短編終了後の登場人物解説
●リリィ(14歳~):
リリィが幻想都市ミガンナムで戻ってしまったかつての姿。
色々あって生家から逃げなくてはならず、その果てにミガンナムへと至った。
そして宿無しで困っているところをアランとキースに助けられて、ある酒場の給仕としての仕事も手に入れた。
それから数カ月はもう二度と過ちは犯さないと決意して、それゆえに平和であったが、ある時期から湧き上がり始めた飢餓状態に苦しみ、そして最悪な状況であの三人組と出会ってしまう。
それによってかつてを取り戻してしまったリリィは、多くの背徳な行為を繰り返し、それによって多くの人間がその精神侵食の餌食となってゆく。
そして、その果てにその肉体の【魔種】としての力が抑えられないようになり、半竜人の姿に変じてしまいもはや正体を隠せなくなってしまった。
それ以降は、直接的に精神侵食や吸精能力を行使できるようになり、ミガンナムは滅亡へと進んでいった。
――しかし、その行為は決して彼女がリリィが望んだことではなかった。
そもそも、かつての彼女がそういう行動に進んでしまったことも、かつての彼女が自分を止めるために【自殺】しようにも、それすら叶わなかった事も……、全ては……。
ユウトによって普通の人間の精神に戻っていたリリィは、幻想都市ミガンナムにおいて咄嗟に衝動的に自殺へ向かったが、……それが出来たということこそ……、そういう事であった。
●大魔女リリィ(?):
リリィの【本性】? として彼女に立ちはだかったもう一人のリリィ。……が、最後の最後でその存在が自分の【本性】では在りえないとリリィは理解した。
かつてのミガンナムの悲劇を、時間経過に関係なく再現してリリィを追い詰め、最終的にはリリィを亡き者にしようとした。
しかし、それはアラン、キース、そしてユゥトによって辛くも阻止され、その果てに一時的に【玄鱗龍姫】の権能に覚醒したリリィのドラゴンブレスで消滅した。
その正体は――、今だ完全な姿を見せていないが、全身各所に巨大な角を生やし、筋肉が異様に肥大化しており、サーベルの如き牙が口に並んだ竜角の生えたサメの如き頭部を持った怪獣としての姿を持っていた。そして、これを滅ぼせたがゆえに、リリィは正しく【魔種】としての大半の力を正しくコントロール出来るようになった。
リリィの心の闇の側面のように振る舞っていたが、そもそもがリリィの本心が許せないことばかりを口走っており、明らかな異質存在である。
実は、このモノの思い通りに進んでリリィが死んでいた場合、最悪の事態が起こる可能性があった。
●アラン&キース:
幻想都市ミガンナムにおけるリリィの味方であり、かつての背徳都市ミガンナムで【大魔女リリィ】に挑むもその前に倒れた二人の男。
ある意味幸運にも、最後のその瞬間まで一度も【大魔女リリィ】の餌食にはならなかった。その言動から、リリィとは性な関係を含まない、深い友人関係であったことがわかる。
裏切りに怒りながら、かつての思い出を振り払って挑んで死ぬが……、その刹那の瞬間に見た映像は――、
――かつての過去と、深い嘆き……、そして彼ら二人や都市の者たちの、その命を奪ってしまう事に心の奥で泣き叫ぶリリィの姿だった。
リリィが最後まで彼らを思い出せなかったのは、彼らに対するあまりにも深すぎる罪悪観があったからだと思われる。
●ユゥト:
事実を知って人々に宿ったほんの一欠片の憐憫の集合体。
無論、彼らはリリィに殺されており、そのことに関して深い恨みを持っている。
でも、微かに芽生えていた小さな想いの欠片が、ユウトの精魂を核として幻想都市に落とされたリリィを救う救い手として顕現した。
彼らは決して純粋な救済者ではない。でもその心に憎しみが在っても、リリィに罪を償う機会を与えたかったのだろう。
●犠牲者たち:
チンピラ三人組、酒場主人、義賊、それぞれかつてのリリィと関わって破滅した者たち。
彼らにもそれぞれ隙はあったが、それでもその末路は辿っていいものではなかった。
【大魔女リリィ】によってその尖兵とされて、その存在自体がリリィ本人を追い詰めていった(酒場主人のあれもリリィを追い詰める為の策略であった)。




