランへの糾弾。

 カガリが苦しんでいるのに、お前は傍で支えもせず何をしているのか、の意味。


 それ自体はいいが、当の国家元首が本当に。

 ただ泣いているだけなのは、如何なものか。


 もしデュランダルが、プラント本国に核攻撃された場面で、

「なんで撃つんだー! 撃つのをやめろー!」

とか泣き叫んでいるだけなら、最早それは国民への裏切りに等しい。


 国家元首は安全保障に、責任を持つ立場だ。

 その立場を放棄してキラに攫われておいて、いざ思い通りにならないと泣き叫ぶ。

 そして優しいお兄ちゃんとしてキラが、全てを武力で解決する。

 行動のそれが完全に、癇癪を起こした子供でしかない。


 何よりキラの基本的な行動パターンが、対話の拒絶と武力行使なのが。

 この拉致という正当性のない行為を、感情で強行する姿勢からわかる。




●キラ「アレはザフトと戦っていいのかどうか僕も迷っていたから」

 種死、アスランの「お前がシンにやられるとは思っていなかったからな」に対する返し。


 シンの執念がキラを凌駕した、訳ではなく。

 キラが脅威認定せず、油断していただけという事になる。

 実際に討たれた後も、シン如きは遥か格下と思っているのが分かる言葉。


 ちなみに劇場版でも「仕方ないだろ!君らが弱いから」と言っている。

 アスランとの喧嘩の最中に、飛び出した言葉だが。

 明らかに君らとして指摘されている中心は、同僚のシン達の事だ。

 ホントにシンの事なんて、路傍の石程にも思ってないのだろう。


 種でサイへ「やめてよね」した時もそうだが。

 例え追い詰められていてもいなくても、こういう言葉が散見されるのは。

 自然に他者を下に見ている、基本的な姿勢の現れといえる。




●キラ「明日が欲しいんだ。覚悟がある。僕は戦う」

 種死、議長への反論より。


 政治責任を、一切取らない立場なのに。

 一体、何の覚悟があったというのか。




●キラ「ラクスに会いたい。ただ隣で笑っていてほしいだけなのに。僕にはもうどうしたらいいのかわからない」

 劇場版、謀略でラクスと引き離されたシーン。

 ハメられたとはいえ、自分のミスが引き金となったので弱っている。


 それはわかるが、セリフの内容からして。

 思考放棄で付き従っている事が見て取れる。


 劇中ではナイーブで優しい、と評されているが。

 その時々の親しい女性に従う事で、判断責任を回避するという。

 種から一貫している姿勢で、主体性の欠如を思わせる。


※フレイという原体験が、与えた影響の大きさは留意


 終わらない戦いに、神経を擦り減らしている様子も伺えるが。

 それならデュランダルに言った、覚悟とは一体何だったのか。




●キラ:不殺の不思議

①ザフトからの脅威認定は極めて妥当


 継続的にザフトの作戦を妨害→軍事的脅威そのもの。

 逆にキラさえ排除できれば、作戦成功率が上がるともいえる。


 また、思想的にも断絶。

 共存・懐柔が不可能な上、そもそも交渉の窓口すら存在しない。

 排除以外の方針を取り様がない。


②不殺≠パイロットの無事


 捕虜として投降した場合の、安全保障がない為。

 敵地で無力化された、パイロットの安否は不明。

「コーディネイターの捕虜なんて要るかよ!」


 戦場によっては、極限状況でのサバイバルも始まり、宇宙ではもはや生存が絶望的。


 また無力化された結果、抵抗できず敵に撃墜される事もあり得る。

※ハイネとかハイネとか


 総じて、キラの不殺とは。

 「自らの手を汚さない」であって、兵士の安全保障とイコールではない。


 上述の責任回避思考から来る、自らへの免罪符であって。

 直接殺しさえしなければ、結果的に死ぬ事は気にしてないらしい。




●キラ:主人公の不思議

 作品開始の時期、エヴァに見られるセカイ系ジャンルが流行だった。

 望まないままに、力を行使する立場となってしまい。

 環境が主要人物を追い込んでいき、心理的葛藤が優先される構図でもある。


 しかしキラとは、非常に相性が悪い。


 最初は確かに、そういう構図だったし。

 自分の在り方に悩むという、等身大のヒーローだった。

 種までなら、そういう見方も成り立つ。


 だが種死以降は、完全にそういう存在ではない。

 不可抗力で世界に影響を与えてしまった、というより。

 思考放棄して誰かに従い、世界を自ら破壊していっている。


 性質上は反体制派かつ、具体的な統治論を持たない。

 全く場当たり的に、武力行使を行う非正規戦力。

 近代社会において、完全にテロリストとして定義される存在だ。


 視点がラクス・キラ中心なので、感じにくいが。

 俯瞰した構図ではどちらかというと、敵方に配置されるキャラの性質だろう。


 それらを所詮は個人的な分析、と切り捨てるにしても。

 リアルな世界観を持つ、ガンダムという。

 作品フォーマットと、単純に相性が悪い。




●キラ:スパダリ

 役割が明らかに自分を重ねて、物語に入り込む為の存在ではない。


 容姿に優れ、身体能力が高く、頭脳明晰。

 ヒロインの願いを無条件に叶える、そんな理想の存在。

 物語上の性質が、ランプの魔人のそれであり。


 総じて、少女マンガや乙女ゲームといった媒体の。

 スーパーダーリンの特徴そのものだ。


 ちなみに言葉が有名になった、時期が重なったからか。

 メアリー・スーと、指摘される事もあるが。

 キラは一次創作なので、そもそも該当しない。




●マルチロックオンの不思議

 ご存知ハイマットフルバーストを支える技術。

 高い空間認識能力を持つ、キラでなければ扱えないとされ。

 事実上、キラとストフリ系の組み合わせにのみ、許されているらしい。


※ミーティアにも同様のものが搭載され、レジェンド搭乗予定だった事から、アスランにもできるっぽい気はする

※劇場版でイザークとディアッカも、ミーティアを使っていたので彼らも同じく


 機体レーダーが360°方向の敵機を捕捉。

 コクピットインターフェースに投影。

 キラがマーカーを1つずつ確認。

 ロックオン状態に移行。

 機体の全火力を同時発射。

 適切に武装を振り分け敵を撃墜する。


 ……え、キラ邪魔なんだけど?


 既に機械が、捕捉済なんだから。

 ロックオンまで、そのまましたら。

 遥かにスムーズに、攻撃できるじゃないか。


 というか現実では、イージスシステムとして。

 機械的な複数火器管制を、1970頃から実現している。


 ニュートロンジャマーで、ロックオンできないから必要な手順?

 もしそうなら、パイロットが操作した所で?

 結局撃てない事には、変わりなくない?


 というか、パイロットの操作がいるって事は?

 思考操作で、手を動かさなくていいとはいえ?

 事実上は、マニュアル操作なのかこれ?


 そう言えば、劇中の描写を見る限り。

 ロックオン状態への移行が、明らかに遅かったな。

 なら逆にシステムでも何でもない、100%キラの曲芸じゃないか。


※劇場版ではあのモッサリロックオンがなくなっている。ついにキラ様が機械の速度に到達した。ファンは涙を流して讃えるといい


 後はドラグーンの様な、攻撃子機と違って。

 関節の限界と本体の接触、という制約がある都合上。

 本体から放射する攻撃では、死角も大きいのがネック。


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